源氏物語カクテルの一つです。

帝の高貴な血すじではあるけれど世間から忘れられ没落し、荒れるにまかせた屋敷にひっそりと暮らす姫君‘‘末摘花 すえつむはな’’。
勢いで契りを交わした光源氏も数年経つとその存在を忘れてしまいました。!

ある日屋敷の前を通り掛かり思い出すのです。
そこには蓬が生い茂り朽ちるに任せた屋敷がありました。そして光源氏を信じて四年間待ち続けた姫君がおりました。

誠実の人‘‘末摘花’’は以後、光源氏の庇護のもとで穏やかな暮らしに戻ることができたのでした。
ってお話です。

末摘花については彼女のイメージでこしらえた源氏物語カクテルがありますので詳しく触れませんが、こちらは‘‘蓬’’が繁茂する侘しき庭園のイメージで作製しました。

抹茶リキュールがベースとなりますが、それはほんの少しの蓬リキュールを支える役回り。
主張を控えながら、いい仕事をしています。

おそらく皆さんが体験したことの無いであろう味わいをどうぞご賞味くださいませ。


《レシピ》
・抹茶リキュール・・・・・・・30ml
・蓬リキュール・・・・・・・・10ml
・グレープフルーツジュース・・90ml
・レモンジュース・・・・・・・7mlくらい


●シェーク

カクテルのスタイルの一つ‘‘リッキー’’。
ベースになるお酒とライム、ソーダでまとめる、甘みを抑えたすっきりした仕上がり。

1880年頃アメリカにて、バーボンをベースにしたリッキースタイルのカクテルが知られるようになりました。広めたのはジョー・リッキー。
1890年くらいにジンをベースにしたジンリッキーが人気を博し、リッキースタイルが世界に広まりました。

リッキーはマドラーを添えて、飲み手がライムの風味苦味を調整するのがスタイルとされています。
しかし実際は、いたずらにガチャガチャ掻き回せざるを得ないので、ソーダのシュワシュワが抜けた残念な味わいを口にせねばならなくなるのです。
見ていてやきもきしてしまうくらいなら、という訳でオクターブではしっかりと味を仕上げて提供しております。
マドラーは添えませんのでご了承くださいね。

シャルトリューズはリキュールの女王。
130種の薬草・香草が織り成す複雑豊醇な逸品です。
1605年に何者かによってフランス王室に伝えられた謎めいたレシピなのです。
そのレシピは現在に至るまで公にされておりません。
ロマン溢れますね!

シャルトリューズをリッキーにすると、その複雑芳醇な味わいと爽やかスッキリ感が絶妙なバランスとなり、クセになりそな一杯に仕上がるのです。
どうぞご賞味くださいませ。


《レシピ》
・シャルトリューズ・ヴェール・・45ml
・ライム1/2~1/4カット
・ライムジュース(計20mlくらい)
・ソーダ・・・・・・・・・・・・・90ml


●ビルド

こちらも源氏物語カクテルシリーズであります。源氏物語 三十四帖から。

三十四帖は上下巻となってまして、最も長いお話となります。
朱雀院(退位した帝)から女三宮(娘。おんなさんのみや)を託された光源氏40歳。
これによりほぼほぼ正妻として光源氏に寄り添っていた‘‘紫の上’’の立場が揺らいできます。
紫の上は出家を考えるほど悩みます。
そして紫の上は逝去します。!
それは‘‘六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)’’の霊に取り憑かれたから。
悪霊を祓うことができ、紫の上は無事に息を吹き返したのですが、そんなこんなの波乱に満ちた巻なのです。

死んじゃうほどの体験をした紫の上をモチーフにし、その才色兼備な非の打ち所の無い女性をイメージして作製しました。

驚くほどのスムースな飲み口をご賞味くださいませ。


《レシピ》
・バイオレット(メラーナー)・・・ 30ml
・白ワイン・・・・・・・・・・・15ml
・グレープフルーツジュース・・・10ml
・レモンジュース・・・・・・・・5ml


●シェーク