「第七回 久留米市鳥類センター」 | エキセントリックギャラクシーハードボイルドロマンス         

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〜文学、お笑い、オートバイを愛する気高く孤独な三十路独身男の魂の軌跡〜 by久留米の爪切り

取り立てて、デートする相手なぞ、今の所皆無であるものの、ある日突然、能年玲奈のような透明感抜群の美女から「わたしとデートして下さい!」と頼まれることが無いとは言い切れぬ。もし、そうなったらどうしよう。能年ちゃんとデートする場所なんて、全く思いつかない。困惑の果てに、夜毎月に向かって咆哮しています、近隣から苦情が殺到しています、助けて下さい、と訴える迷える子羊(ストレイ・シープ)に捧げる。自称デート界の2000本安打久留米の爪切りが熱いデートをご提案させて頂く。ホットデート!







実は、久留米市は焼き鳥日本一を宣言している。人口一万人当たりの焼き鳥屋軒数が7.46軒で日本一であるらしい。焼き鳥を愛する街、其処に住む者、訪れた者は、実際の鳥、焼かれる前の鳥、生きている鳥を目の当たりにしたら、どうなることであろうか。ホットバード!そう、興奮するに決まっている。ということで、第七回は久留米市鳥類センターである。住所は久留米市東櫛原町中央公園内、である。入園料は大人250円とお安い。




まずは観覧車に乗るとよい。別途200円掛かるが能年ちゃんのためなら仕方なかろう。







ガタガタ揺れる狭い空間がゆっくり上昇していく。お互いの心拍数も上がり始める。彼女が言う。「なんだか、あたし、こわいわ」低い声で囁くのだ。「僕がいるから、大丈夫さ」恋の吊り橋理論を実践するのだ。







想像してほしい。能年ちゃんが前に座っていると。




景色抜群であるが、久留米の爪切りは少し酔ってしまった。乗り物に弱い者は注意が肝要である。







童心に帰って遊ぶのもいいだろう。





デートと言えば、メリーゴーランドは外せない。白馬に跨った王子様を演出すべし。




残念ながらトランポリンは年齢制限が設定されている。どうしてもプレイしたい場合は、ランドセルを背負い丸眼鏡をかけ、黄色いポロシャーツ、短パンにローファーというファッションに身を包み、のび太風小学生スタイルに仕上げてみれば如何だろうか。彼女もしずかちゃん気分で、「もう、のびさんったら。わたしがついてあげないと駄目ね」と優しく見守ってくれるかも知れない。まあ、責任は負わない。







遊び疲れたらキッチュでレトロな売店で軽食を摂り、一休みしよう。生憎、定休日であった。




ケープペンギンのワサビ、アイス夫妻である。手前がメスのアイスである。




ワサビ、アイス夫妻の長女、ジェラートである。なるべく番いのものを注視しよう。






二匹のマーラの姿を見て、劣情に駆られ、先走った実際的な行動に出ないよう注意すべし。










「クジャクって綺麗ね」「君の方が綺麗だよ」「羽広げるの雄じゃなかったっけ」「あっ、そうなの」




「おお、ペリカンでけー。猪木。ペリカンロード!」「…」













「しちめんちょう、とか、ほろほろちょう、って旨そうな響きじゃね」「…あーね」




最低限のインテリジェンスは備えて置いた方が無難だろう。




万が一、フンが直撃した時の為の、とびきりのジョークも考えていた方が良かろう。貴方のセンスが試される。因みに私なら…




お土産で「クジャクの羽根」を買おう。用途は不明だが、纏めて数十本買って紐で括り付ければ洒落た箒として生活に潤いをもたらすかも知れない。




健闘を祈る。