花散る校庭公園の様に浸る間も無く次の花の準備に目が行く | 愚奏譜

愚奏譜

ワタシ、かなでの備忘録みたいなもの。
割と内向き・オタクなハナシが多くなりそうです。

昔の書きかけです。

そのまま掲示へ。

シリーズものは現行のを今も追いかけています。




本のハナシ

上田秀人作品ばかり



『画策  勘定侍柳生真剣勝負(三)』小学館時代小説文庫
なんだかんだで、今一番楽しみにしてる上田作品です。
主役の淡海一夜が、主役なのに作劇の渦から距離を置いているような感覚が面白い。他作品の主役と違い、スペックが出来上がってる感が異世界転生モノっぽさもある。
幕閣とか柳生とか伊賀とか、色々と上田作品ルーチンな動きを見せてるけど、逆にそれとのギャップが笑える。



『金の徒労  日雇い浪人生活録(十一)』ハルキ文庫
こちらはこちらで、『妾屋』シリーズに近づいて来ちゃったけど、キャラ立ちが面白いから否定的な感想にならない。
水戸と会津がチョコマカしてるけど、この辺はパターン化。
諫山左馬介の武力が微妙なままにしてるのは、過去作のパワーインフレへの警戒にも思う。それでも、場数を踏まされてるからレベルアップしちゃってるけど。その隙間に村垣姐さんの活躍がある。



『要訣  百万石の留守居役(十七)』講談社時代小説文庫
堂々完結!なんて書いてるけど、やはり締め方が微妙な上田作品。「堂々」感はないです。流れ上、幾らでも続きが書けそうな状態のままです。
いろいろちょっかいを出してきた連中も、存続確定な実在大藩であるから、表面上無傷だし。
紀州なんかは、「絶対に滅んではいけない隠密」である「御庭番」になる前の薬込役がボコボコにされて、なんと村垣(シリーズレギュラー家。後代に外国奉行も輩出)も討たれたのにはビックリした。上田作品で村垣が討たれるのはレア(初めてか?)。
主役瀬能数馬は「いつもの」上田作品主役だったけど、琴姫と周りの女軒猿達は新味があって良かった。