2023年7月31日、私は立ち上げから携わってきた会社を退任および退社しました。
解任じゃないの?クビじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。
”クビ”という誇張ともとれるタイトルとして表現させていただいていたのも理由があります。
以下に、経緯を示したいと思います。
事業の立て直し
会社を立ち上げ、幾度も困難が生じ、時に間違いながらも少しずつ良い方向へ向かいつつあったタイミング。
立ち上げ初年度は、悪くない、むしろ良すぎたかもしれない会社立ち上げが出来、世間からの評判や認知度も少しずつ高まっていった。
ただし、課題は山積み。
あくまではじめの漕ぎだしがうまく進んだだけのことで、2回転、3回転と、弾みをつけるべきタイミングでの上場準備開始。
たくさんの歪が生じ、離職も出た。
会社が倒産するときは、人がいなくなるか、お金がなくなるか。
倒産も覚悟するほど必死に立て直しをした。
現場に入り込み、型をつくり、採用もし、教育もした。
少しずつ人も成長し、一度とまった歯車が再度まわりはじめた。
やっとここまでこれたと思ったのも束の間、CFOからの資金繰りの相談。
資金繰り
一時的に営業を止めざるを得ない瞬間もあったが、それは2~3か月程度のもの。
それも、既存顧客がいるためランニングでのコンサルティング業務委託費用は入ってくる。
新規で受注を受けないというもの。
そこまでのインパクトは正直ない。
その期間に出来る限り業務の棚卸しを行い、業務整理、業務効率化が重要。
退社した人数そのままではなく、半分以下の人数でも回せるような仕組みをつくった。
そのため、人件費があがっているといえど、トータルそこまで大きな乖離はなかった。
出来る限りのコスト削減も行った。
やはり大きかったのは、上場に伴う経費。
でも何より、売上がついてこなかった。
売上
基本的に担当所管は、私は人事総務。
社長は営業。CFOは経営戦略、経理、財務。
なんなら、業務(コンサルティング)まわりは私は外され社長が見ることになっていたが実際のところ私が見ていた。
↓外された経緯
営業部の崩壊は、C社社長と当時の営業責任者との間のコミュニケーションエラーからスタートした。
営業責任者の退社により営業部は全員退社した。
1名、頑張ってくれていたメンバーもいたが、社長の身も蓋もない一言で会社を去った。
社長が一人、優秀な方を連れてきたが、すぐに結果を出すことは難しかった。
新規で採用したメンバーも、育つまでには時間もかかる。
これまで営業は基本的にインバウンドか紹介だった。
ただ途中からインバウンドでの問い合わせをストップし、BPOへ切り替えた。
ストップさせた理由としては、問い合わせ内容に不純物が多いから。
要は、マネタイズに繋がらない問い合わせが多いという理由だった。
BPOへ切り替えたことで、テストマーケティングで留めればまだ痛手は小さかったかもしれない。
しかし、親会社であるB社社長とC社社長は主従関係があったのだと思う。
B社社長から言いくるめられたかはわからないが、採算が合わない交渉を安易に受けてしまっていた。
※相関関係※
合弁を組んだ相手方:A社
役員になる前に勤めていた会社:B社
A社とB社で合弁でつくった会社:C社
顧問契約をしている方からの紹介も大きかった。
何より会社立ち上げ当初に、国からの委託事業、大手法人との業務委託が開始できたのは顧問の力があったからに他ならない。
しかし、社長と顧問との間で不義理があったようだ。
このようなベンチャー企業が大手法人との業務委託契約を結べることなど本当に稀だと思う。
顧問が橋渡しをしてくださったからこそ、契約を結ぶことが出来、会社の大きな基盤となる事業、そして収益源になった。
しかし社長はこれをあまり理解していなかった様子だった。
なぜなら、苦労をしていないから。
業績が良いという結果だけ、受けとっていたからだと思う。
ありがたいことに、私は顧問には可愛がっていただいていた。
大手法人へベンチャー企業を紹介し、事業がうまくいっているというとなれば、紹介した顧問も鼻が高い。
そして何より、ベンチャー企業としてスタート時期にこのような仕事がもらえる価値を理解していたし感謝していたから。
不義理があったことは顧問から聞き、「C社社長が、真実で、誠実で、嘘をつかず、素直に、向き合ってくれたら、もっと大きな仕事を紹介したいと思っている」ことも話してくれていた。
しかし、社長に”もっと顧問に正直に相談したり頼ったりした方が良い”と打診しても、社長から聞く言葉は、「何もしていないのに」とか「面倒な人だ」という言葉だけだった。
そのほか、社長が新規で立ち上げた事業がことごとくうまくいかなかった。
そもそも立ち上がらなかった。
資金調達
資金調達についても、一番の反省点は上場に集中しすぎてしまったことで先を見越した銀行からの借入を出来ていなかったことだが、個人投資家や頼りにしていたエンジェルからもお金を借りることはできていなかった。
低金利という今の状況で、銀行からお金を借りにくいというのはわかる。
しかも比較的事業が好調で借りやすいタイミングを逃した後なら尚更。
しかし借りに行くことさえチャレンジしていない様子だった。
事業が好調だった際には、銀行側から借りてほしいという打診をもらい借りたこともあった。
その味を知ってしまったこともある意味良くなかったのだろうと思う。
お金は簡単に借りてはいけない。
むしろ簡単に借りられないくらいがちょうど良いと思う。
それは、簡単に借りたお金には、責任があまり乗らなくなってしまうから。
ちゃんとロジックを立てて、説明して、相手を納得させて、その説明した言葉に責任をもって、事業を全うし、貸してくれた相手にも大きな還元ができるくらいじゃないといけないと思う。
その場に立ち会っていないため憶測の域は出ないけど、貸す側からすると小手先であるかどうかは一瞬で分かってしまうものかもしれない。
なぜ資本提携をしたいという企業がそれを分からなかったかは知らない。
ビジネス的には面白い事業をしていたというのはあったが、思い描くシナジーが具現化することはなかった。
残念ながら資本提携においては私は蚊帳の外だったため、C社社長が何をコミットし、どのような絵を描いていたかは知らなかった。
それにより、実務面で私がそのコミットに対して何かをすることはなかった。
結果的に、バリュエーションを下げざるを得ないこととなり、約束を守れないどころか迷惑をかけてしまうことになった。
↓資本提携のはなし