並木通り沿いにあるミクニ銀座ビルの5階。
上質の鮮魚をメインとした和食コースの美味しいお店。
『銀座 杉もと』
価格帯からして、敷居が高そうなイメージでしたが、
カウンター席へ座ってすぐ、気さくな店主との会話で肩の力がスーッと抜け落ちて。
■ヱビス生ビール
乾燥しているこの時期、スタートは冷えたビールでのどを潤して。
クリーミーな泡、薄はりのタンブラー使用でよりうまさが増して。
自分好みの使い易い細い箸。
■おまかせ料理 弥生の献立 全十二品 20,000円(税別) ※サービス料なし
■焼き河豚
下関産天然虎河豚。
しゃきしゃきの鹿児島産の新竹の子、下に温かくてサクッとした蕎麦がき。
しっかりした味わいの蕎麦つゆの餡、丸い紅葉おろし辛味がアクセントに。
店主おまかせで、日本酒でペアリング。
■黒龍 あどそ 純米大吟醸 黒龍酒造 福井県
精米歩合:50% 日本酒度:+3.0 アルコール度数:15度
爽やかな香りで、やわらかい口当たり。
米の旨味がじわぁ~っと伝わってくる純米吟醸酒。
■九絵のスープ
お椀の蓋を開けた瞬間、芳醇な香りがふわぁ~っと立ち上がる。
佐世保産5Kg物の九絵を1週間寝かせているそうです。
湯引きの切身、脂がたっぷりのっていて、やわらかく上品な味わい。
九絵の頭や骨を使用していると思われるこの出汁感が凄い。
■雲丹パン
山椒を振りかけた根室産紫雲丹。
甘くて、ミョウバン臭さを感じさせないうまさ。
この時期にではかなりの上物かと思います。
カリカリサクサクの揚げパンと一緒に。
まったく違う食感が楽しめる斬新な逸品。
■醸し人九平次 CAMARGUEに生まれて、萬乗醸造 名古屋市緑区
精米歩合:50% アルコール度数:16%
フランス産のお米を使用した日本酒を飲んだのは初めてでした。
プロヴァンス地方の「カマルグ」で栽培された米品種「マノビ」100%使用。
スッキリしていてライトな味わい。
ほんのり甘味辛味が交わって複雑な余韻が続く。
■本日のお造り
頭や骨を使用した出汁と一緒に食すのは、青森県産目抜け。
厚切りで弾力のある歯応え、脂っぽくなくさっぱりした味。
こちらは、剥いた赤芯大根を器に見立てて。
ハート型と花びらを切り抜いてました。
秋田県産松皮鰈、縁側を添えて。
厚めの切身、ねっとりとした食感、深みのあるうまみ。
何日間か寝かせて熟成させているかもしれません。
脂がしっかりのった秋田県産のどぐろ炙り。
■蛤のエスプーマ
泡泡でクリーミーな蛤の出汁。
中に、味が濃いプリプリの蛤と鳥取県産松葉蟹の剥き身が入っています。
■〆張鶴 銀ラベル 大吟醸 宮尾酒造 新潟県村上市
精米歩合:38% 日本酒度:+5.0 アルコール度数:16度
上品な香り、飲み口はふくよかかでキレの良い余韻。
■本鮪の手巻き寿司
こんなデカい鉄芯の鉄火巻きは初めてでした。
塩釜産生本鮪100Kg物、赤身部分多めの中とろ。
本山葵をたっぷり付け、赤酢のしゃりと、パリパリの海苔で巻いて。
鮪は軽くヅケにしてあるみたいなので、そのまま箸で掴み、赤身側からガブリと。
食べ応えのある手巻き寿司。
■きんき 生湯葉の煮物
蓋を開けた瞬間、感動的な香りが・・・。
塩焼きが大好きで、特に皮目が最高ーにうまいんですよ。
北海道産きんき、あっさりした煮物は初めてでした。
身がぷりっぷりで皮目が甘い、脂がしっかりのった上品な味わい。
しゃりしゃりのふきと、生湯葉を添えて。
■Nechi 根知谷産越淡麗 壹等米 渡辺酒造店 新潟県糸魚川市
精米歩合:50% 日本酒度:+2.0 アルコール度数:16度
自社栽培している「越淡麗壹等米」を使用。
香り高く、シャープな切れ味、ワイン造りに準じた考えで造られた日本酒。
■白魚の天麩羅
たらの芽と、青森県産の大きな白魚の天ぷら。
さくさく、ふわふわ、ローズソルトで。
付け合わせの小皿は、炒り豆腐。
■鱶鰭の姿煮 和食仕立て
気仙沼産のふかひれ。平茸を添えて。
とろみの餡は魚の骨で取った出汁、ほのかな生姜の風味。
中華料理とは違う和の旨味。
■蒸し鮑の肝あんかけ
三陸産鮑、ぷるんぷるんで、やわらかい。
下に、原木椎茸と宮城県沖の生わかめを忍ばせて。
濃厚な肝ソース、ピンクペッパーがアクセントに。
■榮万寿 SAKAEMASU 50 2018 8th VINTAGE 清水屋酒造 群馬県館林市
新潟産五百万石100% 精米歩合:50% アルコール度数:16度
今回頂いた日本酒の中で、、一番フルーティーで辛口でした。
最後に出された緑茶も美味しかったです。
■蕎麦
食事は、「松阪牛のそぼろごはん」かこの「蕎麦」のどちらかを選びますが、
迷いなく好きな「蕎麦」にしました。
お店で店主が打った、福井県産蕎麦粉を使用した細切りの十割蕎麦。
ねっとりした舌触り、風味豊かで非常に美味しかったです。
違う食感が楽しめる幅広の一反麺付きとは驚きでした。
薬味は、おろし山葵と、大根おろしの上にスライスされた山葵の茎。
基本、私はつゆには入れません。途中の口直しにつまんで直に。
とろっとろの蕎麦湯が、これがまたうまいんです。
■白餡のクリーム 京人参餡
冷たくて、ほど良い甘さのデザート。
中に、イチゴのゼリー。
面白いのが、口の中に入れるとパチパチ弾けるクラッシュした飴が上に添えられて。
なつかしい~あの「はじけるキャンデー ドンパッチ」のような物が。
今回のコース料理の中で特に気に入ったのは・・・、
「九絵のスープ」、「きんき生湯葉の煮物」かなぁ。
本鮪の手巻き寿司やデザートも遊び心もあって面白かった。
暗いニュースが毎日流れているこのご時世で、
カウンター席の他、奥の個室も満席でした。
気さくな店主との会話が弾んで、お店の中は和やかで。
素敵な料理とホスピタリティの高さが人気の秘密かと思います。
残念ながら、こちらの店舗での営業は3月末で終了するそうです。
移転する予定とのことなので、また機会があったら新店舗へお邪魔したいですね。