ジュニア最終学年の、公式リーグ開幕戦。

開始5分にして、長男の顔には困惑の色が浮かんでいました。

 

ポジションは2-4-1のボランチ。

この日は開始直後から、体格差のある相手のマークを受けていました。

 

息子、身長150センチ弱。

この時期の平均から見ても決して小さい方ではないのですが、相手はすでに160センチ超のがっしりした体格。肩や腕の使い方も上手く、まさに体格を生かしたプレーをする選手でした。

 

厳しいマークに苦労しながらも、中盤でボールを奪った息子がテンポ良く左右へパスをさばきます。でも、普段は攻撃の軸になっていた右へのパスが、なかなかつながりません。

 

右へ出しても、右SHが反応できていないか、走っても追いつけない。足元にパスを出したところで、相手に寄せられてすぐにボールを奪われてしまう・・・。守備でも、相手左ハーフのドリブル突破にこちらの右サイドが全くついていけません。

 

この日が公式戦初先発だった右SHくん。

 

身体能力が高いタイプではないですが、練習態度も熱心でよくベンチからも声を出すムードメーカー(息子談)です。

 

でもこの日、彼の声は全く聞こえず…

 

初先発の緊張もあったのでしょうが、

それ以上に経験不足から、公式戦という「勝負の場」のスピードと気迫に、完全に気圧されている感じがします。

 

まずいなー、

右サイドが穴になり始めていないか・・・

 

そう思い始めたころ、

まさに右でのボールロストから先制点を奪われる展開に。

 

失点を受けて、息子は、

次第に右寄りのプレーが増えていきました。

 

右SHは、昨年度までの公式戦では主に、1学年下のエースが務めていたポジションです。(「スタメン選び:上」参照

 

右サイドは5年エース君にある程度任せられる分、息子やもう1人のボランチが高い位置でボールを奪ってショートカウンターにつなげる・・・という攻撃が効力を発揮してきました。

 

先制されたのだから当然攻めていきたい。

 

しかし、息子が右のサポートに回る場面が増え、右寄りになる時間が増えれば増えるほど、中央のカバーのためにもう1人のボランチが下がり気味になります。

 

「下がりすぎるな!」

 

なかなか効果的な攻撃ができない状況に、コーチから声が飛びますが…

 

息子いわく、

「右からど抜かれしている状況でどうしろと??」と困惑してしまったとのこと。

 

2-4-1は当然、4人を置く中盤がストロングポイント。その体形がいったん崩れてしまうと、どこかにスペースが生じ、ある程度の力を持ったチームであれば当然、そのスペースを使ってきます。

 

中盤が混乱している一瞬の隙をつかれ・・・

 

前半10分で2失点。

ここでコーチは動き、右SHに1学年下のエースを投入しました。

 

「いつもの布陣」に戻ったチームは攻め続け、落ち着きを取り戻した、

 

ように、見えました。