常識を覆す逆回りする金星(1) | ふしぎのメダイ

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 1960年代から始まった、電波天文台の目ざましい発展から、金星にマイクロ波を発射することにより、金星の自転の方向を明らかにする観測が行なわれていた。

 分厚い雲層が、金星の自転の方向を覆い隠しているため、これまで試みられた「スペクトル分析法」Г望遠鏡分光ドップラー効果観測法」Г表面大気観測法」、その他あらゆる観測手段は、全て失敗に終わっている。

 しかし、マイクロ波を金星に向けて当てたところ、反射して戻ってくる電波の大部分は、金星の中央部分の狭い一点から、殆んどダイレクトに垂直反射してくる。

 その他の弱い電波は、金星の縁からの反射のもので、その波長を精密に測定したところ、小さいながらも明確にドップラー効果を示すことが分かり、球体の縁の接近と後退の証拠を示していたのである。

 その観測結果は実に驚くべきもので、それまで考えられてきた太陽系の惑星は、横倒しになって自転する天王星を別として、全て同じ向き(反時計回り)に自転しているという常識を覆してしまったのである。

 1962年、マイクロ波による金融への観測の結果、とうとう金星の自転の謎が明るみにされたのである。

 それは、金星だけが

 Г順行自転」ではなく

 Г逆回転」

 だったという思わぬ結果だったのである。

    (続く)