つまさき坂
作詞・作曲:永井龍雲
爪先上がりの坂道で
偶然君と出会ったのは
春の日にしては肌寒く
日射しの頼りない午後の事
うつむき加減に坂を下りて来る君を
僕はもう疾くに立止まり見ていた
ふと目を上げたその顔は
まるで病葉が散るように
微かに揺れた
その場に二人は立ち尽くし
暫くは思い出に迷い込む
再びざわめきが戻って来ると
軽く会釈をして通り過ぎた
擦れ違い様のあるなしのそよ風に
君の香水の芳りが漂う
それはいつでも君からの
便りにそっとさりげなく
添えられていた
随分君も変わったね
薄く口紅も引いてたみたい
お化粧嫌いの君を誰が
そんなに自由に操っているのか
徒らに過ぎる時に戸惑いながら
僕はまだ君の面影に逡巡う
足早に行く君の背は
雲に濾された日の光に
空しく消えた
雲に濾された日の光に
空しく消えた
➡️1979(昭和54)年4月21日にリリースされた、永井龍雲さん4枚目のシングルで、B面曲は「お遍路」です。
この曲は、同年2月21日に先行リリースされたセカンドアルバム「発熱」に収録されていたものをシングルカット。
歌詞も曲も好きだったのですが、1979(昭和54)年8月21日にリリースされた5枚目のシングル「道標ない旅」の大ヒットに隠れてしまった名曲です。
永井龍雲さんは福岡県京都郡豊津町(現みやこ町)出身で、今年で61才になります。
私と4才しか違わないと言うのも驚きですが、この曲や「道標ない旅」がラジオから流れていた頃、私は高校生でしたから、ずいぶんお兄さんに感じていました。
この曲は、当時の私には難しすぎて、意味が掴めませんでしたが、龍雲さんの曲は弾きやすかったので、よく歌っていました。
内容的にはクラフトの「言問橋」と似ている気がしましたが、この曲は「言問橋」よりスローですので、意外と「道標ない旅」よりこちらをよく歌っていた気がします。
https://youtu.be/5iJaf-5I9-A
今聴いても、やっぱり切ない気持ちになる一曲ですが、我が愛しの奥さんNちゃんに言わせると「年だから」だそうです。
て言うか、あんた私より半年お姉さんじゃんか!