沖縄の思い | 皆様ご機嫌いかがでしょうか 

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【久保田光彦オフィシャルブログ】 

政治の話をしましょう。このところのマスコミ報道で、よく”沖縄県民の思い”という言葉が出てくる。普天間の基地問題で、辺野古だ徳之島だと取りざたされるその裏側に、このままではいけない!という根拠に”沖縄県民の思い”という言葉が湯水のごとく使われる。本当に、そう考えているのかネェ…、政治家の人達は。

知事会での、各都道府県の知事の発言を、聞いたり読んだりしていると、よお~く判りますヨ、総論賛成各論反対というヤツ。沖縄よりも自分達のことが大事。基地は沖縄にあるんだから、そこでいいでしょう、でなもんです。なにか、ゴミ処理場と同じ扱いのような気がするなぁ、米軍基地は。必要だけど近所は絶対に御免だ、ということ。

鳩山首相にいたっては、何をかいわんやである。その時たまたまカツ丼が食べたいなぁ~と思っていたら、美味しそうなアグー豚肉を見て、「私はカツ丼が大好きだ。他に勝るモノはない!」と勢いで言い切ってしまった、ということなんでしょう。ステーキしか食べるものが無いのに、我慢したけど空腹には勝てず、皿も下げられそうになったので、あわてて鷲掴みにしたんです。どう見ても、深く考えているとは思えない。

マスコミだって似たり寄ったりだ。結局、連立がどうだ、日米合意だ、抑止力だ、参議院選挙だ、支持率低下だと、沖縄とは離れたところで様々な記事が踊っていて、沖縄の現状や裏側の部分、米軍との関係、そして本土の距離感。そういったものは、テレビ・新聞からは伝わってこない。

あるニュース番組で、沖縄のおそらく50代の男性の方でしょう、インタビューに答えて、「差別されている!」と苦々しげに話していた。60代と思しき女性は、「まるで植民地だ!」と憤慨していた。この被差別意識が、”県民の思い”の根底に横たわっている。しまんちゅうとの意識の差が、普天間移設問題という表層部分に染み出てきた。だからなおのこと、鳩山首相の言葉の軽さが際立つし、ボンボンの理想論が虚しく感じられるのである。

そこで私は思うんですネェ。このままの状況がこの先何10年も続けば、沖縄の人達の間に【独立運動】が起きるのではないかと。元々は琉球王国という独立国家として、明や清と東シナ海の中継交易をおこなっていたのだし(1879年の琉球処分までは対外的には独立していた)、民族学的にいっても異なるという説もある。世界を見渡せば、地域対立・民族対立が独立紛争に発展するなんていうケースは、枚挙に暇が無い。日本では、そんなことは対岸の出来事と、胡坐をかいていられなくなる日が来るかもしれないんです。

まあ、独立したいという意思表示だけでも、日本は、本土の人達は、真剣に国防や米軍基地の問題を考えるようになると思う。偉そうに行ったが、もちろん自分も含めて真摯に受け止めたいということである。鳩山首相の迷走は、強いて言えば、”沖縄の思い”を政治の俎上に乗せたということにおいて、意味のあることだったのでしょう。