忘れ得ぬ歌ぱーと572「おさげと花と地蔵さんと」 | 遊遊のブログ

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思い出の曲を、思い出と共に、気ままにアップしたブログです。

おさげと花と地蔵さんと
作詞:東條寿三郎
作曲:細川潤一

指をまるめて のぞいたら
黙ってみんな 泣いていた
日昏れの空の その向こう
さようなら
呼べば遠くで さようなら
おさげと 花と 地蔵さんと


あれから三年 もう三月
変らず今も あのままで
空見て立って いるのやら
さようなら
耳をすませば さようなら
おさげと 花と 地蔵さんと


なんにもいわずに 手を上げて
爪立ちながら 見てたっけ
思いはめぐる 茜空
さようなら
呼べばどこかで さようなら
おさげと 花と 地蔵さんと


soon1957(昭和32)年9月に発売された、三橋美智也さんのシングル曲です。

三橋美智也さんは、1930(昭和5)年、北海道上磯郡上磯町峨朗で生まれ、函館で育ちました。

峨朗地区は、石灰石鉱山のあった所で、昼夜分かたず「太平洋セメント」工場に、電気機関車牽引の貨車で運ばれ、町中は石灰石で真っ白だったと言います。


「地蔵さん」は仏教の地蔵菩薩で、古くから民俗信仰の中の賽の神や、道祖神と習合して、境界を守る仏として三叉路や四辻や村境に建てられました。

京都には「六地蔵」と言う地名もあります。

地蔵菩薩は子供の守護仏として信仰され、8月24日は地蔵菩薩の縁日で、この日前後の祭を地蔵盆と言います。

京都をはじめ近畿地方では、町辻に寂しく立っている地蔵様に、新しい衣装を着せ、口紅をひき白粉をつけたりして祭ります。

私も子供の頃、地蔵盆に参加しましたが、日本人の信仰心は、この様に育まれて来たと思います。

おさげ髪に花を飾っていた少女。
私達の子供時代は、よく見かけたものです。

女の子は、おかっぱか、おさげ髪と相場が決まっていましたが、そこは女の子。
おさげを結ぶゴムの色を変えたりしていましたね。

Yさんと結婚していた頃、安曇野に住んでいた事がありましたが、安曇野はあちこちに「道祖神」が佇んでおり、茜色に染まる北アルプスと、青々とした水田とが融合し、お年寄りや子供達が、道祖神に手を合わせる風景をみて、京都の街を思い出してしまいましたね。

今では京都を思い出す事は、殆どありませんが、この曲が好きだった祖母の歌声は、今も覚えています。

お地蔵さんのある風景は、多分日本人にとって、一番身近な風景なのかも知れませんね。

ゆきずりの燭を感ずる地蔵盆 飯田蛇笏