この男エロにつき…
アデユ~ 久保新二 伝

「久保チンの舞台やっててもメリットがない、私はお芝居がしたいんです」

プッツンの清川鮎。

今日の飯代もない彼女に、礼儀作法、マナー、踊り、演技を教え込み、他へ行っても恥をかかないように育てたのはオレの器量だ。
男と別れて落ち込んでるとき、山本竜二へ相談した。
竜二は話しを聞いてあげた。
が、竜二も何考えてんだろ、友達を呼んで3Pで鮎を元気づけた。

「もう、鮎がしつこくて参ったよ久保さん」

だって…。

ある日、TSミュージックの休憩時間に「シェ-キーズ」にピザを食いにいった。
偶然「清六がゆく」の、ラジオ番組を終えた斎藤清六がいた。

久しぶりに雑談に花が咲き、笑いも出る話しを清六がする。
オレは笑えねぇけど、清六はホント真面目な奴だ。
芝居、寄席の会にはよく顔を見せる。

ラジオも自分なりの演出をまじえ、頭が切れる。
一人、ポッーンと取り残されたようにシラケているのが鮎だ。

「どうした?ほら清六チャン、斎藤清六、テレビで見たことない?清六と何か話しすれば、鮎」

と、気遣いだ。
清六は鮎と付き合いたい様子だ。
そしたら鮎がいきなり、

「こうゆう人、タイプじゃないからあたし」

ときたもんだ。
沢尻エリカといい勝負だっての。

清六だって、その場を楽しませようと気を使ってんのにネ。

何がメリットだっての…
長い付き合いが大事なのに…
人間性の問題だね…。

そうやって人生は流れていくんだね。

そうやって、もう戻れなくなるんだよね。

たまに、ほんのたまにだけど、一人ぽっちも好きなんだなぁオレ…

アデユ~