#0026 No.18 「すずめの学校」じゃないのに…。(2018.01.10) | コトバあれこれ

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子ども作文教室、子ども国語教育学会の関係者による
投稿記事ブログです。

 

             「むすんでひらいて」の歌詞なのに…

 

●コボちゃんは、幼稚園で、「すずめの学校」の歌を独唱

しました。自信満々で歌って、みんなから盛大な拍手を

もらいました。

 

        

         (自信満々の歌いっぷり!)

 

●オルガンで伴奏していた先生は、みんなの手前のせい

か、コボちゃんの歌を一応褒めます。しかし、その表情は

あまり冴えません。

 

●さあ、一体どうしたのでしょうか。この話は第83話に

ありますので、それを見てみましょう。

 

<第83話の内容>

   *コボちゃんは、先生の伴奏で「スズメの学校」 

       を、最後まで自信満々に歌いました。

 先生:はい たいへん よく うたえました

   *みんなは歌い終わったコボちゃんに盛大

         拍手を送りました。

 先生:「むすんで ひらいて」のばんそうな

       のに…」

     *先生うつむいて、冴えない顔をしていました。

 

●コボちゃんは、勘違いして伴奏とは別の「すずめの学校」

を歌っていましあた。しかし、そのあまりにも堂々とした間違え

ぶりに、先生は何も言えずに最後まで伴奏してしまいました。

 

       

         (ハイ、みな声をそろえて!)

 

●この内容は、コボちゃんが得意満面なのに対して、先生

の情けない表情が対照的で、その対比がとても面白い構成

になっています。

 

●ところで、現代っ子は「すずめの学校」を聞いたことはある

が、あまり知らないようなので、ここで、その歌詞を紹介して

おきます。

 

     チイチイパッパ チイパッパ
     雀の学校の先生は
     むちを振り振り チイパッパ
     生徒の雀は輪になって
     お口をそろえて チイパッパ
     まだまだいけない チイパッパ
     も一度一緒に チイパッパ

     チイチイパッパ チイパッパ

 

●ちなみに、童謡「すずめの学校」という歌は、清水かつら

(生没年:明治31年~昭和26年)が戦前に作詞した曲で、

当時の子どもは誰もがよく歌っていたそうです。


この歌を深読みすると、すずめの先生がムチを振って命令

し、生徒のすずめは一方的に自己思想を禁じられて、国策

に向かって突き進むことを歌っているといわれています。


また、すずめのたった1つの鳴き声である「チイパッパ」を

比喩的表現として、全ての日本国民が1つの言葉を胸に、

日本国を守ろうとすることも同時に歌っているようです。

 

M.K 記 (2018.01.10)         

 

次回に続きます。