忘れ得ぬ歌ぱーと596「舞姫」 | 遊遊のブログ

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舞姫

作詞:松本隆
作曲:吉田拓郎

霧けむる 瓦斯灯の火が
君の瞳の 涙を照らす
ものすべて 灰色の街
ぬぎ捨てた 靴だけ紅いよ
「死にましょう」
ため息まじりの 冗談に
「死ねないよ」
年月だけが あとずさる
舞姫 舞姫
都会の夜を 今 駆け巡る
恋という名の 舞踏会
舞姫 君は手足が
舞姫 そう折れるまで
踊りつづける つもりだね


鞄へと 夢をつめこみ
君は来た このみぞれ街
三日後に 東京湾から
吹く風に 髪も凍えた
「愛しましょう」
心を絞って 叫んでも
「愛せないよ」
顔をそむける 人ばかり
舞姫 舞姫
はじめて君を 見た居酒屋で
涙相手に 踊ってたね
舞姫 不幸は女を
舞姫 美しくする
男をそこに くぎづける


透き通る 硝子の肌を
抱きしめて あたためたかった
でも それが優しさなのか
愛なのか わからぬままに
「死にましょう」
女の瞳の 切っ尖に
「死ねないよ」
淋しさだけが 押し黙る
舞姫 舞姫
君の寝床に レモンを置いて
今夜 遠くに旅立つよ
舞姫 人は死ぬまで
舞姫 運命という
糸にひかれて 踊るのさ


舞姫 人は死ぬまで
舞姫 運命という
糸にひかれて 踊るのさ


soon1978(昭和48)年6月10日ゆリリースされた、吉田拓郎さん15枚目のシングルで、B面は「隠恋慕」です。

「舞姫」と言えば、森鴎外を思い出しますが、この曲は川端康成の「舞姫」ではないでしょうか。

森鴎外の「舞姫」の美少女エリスは、誠に心惹かれる存在ではありますが、松本隆さんの歌詞には、異国ではなく鎌倉が相応しいかと思います。

この曲は「カンパリーソーダとフライドポテト」と「流星」に挟まれた曲ですので、記憶が薄いと言うか…ギター小僧になってから歌うようになった曲でした。

「舞姫」=「森鴎外」だった中学時代、川端康成の「舞姫」を読んでから、鎌倉に憧れるようになりました。

勿論「俺たちの朝」の影響の方が、遥かに大きいのですが「雪国」以外にろくに川端作品を知らなかった私の目を開かせてくれた曲です。

中学時代、まさか鎌倉へ行くなんて思ってもいませんでしたが、Nちゃんと歩いた鎌倉の街は、この曲を通じても強く印象付けられたものです。

それにしても最近は、小説らしい小説って少ないよね…って、奥さんのNちゃんが言っております。

この人って意外にも本好きなんですよね、意外にも(笑)