忘れ得ぬ歌ぱーと548「湖畔の宿」 | 遊遊のブログ

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湖畔の宿

作詞:佐藤惣之助
作曲:服部良一

山のさびしい
みずうみに
ひとり来たのも
悲しいこころ
胸のいたみに
たえかねて
昨日の夢と
焚きすてる
古い手紙の
うすけむり


水にたそがれ
せまるころ
岸の林を
しずかに行けば
雲はながれて
むらさきの
うすきすみれに
ほろほろと
いつか涙の
陽が堕ちる


(ああ、あの山の姿も、湖水の水も、静かに、静かに黄昏れて行く。
この静けさ、この寂しさを抱きしめて、わたしはひとり旅をゆく。
誰も恨まず、みんな昨日の夢とあきらめて、幼子のような清らかなこころを持ちたい。そして、そして、静かにこの美しい自然を眺めていると、只ほろほろと涙がこぼれてくる)

ランプ引きよせ
ふるさとへ
書いてまた消す
湖畔のたより
旅のこころの
つれづれに
ひとり占う
トランプの
青い女王の
さびしさよ


soon1940(昭和15)年に発売された、高峰三枝子さんの大ヒット曲。

高峰三枝子さんは、言わずと知れた「日本銀幕のスタア」ですが、私は上原謙さんとの「国鉄フルムーングリーンパス」を思い出してしまいます。

あと「3時のあなた」の司会でしょうか。

この曲が発表されたのは、日支事変が泥沼化し、大東亜戦争前年ですから、感傷的で淋しい詩とメロディが、戦意高揚を損なうということで、当局は発売禁止にしましたが、国民が歌うのを止めることはできませんでした。
 
しかし歌手たちの戦地慰問で、兵士たちからのリクエストが圧倒的に多かったのがこの曲だったといいます。とりわけ特攻隊の基地で、若い航空兵たちが直立不動でこの歌を聞き、そのまま出撃していった姿が忘れられない……と、高峰三枝子さんは、幾度となく語っておられます。

この曲は、京都嵯峨野に住んでいる祖母がよく歌っていたので、自然と憶えてしまったものです。

ただ祖母が亡くなってからは、人前で歌うことは無くなりました。

この「湖畔の宿」は、白樺湖とか蓼科湖かなと、勝手に思っていましたが、何と「榛名湖」の「湖畔亭」が舞台だそうです(頭文字Dの舞台?)

私達が湖畔と言うと「阿寒湖畔」を思い浮かべますが、今や外国人だらけと言っても過言ではありません。

しかし阿寒湖畔も、戦前は静かな温泉地だったようです。

今日「阿寒国立公園」が「阿寒摩周国立公園」に変更が決定されました。
また大きく変わりそうですね…

あぁ…温泉行きたい。