ダラス・バイヤーズクラブ | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

ダラス・バイヤーズクラブ(原題:Dallas Buyers Club)
2013年アメリカ 日本公開2014年2月
監督ジャン=マルク・ヴァレ
マシュー・マコノヒー/ジャレッド・レト/ジェニファー・ガーナー
画像
(C)2013 Dallas Buyers Club, LLC. All Right

【雑感その1】
良かった。
一言、良かった。
今年に入って見た映画はほんの数本だし
偉そうなことは言えないけど
今年観た中では今ンとこ1番の1本。
実話をもとにした作品で主人公はエイズ患者。
こう聞くと暗い重めのストーリーかと思いがちですが
全然違う。
押しつけがましいお涙頂戴は一切ないし
エイズだとわかってからの主人公の生き生きした顔つきも
見てて無理してるなぁとは全く思わないし
なんといっても鑑賞後の余韻がいい。
本だと読後感がいい とかって言うけどまさにそれ。
結局主人公がどうなるかは見なくてもわかってると思うけど
それでも悲しさが残るのではなく
後味が良い。
そのうえユーモアも交えています。


【適当なあらすじ】
80年代テキサス。
電気技師のロン・ウッドルーフ(M・マコノヒー)はHIVで余命30日だと
宣告される。
彼は米国では認可されている薬が少ない事を知り代替の治療薬を求めて
メキシコへ渡る。
そして同じHIV患者のレイヨン(J・レト)と共に
非合法のダラス・バイヤーズクラブを作りHIV患者達に新薬を
提供してゆく。


【キャスト】
主人公、ロン・ウッドルーフを演じるのはマシュー・マコノヒー。
名前は知っているけど出演作は見たことがない。
先日見たウルフ・オブ・ウォールストリートに出演しているので
それくらいかなー。
でもあの役もやたら印象に残ったけどね。チョイ役なのに。
で、話題になっているのがこのエイズ患者役をするにあたっての減量。
21㌔も減量して骨川筋衛門。
眼だけがギョロっとしている。見てるだけで壮絶さが伝わる。
映画の中でみんなロンをハンサムだと言っているけど
どうみてもあれはハンサムには見えないんだけどなぁ…。

ロンの相棒で同じくエイズ患者のレイヨンを演じているのは
ジャレッド・レト。
わしは初めてこの俳優さんを知りました。
ゲイの役なので女装しているんですが
これがまた綺麗なんだわ。
美人とかそういんじゃなくて似合ってるという意味で。
でも半端ない存在感。
主役くわれてるんじゃない?と思うほど。
登場シーンはとなりのベットからひょこっと顔を出すんですが
もうそこから彼が気になって仕方がない。目が離せない。
圧倒的にジャレッド・レトはすばらしい。
これはオスカー獲るわと思った。
レイヨンの穿いてるストッキングがいつも破れているんですが
あれにも何かしら意味があるんだと思う。
全く特に意味がないのかもしれないけれど。
あの破れたストッキングを通してレイヨンのバックグラウンドのこととかを
考えてしまうんですよね。
それを思うとすごく重い。
なんか、こうずーんと。
そういうのを感じさせるほどあの役を作りこんだというのはやはりすごい。

ロンの担当医・イヴを演じるのはジェニファー・ガーナー。
わしはこの方も出演している作品はほぼ見たことがない。
実は彼女はベン・アフレックの奥さんなのです。
とても好感のもてる方でした。
医師として、一人の人間として、ロンを通じて揺れ動くわけです。
社会の体制というか、そういうものに。


【雑感その2】
個人的にわしは生きることへの執着というよりも
エイズ患者でも人間なんだということもロンは言いたかったのかなぁ
なんて思うわけです。
時代背景が今ではなくて80年代。
まだエイズ=ゲイみたいな認識しかない頃。
差別されちゃうんですよね。
友達からも。
やっぱりねーレイヨンが切ないんよね。
国と対峙していくロンはどんどん生き生き?としていくのに対して
レイヨンはどんどん衰弱していく様とかね。
序盤はほんとロンは風が吹けば飛んでいくんじゃないかと思うほどの
痩せっぷりなんですが
中盤はそういうこともあって少しだけ生気のある顔になってゆきます。
そして終盤はまた激やせしてる姿になります。
見てて痛々しい。。
ただ、ロンという人物はものすごい行動力のある人だなと。
生きる事に対して目的があるというのは
これほど人を突き動かすものなのか。

感動という言葉よりも感心という言葉が似合うかもしれない映画。
終わり方も好きだし。
個人的にはおススメ映画です。
ジャレット・レトはほんとにいい演技しています。
もちろんマシュー・マコノヒーも。
これは…レオナルド・ディカプリオは今回も厳しいな…。








2014-⑥