筑豊風土記 | 筑豊風土坊のブログ

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筑豊風土記 の名称は明治前期の石炭採掘より 筑前の遠賀・鞍手・嘉麻・穂波の4郡と 豊前の田川郡の5郡の石炭組合の設立によって 筑前・豊前の頭字を取り 筑豊 の名称が使われました。 この 筑豊の歴史・生活を知って頂ければの 筑豊風土記 です。

 

                      古墳時代の 遠賀川  (4)


弥生時代の次の時代を、古墳時代 と呼んでいますが 鉄製品を使用する稲作農耕の時代 4から5世紀になると、それぞれの集団において 共同生活の中でも中心的な勢力 が成長しその人達の墳墓が 古墳 です。


装飾古墳 で有名な 王塚古墳 もそのひとつです。

王塚古墳は、嘉穂郡桂川町寿命(北緯33度35分19秒 東経130度39分48秒 標高30m) にあり 昭和9年(1934)9月30日に採土工事の際に発見され 前方後円墳(復元全長約86m)・埴輪・葺石・周豪が巡る大きな古墳で横穴式石室・後室に石棚・石屋形 を有しています。 6世紀の中頃に造られ 馬具・武器・装身具・鏡・須恵器・土師器等 図文の場所は 石室全面・彩色(赤・黄・白・緑・黒) 図文は、三角文・珠文・同心円文・双脚輪状文・靫・盾・太刀・弓・わらび手文・騎馬像等、 石屋形の履石・灯明台・石枕などには、阿蘇凝灰岩 を使用と興味深く造られています。 

特に下地に 赤を基調として、石室全体に描かれた多くの文様 は、装飾古墳では最多の5色で描かれ、また技巧を凝らした複雑な石室構造は貴重なもので日本を代表する装飾古墳として、昭和27年に装飾古墳では最初の特別史跡 に指定されています。


沖出古墳 は、(北緯33度34分48秒 東経130度43分17秒 標高40m)遠賀川に向かって延びる標高約40mの丘陵の突出を利用し、南側から高く見えるように造られています。 古墳の大きさは全長68m、後円部直径約40m、前方部幅約26mです。 墳丘は前方部2段、後方部3段で、斜面には石が葺かれ、壷形・円筒・朝顔形・家方の埴輪が建てられていました。 後円部には、竪穴式石室が築かれ、割竹形石棺が納められています。石室や盗掘工から管玉・ガラス玉・鉄製品(刀・剣・斧・鏃・刀子)に加え・九州の古墳で唯一、三種類の腕飾形石製品(鍬形石・車輪石・石釧)画セットで出土したということです。 平成9年(1997)7月25日に県史跡に指定 されています。


小正西古墳は、飯塚市小正(北緯33度37分21秒 東経130度39分24秒 標高36m) に平成8から9年に宅地造成に伴う発掘調査により発見されました。 古墳時代後期(6世紀前後)に造られたと考えられ石室の規模・構造・形象埴輪などから 当時の首長クラスの墓 であったと推定されています。

復元高5.5m・ 復元径約30m 地表から約2mの位置に平坦部を有する三段築成の円墳です。 小正西古墳の特徴は ①1墳丘に2基の石室 ②2基の石室の主軸が直交 ③2基の石室は同時に構成  ④石室規模に大きな差 ⑤良好な状態での形象埴輪の出土及び種類  ⑥豊富な副葬品 発掘調査により1墳墓に2基の横穴式石室を構築している等全国でも珍しく 平成11年(1999)に福岡県指定史跡 として認められています


川島古墳は、(北緯33度39分38秒 東経130度41分35秒 標高35m)にあり、昭和63年(1988)に道路改良工事中に発見され調査の結果、装飾古墳であることが明らかになり、考古学上その学術的価値がきわめて高いことが認められ平成4年(1992)に県指定史跡 になりました。 径15mの円墳で墳丘の東側に周溝があり、内部は 前室と玄室の2室を持つ全長7mの横穴式 があり、石材は花崗岩で玄室の奥壁には巨大な腰石 があり、その上に石棚があり構造に特色があります。 腰石は黒く見えますが緑あるいは青色で人物や円文など描き、そのほか赤色も認められます。 遠賀川上流域では、王塚古墳・ 竹原古墳(北緯33度44分00秒 東経130度36分37秒 標高59m) に次ぐ装飾古墳であり極めて重要ときされています。


どの古墳においても言えることは 遠賀川に近くいろいろの意味で遠賀川の恩恵を受けた事は大変重要だと思いますし  「筑豊の 母なる川 遠賀川」 を強く感じます。

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    遠賀川付近の古墳                          王塚古墳石室 
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                                          沖出古墳

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          沖出古墳公園遠景                     川島古墳

    
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