このように、肉体的にも精神的にも、私が長年爽快な生活を送ってこれたのは、おもに先に述べた食事上の抑制によるものであるが、このほかにもいくつかの気をつけてきたことがある。
例えば、働き過ぎ、異常な暑さや寒さ、悪い空気のところに長時間いることなど、極端なことは避けてきた。
また、憂鬱、憎しみ、その他の否定的な感情を抱かないように注意することにも努力してきた。
なぜなら、否定的な感情というものは、心身に極めて由々(ゆゆ)しい影響を与えるからである。
ちなみに、これに関しては、ひとつの発見があった。それは、飲食に関する前述の規則を守っている者にとっては、その種の不快な情念が生じることは殆んどない。ということである。
古代ローマのあの名医ガレノスも云っている。
「飲食に関する規則を守っていたので、病気になることはなかった。少なくとも、不調が一日以上続くことなど、まったくなかった」と。
彼のこの言葉は真実である。
まさに私がそのことを証明している。また、私を知る者たちも、その証人となることだろう。
私は暑さ寒さのほか、思わしくない天候などからも悪影響をこうむったことはない。
(続く)