ちょっといい話 | 皆様ご機嫌いかがでしょうか 

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【久保田光彦オフィシャルブログ】 

どうも最近、スポーツのギスギスしたところばかりが目についていたのだが、久しぶりに”いい話だなぁ~”というニュースがアメリカでありました。メジャーリーグの…といえばお分かりでしょう。ガララーガ投手にまつわるちょっといい話です。

アーマンド・ガララーガは、ベネズエラのクマナ出身の28歳。デトロイト・タイガース所属の右投げ・右打ちの投手である。事件が起きたのは、6月2日対インディアンス戦のことである。その日ガララーガ投手は好調のピッチングを見せ、9回2アウトまで一人のランナーも出さずにきていた。つまりあと一人で完全試合達成の快挙目前だったのである。

27人目の打者ドナルドの打球は、1・2塁間のゴロ。ファースト・カブレラが捕り、カバーに入ったガララーガに送球。完全試合達成と誰もが思った瞬間、1塁塁審のジム・ジョイスが一瞬躊躇ってセーフのコール。唖然とするガララーガ。リーランド監督の猛抗議も実らず、完全試合はもちろん、ノーヒット・ノーランの夢もあえなくちってしまった。

試合後、ジョイス塁審はリプレイを見て誤審と悟ったが、まさに後の祭りであろう。しかしここからが”ちょっといい話”なんですネ。メジャーの審判歴20年以上のジョイス氏は、「若い選手の完全試合を台無しにしてしまった」と述べ、翌日ガララーガ本人に涙ながらに謝罪した。それに対して、タイガース史上初の完全試合を誤審で逃したガララーガは、「仕方がない。誰もパーフェクト(完全)ではないよ。」とジョーク混じりで謝罪を受け入れたのである。ガララーガは記者会見でも、「また次の機会に、いいピッチングをして、(完全試合)にチャレンジするよ。」と笑顔で記者に語っていた。

間違いをすぐに認めて謝るベテラン審判も、それを許して笑顔で応える28歳の投手も、私は立派だと思います。フェアプレーやスポーツマンシップとは少し違うかもしれないが、”なんか、いい話だなぁ~。”と感じませんか。この世紀の大誤審は、セリグ・コミッショナーの強権発動で、判定が覆る可能性もひょっとするとあるそうだが、もうこれ以上はこの話題を引っ張らなくてもいいんじゃないかなぁ…、と考えるのは私が日本人だからかもしれない。

スポーツにおける品格が、特に相撲界で言われるが、今回の”ちょっといい話”には、なんとなく品格が漂っているように思うんですヨ。日本のスポーツ界でも、こういうニュースを是非見たい・聞きたいですネ。