ファースト・マン | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

ファースト・マン(原題: FIRST MAN)
2018年アメリカ 日本公開2019年2月
監督デイミアン・チャゼル
ライアン・ゴズリング/クレア・フォイ/ジェイソン・クラーク/カイル・チャンドラー
コリー・ストール/キーラン・ハインズ
画像
(C)Universal Pictures/(C)2018 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

【雑感その1】
んー、んー。 まぁよかった。
なんだろうな、いい映画なんだけど 絶賛できないもやもや感がある。
とか言ってるけど実はちょっとだけ泣いた。
BBAなもんで、変なトコで稀に涙腺緩む。

上映時間が長いんだけど、体感としても長かった。
基本的に同じようなことの繰り返しで、ちょっと退屈に思えるところもあった。
物語として抑揚があまりなく
テンポもリズムも一定。
一方で緊張感のあるシーンも多く、どうなるの、どうなるの?って興味を
持つシーンもありました。
ただ、この主人公アームストロングさんに関しては どうなるか がわかっているので
ある意味そこは安心して見れた。

アームストロングさんというのは
ニール・アームストロング船長のこと。
そう人類で初めて月面着陸をしたあのお方。
この作品はジェームズ・R・ハンセンの原作を基にした
ニール・アームストロングの伝記映画となっています。
そもそもこのアームストロングさんという方が寡黙でまじめな人だったようで
そういう部分がこの映画を地味にさせてしまってるのかもしれないなと思いました。
そんなアームストロングさんに共感できれば
もう少し見方は変わってくると思います。


【あらすじ】
空軍のテストパイロットのニールはX-20の実験飛行の際、操縦の未熟さから
命の危険にあう。
一方で娘のカレンは重い病と懸命に戦っていたが悲しい死を迎える。
そんな悲しみから逃げるようにニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に
応募する。



【キャスト】
登場人物が多いので適当にピックアップ。

主人公ニール・アームストロングにライアン・ゴズリング。
こういう寡黙な役は抜群に上手いと思う。
実際感動したのはストーリーよりも彼の表情によるところが大きい。

ニールの妻・ジャネットにクレア・フォイ。
メキメキ出演作が増えてる女優さん。
どちらかというと好きな顔なんだけど、この役があまり好きではなかった。

ニールの友人エドにジェイソン・クラーク。
髪型をきっちりしてるとウディ・ハレルソンに似てることがわかった。

NASAの指揮官ディーク・スレイトン役にカイル・チャンドラー。
カイル・チャンドラーが上司役してることの安心感ったらない。

月を歩いた2番目の人物バズ・オルドリン役にコリー・ストール。
アントマンのイエロージャケットが記憶に新しい。
おでこでわかった。

向かいに住むエドの妻パトリシアにオリヴィア・ハミルトン。
デイミアン・チャゼル監督の奥様であります。



【雑感その2】
登場人物も多く すごく雑多な印象を受けます。
一人ひとりのキャラがあまり感じられない。
ニールの家族のシーンが所々で挟まれるけども
妻の不安を表しているのはわかるんだけど
子供がうるさいだけで 感情移入できなかった。

月に行くまでに、どれほどのお金を使い、どれほどの犠牲を払い
その家族の憤りや不安を思うと
本当に月に行く必要があったのか?と疑問に思うところもあった。
月に行く〝夢〟と、国の威信をかけた〝プライド〟。
パイロットたちは命をかけてる。
けれどウラでは米ソの対立がある。
この不釣合いな2つの関係にちょっと納得がいかなかった。
別にこれは映画のせいでもないんでもなく、事実なんだけども。
アポロ11号の発射時の ライアン・ゴズリングが小窓から月をじっと見ているシーン
あそこで泣けてきました。
その目が、嬉しそうに見えなかった。
もちろん死ぬかもしれないんだからそうなるの当たり前だけど
むしろ恨んでいるかのような悲哀の目に見えて
絶対月に行くんだ。という強い意志があまり感じられなかったように私は思った。
なんともツライシーンに思えました。
そこが良かったんだけどね。
この発射のシーンは結構長い時間が割かれていました。
もちろんニールだけでなくアポロ11号に乗り込む他のクルーの心情を思うと
やはりツラくて
夢を叶えて月に行った。というよりも月に行く時のほうが感動的でした。


月にいくことになったニールが子供たちに それを告げるシーン。
長男の顔つきがとてもよかった。
それまでは弟とぎゃーぎゃー騒いでるだけの子だったのに
急に目つきがかわって その瞳になにか強いものがありました。

場面場面はとても良いのですが
1つのストーリーとなるとテーマが見えなくなってしまった、という印象を
受けた作品でした。
でも悪い映画ではないので興味があれば見てみてください。









2019-③