津軽
作詞・作曲:さだまさし
蕭々と吹く風に雪煙
土蜘蛛の如くうずくまる林檎の樹
寂しさに立ち枯れたみちのくの
名も知らぬ木に氷が華と咲く
思えば あなたとの心の道行きは
荒海に 揺蕩二つの小舟の様に
櫂を失くして流されて
行方も知れずあてもなく
引き返すにも進むにも
浮かぶ瀬もなく
滔々とゆく河に泡沫の
はじける瞬の儚さを
哀しいと言わず愛しいと
答えたあなたの優しさが胸を突く
津軽に 訪れる春まだ遠く
心の 道行く先はなお遠く
凍てつく指に耐えかねて
ふとあなたの名をくちずさめば
降りしきる雪の彼方から
幽かな海鳴り

このアルバムには
安曇野、甲子園、転校生(ちょっとピンボケ)等が収録されている、聴いて楽しいアルバムです。
津軽とは、青森県の西半分の地名ですが、冬は風と雪のイメージが強いのですが、やはり太宰治の「津軽」の影響があるのかも知れません。
津軽に降る雪は七つ
こな雪(粉雪)つぶ雪(粒雪)わた雪(綿雪)みづ雪(水雪)かた雪(固雪)ざらめ雪(粗目雪) こほり雪(氷雪)
とされています。
その津軽と北海道に、青函連絡船が廃止されて28年、新幹線がやって来ます。
太宰治の「津軽」にも連絡船の描写があります。
「……海峡を渡つて来る連絡船が、大きい宿屋みたいにたくさんの部屋部屋へ黄色いあかりをともして、ゆらゆらと水平線から浮んで出た」
北海道と内地を隔てる津軽海峡は、いにしえの昔から、難所として知られてきました。
この海峡は、どれだけの命を呑み込んだでしょう。
青函トンネルが作られる切っ掛けとなった「洞爺丸台風」では、5隻の連絡船と共に1,500名を超える命を呑み込みました。
そして新鋭連絡船が就航し、函館から東京まで、12時間で行けるようになり、東北新幹線が開業すると9時間。
青函トンネルが開通すると6時間に。
そして明日からは、4時間2分で東京に行くことが出来ます。
こんな日が来るなんて、まだまだ先と思っていたのですが…
もっとも私達釧路市民には、少し遠い遠い乗り物ですが、一度位は奥さんと乗ってみたいものです。
奥さんのNちゃんは、あんまり興味無さげですけどね(笑)