祝!W杯カメルーン戦勝利 | 皆様ご機嫌いかがでしょうか 

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【久保田光彦オフィシャルブログ】 

オランダ戦の2日前に、この記事を書いている。W杯南アフリカ大会の、日本の初戦はカメルーン相手に1-0の勝利。まずは、勝ったことにおめでとうと言いたい。専門家から一般人まで、ほとんどの人が「日本は初戦がカギ」と論じていたのだから、この勝利はグループリーグ突破に向けて、大きな一歩だと思います。大会前の国際試合で4連敗。追い詰められた岡田ジャパンは、ある意味開き直る絶好のシチュエーションだったのかもしれない。

しかし、この手の状況で毎度のことながら思うのだが、テレビ・新聞の『勝てば官軍』的報道は、どうにかならんのかなぁ~。手のひら返しがあまりにも露骨すぎる。無論勝利を収めたのだから、ポジティブな論調は当然としても、岡田監督の采配をベタホメする記事を目にすると、一喜一憂の限界を通り越して、コイツ情緒不安定なんじゃないか?と余計なことまで考えてしまう。

岡田監督を褒めるにしろ貶すにしろ、時期尚早である。なぜなら岡田ジャパンは、まだ何も結果を出していないのだから。ベスト4はご愛嬌としても、グループリーグを突破し決勝トーナメントでどういうサッカーを見せるか。そこに評価がかかっていると思います。

カメルーン戦は、日本がよく守備で頑張ったが、素晴らしい試合をしたわけではない。カメルーンが悪すぎたのである。ある評論家が、前半の戦いぶりを 【理想的な展開】と評していたが、あれが本当に理想的なら事態は深刻ですよ。後ろに下がって、リスクを冒さず。パスをつないでポゼッションするサッカーを捨てて、裏へのパスばかり狙う。守りから攻めの切り替えが遅く、中盤でのパスミスも目立った。

松井・大久保の両翼とワントップ・本田の活躍で、本当に数少ないチャンスを生かした得点であり、岡田監督が勝つことだけのために執った戦略が、たまたま功を奏したのである。勝つための戦略だから、勝つことだけに意味がある。負けたら何も残らない。良い・悪いを言っているのではなく、オランダ戦を前に事実を冷静に客観的に判断しようということである。

実は過去にこういうことがありました。96年アトランタ五輪。日本は徹底した守備戦法で優勝候補のブラジルを破り、”マイアミの奇跡”と大いに持て囃された。その時の盛り上がりも大変なものだったが、その後の結果は日本はグループリーグ敗退(2勝1敗で)。五輪終了後、西野監督解任。守備偏重のサッカーへの批判が、解任の理由であった。もちろん、A代表とU-23代表では求められるものが違うから、単純に重ね合わせることはできない。でも理想主義と現実主義の鬩ぎ合いは、この国のサッカーの抱える大いなるテーマなんでしょうネ。

初戦の勝利で、グループリーグ突破の可能性は35~40%に上がったとみている。低すぎると言われるかもしれないが、オランダはもちろんのことデンマーク戦もかなり厳しい。1勝2敗で3チームが並ぶかもしれない。岡田ジャパンは現実路線をとった…、だからオランダ戦は、負けたとしても1点差で抑えることです。96年アトランタ五輪の日本vsナイジェリア戦。終了直前 鈴木のハンドで余計な失点をしたばかりに、決勝トーナメントを逃した痛恨の試合の実況を担当したのが、だれあろう私でありますから、老婆心ながら、この点を一言申し上げておきます。