加藤和樹出演、上島雪夫演出のロックミュージカル3部作のDVD感想です。
3部作と言いつつ関連性はない。
どれもあやかしの世界ってことでしょうか。
「King of the Blue」(2010)
玄武の和樹さん、黒い衣装がロックミュージシャンのようで格好いい。
揺れるブランコみたいな上に立って、命綱もなくつかまりもせず芝居するのはめちゃくちゃ怖そう。
クールな強面イケメンなのだけど、心優しくていい人。
あまり感情表現が豊かじゃないのは、演技なのか技術力の限界なのか本人の個性なのか分からないけど(おそらく全部)、役にはあってたからOK。
ミュージカルって感じの歌い方じゃなくて、最初はこんな感じだったんだって思って見てました。
その他の感想
ヒロイン下手すぎ、鬼族の長らしいオーラも覚悟もなければ、複数の男に愛される何かも感じない。
朱雀を男性キャストにする意味はあったんだろうか?女性でいいんじゃない?
弁天丸いいなと思ったら、キングアーサーでケイ役の人だった。
鬼ダンサーsのダンスが格好よかった。
「陰陽師〜Light and Shadow〜」(2011)
和樹さんの役は陰陽師三兄弟の真ん中、如月。
この兄弟たちが揃いも揃ってブラコンで、和樹さんは例によって強面クールキャラに見えるのに、お兄ちゃんに対してすがるような喋り方をする。
バンパイアストーリーズのアイのデジャヴ感。
和樹さんだけ黒いスタイリッシュな衣装で、歌い方もまだミュージカルっぽくないから、ロックシンガーが紛れ込んでるみたい。
演技はまだちょっと固いけど、気持ちは伝わる。
その他の感想
りかちゃん(紫吹淳)をキャスティングした人グッジョブ。
文句つけようのない独特のオーラと変幻自由な声色で、一瞬にして舞台を染め上げる感じがさすがです。
末弟すぐ死んで終わりかと思ったら、その後現れての圧倒的な歌唱力に驚いた。
義経のアクロバティックなダンスにも感動した。
シリーズ通してダンサーさんたちは本当に目を引く。
怪猫いいと思ったら東山さん、どうやら私はこの人の演技が好きらしい。
猫とカラスが面白くて、出てくるたびに楽しめた。
三兄弟の物語なのか、義経弁慶と静がメインなのか、ちょっと焦点ぼけてる気がしないでもないけど、歌もダンスも上手な人が多くて、最後シヴァが力技でまとめ上げてたから良しとします。
三兄弟の行方は知れずって言うけど、長兄と末弟は寿命半分で離れられない運命ってことは、最後如月だけひとりぼっちだよね、可愛そう。
「Song of Souls-慶長幻魔戦記-」(2014)
和樹さんの役は天海。
天海ってかなり高齢のはずなのに、どうみても若すぎる。
高僧の霊力ゆえに全く歳を取らないってことにしておきます。
大好きだった愛ちゃん(愛月ひかる)も演じた天海なので、同じだ~ってちょっと嬉しい。
和樹さん、数年の間にミュージカルらしい歌声になってた。
殺陣は格好いいし、りかちゃんと視線をかわすだけでお互い想い合ってるのが分かるし、敬愛してた信長を自分の命と引き換えに終わりにする心情が悲しい。
あと10年くらい遅く(って今か)演じてたら、酸いも甘いも知り尽くした大人の深みとか哀愁とか表現できたんだろうけど、さすがにこの年齢でそれを求めるのは無理かな。
今なら間違いなく最高だと思う。
その他の感想
りかちゃんのおふく、年下の青年に想いを寄せてるようになりかねないところだけど、そこは演技力でカバー。
風魔がドイルッド子爵だと気が付いてびっくりしたけど、あんなに気持ち悪かったのが今回はいい。
東山さんの旅芸人の座長、安定にうまい。
摩多羅神の双璧ダンサーが格好いい。
やっぱりダンスの上手い人が好きで、どうしても目がいってしまいます。