森羅万象に棲息する
魅惑の超自然的生きものたち
万象の背後で生命エネルギーの運び手、妖精が喜悦(きえつ)する。
精霊王国の豊かな滴は満ちて落ちようとしている。
今こそ、あの黄金の日々に戻り、自然の優しい木霊(こだま)に耳を傾けよう。
(第一章)
精霊との調和がこの世にエデンの園をもたらす。
日常次元のほんの狭間(はざま)に妖精は現われる。
太陽の赤い夕日の光で、世界を満たして沈んでいくと、風の精霊に導かれて、静かなそよ風が森の方から吹いてくる。
まもなく群れなす妖精たちが乱舞する神秘的な夜が訪れるのだ。
かつて人々は、鬱蒼(うっそう)と茂る木々や、川面に立つ霧、ヒースの荒野や花々の陰に精霊の存在を感じ、それら超自然的生きものたちに敬意を払っていた。
妖精
この神秘に満ちた魅惑的な存在。
森羅万象に棲息する妖しい者たちは、千差万別の場をとって、世界各地の民間伝承の中で暮らしている。
しかし、
(続く)