ヒッチコック | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

ヒッチコック(原題:HITCHCOCK)
2012年アメリカ 日本公開2013年4月
監督サーシャ・ガバシ
アンソニー・ホプキンス/ヘレン・ミレン/スカーレット・ヨハンソン

Every Little Step (新)
(C)2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved

公開前から非常に楽しみにしていたこのヒッチコック。
感想は…正直イマイチだった。
なんかもっとサイコのメイキングをがっつりみせてくれて
しかもちょっとサスペンスっぽく仕上がってるのかと
勝手に想像したわしが悪いんだけど。
ヒッチコックと妻アルマのラブ・ストーリーだった。
もちろんヒッチコック作品らしい演出はあったけれど
それだけだった。
特に序盤のつまらなさに寝てたから内容がわからない。
まぁおねーちゃんに聞こうと思ってたら
おねーちゃんも寝てたとか。
この展開2度目だな…クマ
いや、でも後半はちゃんとおもしろかったよ!
まさかラブ・ストーリーだとは思ってなかった。
きっちり映画の趣旨を理解して見ればよかったなと。

1959年監督として既に成功していたアルフレッド・ヒッチコック(A・ホプキンス)は
後に彼の最大のヒット作になる『サイコ』の制作に
とりかかろうとしていた。
どのような作品を作ろうかと悩んでいたところ サイコ という作品に出会い
この作品を映画化しようとするが
スポンサーがつかず資金繰りに難航する。
彼は自腹をはたき、家を抵当にいれてまで自費で制作を開始するが
妻でありヒッチコック作品の影のプロデューサーであるアルマとの
関係もほころびができてしまう。

アルフレッド・ヒッチコックを演じるのはアンソニー・ホプキンス。
ご存じ、レクター博士。
これが見事にそっくりで!!と言われているけど
わしゃそんなに似てるとは思わない。
というかヒッチコックという人物をそこまで知らないからかもしれない。
特にこの作品で描かれてるヒッチコックはわしが持っていた彼の想像図とは
全く違っていた。
あんなにパッとしない人だとは思ってもみなかった。
悩んで苦しんで…それであそこまでの作品を作り上げてるのはやはりさすが。
抱えきれないプレッシャーの中苦労してるとか微塵も思ってなかった。
過去の偉大な人物だと思っていいた彼を少しだけ近くに感じられました。
映画の序盤の方で彼はお風呂に入っているシーンがあるんですが
お風呂にタオルがかけてあってそのタオルのロゴが AH だった。
あれってやっぱアルフレッド・ヒッチコックの頭文字なんだろうな。
ちょっとおもしろかった。
彼の妻、アルマ・レヴィルを演じるのはヘレン・ミレン。
もうこの2人だけでもキャストが魅力的すぎる。
完全にヒッチコックがアルマに食われてる気がししたんだけど。
アルマのキャラの方が立ってる。
彼女は完全にヒッチコックの片腕だしもしかしたら
それ以上かもしれない。かなりやり手。
脚本家でもあり助監督でもあり編集技師でもある彼女なしでは
今のヒッチはいない。確実に。
それほどに彼女の存在は大きい。
わしはこの映画を見るまでそんな彼女の事を全く知りませんでした。
ヒッチは自分の映画のどこかにいつも1シーン出演しているのですが
実はアルマも1度だけ出演しているんだそうです。
しっかり彼女の写真も残っており映画でみせるイメージとは違いますが
なるほどしっかりしててキツそうな女性ではある。
ヒッチと並ぶと大きさが…!
映画サイコにて絶叫するジャネット・リー役はスカーレット・ヨハンソン。
スカヨハは好きではないと常々言ってきたけれど
このジャネット・リー役の彼女は好きだ。
なんでだろうか。すごく合ってたしきっとジャネット・リーという人物がとっても
人好きするからかなぁと思ったり。
背筋のピンとしたあの時代の凛とした女優さんが似合ってました!
とっても好感もてました。
サイコの主人公のアンソニー・パーキンスを演じてるのは
ジェームズ・ダーシー。
彼がアンソニー・パーキンスそっくりでこっちのがびっくりした!
ひょろ長いとことか表情とか。
スカヨハもジェームズ・ダーシーも劇中ではそれほど出番も多いわけでは
ありませんが結構印象に残りました。
やっぱりかの有名なシャワーシーンのメイキングが
すごかった。
あれはまぢで絶叫してなかったか?
演技とは思えなかった。

演出としては 冒頭の部分が結構好き。
そしてお約束ヒッチの語り。
ああいう展開にもってくるとは思ってなかったのでそこは嬉しい誤算。
でもそこから失速。
というかヒッチの妄想でサスペンスタッチに描かれている部分もあるんですけど
どうも現実と妄想の区別がつきにくくて
すごく冷めた目でみていた自分がいた。
でもアルマがヒッチのもとでこれでもかというくらいに輝き
テンポもよくなる。
シャワーシーンに音楽をつけるかどうかを決めるシーンとかでは
バーナード・ハーマンも出てきてちょっとワクワク。

ラストは誰もが読めたであろう。
アレ。
だって次回作のことを考えれば絶対アレがでてくるんだもん!
思わずニヤリとしてしまいました。
この映画を見てまたサイコが見たくなりました~。
サイコを知らない方も興味をもってくださればいいなぁと思いました。
やっぱり以前とはサイコの見方がかわると思います。
新・午前十時の映画祭で今年はサイコも上映されますしね~。
楽しみです。