Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 | Every Little Step (新)

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りおうさんの更なる進化を求めて。

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件(原題:MR.HOLMES)
2015年イギリス/アメリカ  日本公開2016年3月
監督ビル・コンドン
イアン・マッケラン/ローラ・リニー/真田広之/マイロ・パーカー
画像
(C)Agatha A Nitecka / SLIGHT TRICK PRODUCTIONS


【雑感その1】
ホームズ と聞くと、ミステリ大好物のわしとしては飛びつかずにいられない。
(シャーロック・ホームズには詳しくないけど)
そう、この作品は シャーロック・ホームズの晩年を描いたもの。
実は原作がありまして ミッチ・カリンの『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』
という小説を元に製作されております。

時間軸が 現在・近々の過去・30年前の過去 という3つから
成っておりちょっと混乱をきたすかもしれません。
ですが主演のイアン・マッケランの演技が素晴らしく、見事に演じ分けている。
93歳である現在のホームズと、30年前のホームズだからそれでも60歳台のホームズ、
ここの演じ分けがすごいです。

ホームズというと探偵、謎解きだと思いますが
今回は93歳のホームズなのでそれを期待してみると肩透かしをくらいます。
かつてシャーロック・ホームズという探偵をしていた人物が主人公の
老人と少年のふれあいヒューマン映画
くらいの感覚をもって見るくらいがちょうどいいかもしれません。
わしは元々知っていたのでそれなりに楽しく見れました。
なんといってもわしは年寄りスキーですからね!


【適当なあらすじ】
93歳、老齢のホームズはイギリスの田舎町でミツバチの世話をしながら
そして自身も家政婦の世話になりながら余生を過ごしていた。
自分を引退に追い込んだ彼が扱った最後の事件の手記を
書くことでその事件との決着をつけたいと考えるのだが
自分が思う以上に『老い』が彼を苦しめるのだが。


【キャスト】
93歳のホームズを演じるのは、サー・イアン・マッケラン。
今回はその見事な演技力に敬服を称して サー をつけさせていただきました。
オスカーにノミネートされてないのが不思議なくらい。
イアン・マッケラン、好きなんですよね。
一番好きなのはX-MENフューチャー&パストのマグニート-。
きっちり作品指定。
マグニートーな彼がいいんじゃないの。X-MENフューチャー&パストのがすきなの。
そこポイント。

ロジャー少年役にマイロ・パーカー。
まーお利口さんな役でして。
またそれを嫌味なく演じてたのがよかった。
わしの好きなトーマス・サングスターにそっくりなんだが。
これは将来有望か!?

ウメザキ役に真田広之。
すごいよね!イアン・マッケランと共演できるなんて!
予告ではやたら真田広之推し(当然だが)な感じでしたが
実際はそれほど出演時間は多くありません。

ミセス・マンロー役にローラ・リニー。
役柄のせいだろうけどちょっと小うるさい印象でした。



【雑感その2】
ワトソン君は登場しない(厳密は出てるけど)ですが
ロジャー少年が新たな相棒となります。
彼がとっても聡明でいい子。
ロジャーの存在がこの作品唯一の明るい部分かもしれない。
だからこそホームズの老いがより鮮明になるんだけどね。

あと日本の描写にうんぬんはもう今更なので敢えて書きませんが
この作品において日本がそれほど重要なの?
ばっさり切ってもよかったんじゃないかと思うほど
中途半端な感じでした。
最後も何かつながっているのかなと思ってたけど
特になんの驚きもなかったし。

あとホームズが自分の映画を映画館で観てるなんて
誰が想像しただろうか。
そこは思わず苦笑いしちゃいました。

じーんと来た場面は
終盤、病院でミセス・マンローとホームズが長椅子に座って待っている
ところで医者から報告を聞くために立ち上がった2人が
手をつないでいたところ。
今思い出してもじわ~んと来ちゃう。
ただのおじいちゃんなホームズがすごくいいんだよね。
あのよぼよぼのホームズ見てるとなんか色々とね、考えちゃうわけです。。

とにかくイアン・マッケランのあの凛としたたたずまい。
品とオーラがあり、さすがだなぁと思わせます。
イアン・マッケランファンなら観るのをおススメします。
ミステリーが観たいというのならおススメはできないけれど。
展開としてはそれなりにちょっとしたミステリー展開ではあるけどね。
何度も書きますがホームズという名前に期待されないよう。

この映画、わしは好きだけどね。


2016-⑩