窪田博士の研究室
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電磁波の害って本当にあるの? -迷信。それでも気になるなら金箔貼りのジャケットでも着たら?

初めに結論から言ってしまうと、害があるとは言い切れないけどもう少し観察してみましょうっていうのがWHOの見解。それと国内で行われた携帯電話と聴神経腫瘍の関連性を調べた比較的大規模な研究でも明確な関連性は見られなかった。

このぐらいリスクが低ければ当分の間は無視しても良いのではないかと思う。

「電磁波の害」で確実なのは火傷だ。これは電子レンジで食品が温まるのを見れば明らかだろう。マイクロ波やその他の電磁波が人体に当たってその場所が50度程度を超えたあたりから火傷になってしまう。

けれどもDNA損傷や腫瘍を引き起こすにはどうも電磁波のエネルギーが決定的に不足なのではないかという感じはする。

電磁波が直接細胞などに当たって分子構造を変えるには少なくとも化学反応が起こるよりも高い量子エネルギーが必要だ。つまり紫外線よりも短い波長が必要だ。ところが「電磁波恐怖軍団」の主張によると電子レンジや携帯電話がアブないらしい。けれどもこれらの電磁波の量子エネルギーは化学反応を起こすレベルから実に1,000,000分の1以下だ。これではDNAを傷つけるのは不可能だろう。

あとは「電磁誘導」だから「電」の部分で電界強度が100V/m程度を超えたあたりで電解質の電気分解を起こす可能性は少しはある。でもその前に火傷するだろうし、相変わらず発がん性のメカニズムからは遠い。携帯電話の出力は「大きい」と言うけれども、それはPHSや昔のトランシーバーと比較して「大きい」だけで電子レンジと比較すると1000分の1程度。これも無視して良いのでは?

さて、そもそも「電磁波」ってなんだっけ?磁界が変動すると起電力があるんだね。銅線の近傍で強い磁石を素早く振ると直角な方向の銅線には電気が発生する。どうしてかって?それは自然の空間の性質としか言いようがない。先人たちが詳しく観察してみたらそうだったのだ。

中学や高校でフレミングの法則とか右ねじの法則なんていうのをやったと思う。

これを数式にしたのがマクスウェルの電磁方程式。これは後にアインシュタインが特殊相対性理論を発見するヒントにもなった。

さて磁石を振ると電気が流れる。でもそこに導体が無かったとしても電界だけは発生する。電界の強度が変わってゆくと、電流が流れたのと同じようにふたたびその電界と直角方向に磁界が発生。

こんな風に「磁界>電界>磁界>電界>磁界>>>と ドミノ倒しのように次々と電界や磁界の変動が遠方に伝わってゆくのだ。これは空間に起こった電界と磁界の波なのだ。これが「電磁波」。

時々磁界は遮蔽できません、なんてアホな事を書いているWebがあるけれども、これはほとんど間違っていると言える。まず透磁率の高めの板で覆うと磁力線はその中にはほとんど入ってこない。さらにはアルミホイルや金箔のような非磁性体であっても導電率が高いと磁界の変動によって起こった電気を渦電流に換えてジュール熱として消費してしまうので、動的磁界はアルミホイルようなものを透過できない。

尤もこれは金属の大きさが概ね電磁波の波長よりも小さい時で、波長よりも大きい金属だと今度はプラズマ振動によって電磁波は全反射されてしまう。いずれにせよ電磁波は金属を通り抜けることはできない。

もちろん地磁気のような動かない磁界はアルミホイルのような非磁性体では遮蔽できないけれども、これは電磁波とは言えない。

現実的に金属を多少なりとも透過できる電磁波はX線ガンマ線以外には無く金属の遮蔽は非常に強力に電磁波を遮断することができる。つまり金箔張りにしたジャケットでも着れば良いわけだ。

けれども正直、その必要性は全く感じられない。電磁波の忌避は現時点までの知見では根拠が希薄で迷信としか言いようが無いからだ。

(文:窪田敏之)

同一内容の文章がこちらにもあります。
http://kubota-hakase.blogspot.jp/2013/01/blog-post_5.html

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研究室拡張(移転)のお知らせ

諸般の事情により「窪田博士の研究室」ですがAmeblo上だけではなくGoogleのBlogger上にも拡張しようと考えています。

主な事情は先方は複数のブログを同時に管理できるので手間がかからない、とか統計データが長めに出るので助かるとかそういった理由です。

そこでこちらのブログよりも向こうのほうが記事が多めになると思われます。しかし、こちらのブログでお知り合いになった友達もたくさんいらっしゃいますし、amebloさまにも色々とお世話になりましたので、時々はこちらにも記事を書こうと思っています。

よろしくお願いいたします。

「窪田博士の新研究室」はこちらです。

http://kubota-hakase.blogspot.jp/

(文:窪田敏之)

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チェルノブイリのセシウム環境的半減期は180-320年? こりゃ翻訳間違いか測定ミスでしょ。

チェルノブイリ周辺の核汚染、予想より減少進まず

放射性物質の半減期は「弱い力」によって支配されているので、ほとんど外界の影響はうけない。従って最悪でもセシウム137は30年で半分になる。これを遅くする力は現在の科学の範囲ではちょっと考えられない。

けれども環境においては拡散で周りに広がって行くはずで希釈されるだろう。すると環境的な半減期は物理的半減期よりも短くなる事が期待される。

おそらくチェルノブイリでは期待に反して物理半減期と大して変わらなかったのだろう。この記事はそういうことを言いたいのではないかと思うけれども。

放射能の減り方が物理半減期以上長くなることは理論的にはありえない。

180~320年というのはウクライナの基準で人が住めるようになるまでの期間のことではないか?300年も経過すると半減期30年の核種だと2の10乗分の一(1024分の一)にまで現象する。3桁も低下するとたとえば現在キログラムあたり80000ベクレル存在したとしても300年後にはキログラムあたり80ベクレル。つまり元々生体が持っている自然放射能と同レベルまで低下する。

もし本当に物理半減期より予測されるレベルよりもたくさんの放射能が検出されたとすると、それは追加で漏れてきたかあるいは枯葉などでセシウム自体の濃縮が起こったのだろう。こんなトンデモな記事の元論文を検索する気力が起きないけれども、翻訳者さんも少しぐらいは気をつけてほしいものだ。

(文:窪田敏之)

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