森保監督のインタビューを聴く機会がありました。某インターネット番組の公開収録です。

 

夏休みの特別企画で、観覧者は小学生(とその保護者)。ちびっこサッカー選手たちの「夏の思い出になるように」とサービス精神満載で語ってくださった2時間のうち、特に印象に残った話をご紹介します。

 

 

・・・・・って、

前回の投稿から1か月近く過ぎ、夏休みが終わって早3か月が経とうとしております・・・。

季節はもはや冬。体感的に冬。

相変わらずの更新頻度ですみません。

 

 

  その② 代表はみな「オレが1番」。だけど・・・

 

現在の日本代表は「間違いなく最強」

という森保監督。

 

選手たちも当然、次回のW杯で過去最高の成績を「出せる」と全員が思っているし、「そのためにオレを使え」「オレが1番」とみんなが思っている(少なくとも監督はそう感じている)そうです。

 

ただ、その「オレが1番」と自負する選手たちが、翌日のスタメンが発表されるとその瞬間からスパっと切り替えて、「チームのために何をするべきか」を考え始める、のだそう。

 

「(スタメンで使われないことに)いろいろ思いはあるはずだが、そこをぐっとのみ込んで、サポート役に徹することができる。そういう選手が集まってます」

 

それが今の日本代表の特長のひとつであり、非常に頼もしいとも語っていました。

 

「オレを使え」という自己主張の強さと、裏方的な役割の両立。

 

一見すると、対極にあるような行動に思えます。特に代表に選ばれるような選手は少年時代から目立っていて、プロになってからも自チームで活躍している選手ばかり。

 

それなのに、この二つの行動が「みな自然にできている」という監督の評価を聞いて、思い浮かべたのはやはり長友先輩でした。

 

前回も、

 

「チーム内のコミュニケーションを円滑にするために動いてくれるのが、やはり長友先輩」だと書きました。率先して行動するベテランは、我々ファンが外から見ている以上に大きい存在のだろうなあ・・・と感じます。

 

ちなみに、

ミーティングが長引いても誰も文句を言わない」のも、今の代表の特徴だそうです。

 

「ミーティングが長くなったとしても、不満や不安な点を解消できないまま試合に臨むことは避けたい」という考えの選手が多い、とも語っていました(余談ですが、眠くならないようにミーティングを招集するのは必ず「食事の前」とのこと・・・)。

 

裏を返せば、かつてはいたのでしょうね。

「ミーティング嫌い」な選手がたぶん。

 

スポーツの世界に限らず、どの世界でもどんな仕事にも共通する感覚でしょうけれども、無駄に長い打ち合わせや一方的に意見を聞かされる会議は私も嫌いです。

 

でも、建設的な議論は大歓迎。

 

森保監督が大切にしているのは「対話」、

つまり前向きな話し合いであり、

それがよくわかったのが歴史的な勝利を挙げた先月のブラジル戦です。

 

流れを変える起点となったハーフタイムについて、堂安選手は次のように振り返っています。

 

 

以下、引用。

「森保さんが外から見ている感覚に対して、みんなはどう感じているのか。そういった選手の意見も聞いて、それらを擦り合わせながら『これでいこう』という決断をチーム内で話し合えた。思ったことは言ったほうがいいので、ぼそぼそとそのへんで何か不満を漏らすよりもチーム内で意見し合おう、と」

 

 

ピッチ外のコミュニケーションは、ピッチで生かされる。結局ここにつながってくるんだよな・・・と深く納得したのでした。

 

ただ、現代表の中心となった選手たちが20歳前後から監督の求める「対話」ができていたかというと「決してそうではない」そう。

 

東京五輪の頃は、やや物足りなく感じていたようです。

 

「でも海外に行くと、みんな例外なく話せるようになって帰ってきますね。(板倉)滉も(田中)碧も。あ、(久保)建英だけは例外ですけど。彼はちょっと黙ってて!とこちらが思うぐらい、ずっとしゃべってますね笑」

 

 

つまり海外リーグでは、日本にいる時以上に意見を求められ、議論ができなければ活躍は難しい、ということとイコールなのかと。

 

日本には「空気を読む」「口に出さなくても伝わる」「無用な争いは避ける」的な感覚を美徳と捉える傾向が根強く残っていて、決してそれは悪ではないと思います。しかし海外ではおそらく、主張しない・反論しない=「議論のできない人」と見なされてしまうのでしょう。

 

断定はできませんが、

海外で活躍できずに戻ってきた選手はこの議論が苦手だったのかもしれませんし、代表に定着できなかった理由も発言力やコミュニケーション能力にあるのかもしれません。

 

そして少なくとも、

今の日本代表で「対話」ができない選手は必要とされないのだろうと感じます。

 

 

森保さんは観覧している小学生に、こう語りかけていました。

 

みんなの聞く姿勢はすばらしい。じっと目を見て聞いてくれるから、こちらもおっ!とうれしく思う。でも、話が聞けることを褒められるのは小学生まで。自分の意見をきちんと言える選手になってほしい。

 

試合に出られず、悩むこともこの先きっとあるし、今も悩んでいる人がいるかもしれない。そんな時は「チームのために何ができるのか」を自分なりに考えて、周囲を見渡してみよう。そこから見えてくるものが必ずあるはずだから。

 

 

小学3年の次男、頷きながら聞いていました。観覧していたサッカー少年少女たちの心にも、届いたかな。

 

口下手で、どちらかというと反論をのみ込んでしまうタイプの長男にも聞いてほしかった話でした。

 

「ぼそぼそとそのへんで何か不満を漏らすよりも、チーム内で意見し合おう」(by堂安律)

 

前回の「食堂の滞在時間」にも通じますが、今の日本代表の強さは「対話」の重要性がチーム内で徹底された結果なのだと感じました。

 

インタビューはこちらから視聴できます。