ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 | Every Little Step (新)

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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(原題: NEBRASKA)
2013年アメリカ 日本公開2014年2月
監督アレクサンダー・ぺイン
ブルース・ダーン/ウィル・フォーテ/ジューン・スキッブ
画像
(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

【雑感その1】
ロードムービーは割と好きです。
そう、この映画はロードムービーなんです。
しかも舞台は現代にもかかわらず映像はモノクロという。
そして映画の中で流れる空気はとてもゆったり。
なので興味の薄い人には非常につまらない映画に見えると思います。
特に何も大きな出来事はおきない。(既におきているけども)
ただ淡々と時間がながれていゆく。
年老いた父と息子の物語。
ほんとに見てる人みんな寝てるんじゃないかと思うくらい
ゆったりした映画です。
ただ最後まで見て初めてこの映画の良さがじわ~んと伝わってくるんですよねぇ~。
このじわ~んとした感じがとても心地いいのです。
自分も優しくなれる気がします。
というかなりたい。
内容的には暗い作品でなく非常にコミカルです。
笑えます。
監督のアレクサンダー・ぺインは去年ファミリー・ツリーという作品でも
アカデミーにノミネートされています。
そしてこのネブラスカでもノミネートされていて
今後もこの監督は注目しておいた方がいいかも。
わしは結構作品と好みが合う気がするので次の作品が楽しみでもあります。


【適当なあらすじ】
100万ドルが当たったという通知を受け取ったウディ(B・ダーン)は
一人で歩いて賞金を受け取りにネブラスカまで行こうとする。
皆が騙されていると助言するのも聞かないウディに結局息子のディビッド
(W・フォーテ)が付きそい、2人のネブラスカまでの旅が始まる。


【キャスト】
主人公・ウディを演じるのはブルース・ダーン。
頑固で無口なおじいちゃん役。
この役でアカデミーの主演男優賞にノミネートされました。
セリフは少ないけれど表情や仕草に哀愁というか
ボケかかった老人を感じさせて切なかった。
ブルース・ダーンはわしの好きなヒッチコックのファミリー・プロットという
これまたわしの好きな作品なんですが
そちらに主演クラスで出演していました。
あんなに若かったのにこんな形で再会しようとはだいかん
最近ではジャンゴ繋がれざる者にも出演されていました。

息子のディビット役のウィル・フォーテ。
わしはこの方はこの映画で初めて知りました。
父親を優しく、そして時にあきれてものも言えないようなそんな
まなざしで見るのが印象的でした。
こういうあまり世界でも広く名の知られてる俳優さんを使わなかったのも
この素朴な雰囲気を作るのに一役買っているような気がします。

ウディの妻・ケイト役はジューン・スキッブ。
非常によかった。
下ネタをガンガンはさんでくるけど最後の方のとあるシーンで
それでも夫を大事に想っているにがわかるんです。
それまでがあってこそこのシーンが光る気がします。
何気ないんですけどね。
車運転してたりとカッコ良いところも。
まぁでも嫌味なく強烈なキャラを演じていて素敵だなと思いました。
この役でアカデミーの助演女優賞にノミネートされていましたが
惜しくも受賞は逃しました。
受賞したルピタ・ニョンゴの出ている【それでも夜は明ける】も先日
見ましたが
正直、ジューン・スキッブが受賞しててもおかしくないと思いました。
残念です。
やはり前評判ですかね。もちろんルピタ・ニョンゴも良かったので
W受賞させたいくらいです。
このジューン・スキッブという女優さんは
映画だけでなく海外ドラマでも活躍されています。

ディビットのお兄ちゃん・ロス役のボブ・オデンカークも
わしは結構好きなキャラです。

そしてウディの親戚連中。
100万ドル当選したと知るや手のひら返してくるのがこれまた。
何とも言えない。
そこにケイトやらが絡んでくるしその辺がまたおもしろいとこでもあると思う。

【雑感その2】
シーン、シーンで割と笑えるというか
年寄りが集まって家の中でテレビ見てるところなんか
なんというシルバー映画だ!と思うくらいです。
わしは年寄りスキ―だから余計ああいうシーン好きだし
なんか笑えるんだけどね。
ただわしちょっとアメリカの地理がわからなかったのでそこだけが
欠点でした。
パンフにはちゃんと地図があるそうです。
2人旅のハズがいつしか4人、そう家族の旅になっていたりと
色々書きたいことばかりで何を書いていいかわからないほど。
序盤でウディが額に怪我をして縫ってるところは
ちょっとリアルでビックリしました。(モノクロだからよかったのかな…)
終盤、帽子かクッションかを選ぶというシーンもあるんですが
絶対帽子だろうなと思った。
その帽子をかぶるだけでも、じわーんとくるんですよね。

あと音楽がよかった。
予告での音楽もよかったし劇中での音楽もとってもよかった。
余計なうるさい音がなくて音楽もシンプルだったように思う。
音楽も秀逸でした。

モノクロだしテンポはゆるーいので映画館では寝ちゃいそう…と
心配される方は是非DVDで!
絶対DVDでも楽しめますのでご安心を。
わしはDVD出たら必ずもう1回見ます!!
何度も見たいと思わせる。
そんな感じなのでおススメはしにくいですが
とってもいい映画です!!
こういう雰囲気の映画がいけるなら全力でおススメします。 


2014-⑧