誰でも出せる低い音域で誰にもできない唯一無二の歌声を目指す | 音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

.ヘヴィメタルのハイトーンボイスに特化したボイストレーニングを受けてきた著者が高音域発声に特化したボイストレーニングをお教えします。

こんばんは‼︎

 

ヴォーカリスト兼ボイストレーナーのKです。

 

 

今回は声区融合のお話です。

 

声区融合と言われると一般的に

 

ミックスボイスのことかな?

こうお考えになる方が多いのでは??

 

確かにそうです。

 

フースラー先生のアンザッツをオーソドック

スに登り、下りをする事でいわゆる基本のミ

ックスボイスは実現可能。

 

つまり、ミックスボイスは地声の低音域から

中〜高音域の裏声発声へとスムーズに繋げる

ために使われるテクニックとついつい思いが

ち。

 

ですがこれはあくまで基本の発声テクニックで

す。

 

実は声区融合ってもっともっと奥が深い。

 

声区融合というのは高音域発声のためだけの技

術ではないんですよ。

 

この記事ではその辺りについて解説して行き

ます。

 

 

ご興味のある方はこの先もお読みください。

 

 

では早速本題です。

 

 

結論は実はタイトルに記載してますね(笑)

 

 

誰しもが発声可能な音域

であなただけの唯一無二

の歌声を作り上げること

‼︎

 

 

これです。

 

 

先述した通り、基本のミックスボイスは低音は

地声ですし高音域は裏声です。

 

そもそもこの基本のミックスボイスは聞いてい

てもなんの個性もなく退屈な声です。

 

基本ですからね、これはそれで良いのですが、

このミックスボイスができればなんでも歌える

というのは大きな間違い。

 

(厳密には間違いではないんですが、その先に

やるべきことが山のようにあるんです)

 

事実、この発声では説明の付かない歌手が世界

中には多く存在します。

 

皆様のお好きな歌手にしても似た系統の歌声の

人はいますでしょうが一人として全く同じ歌声

の歌手っていないと思うんですよ。

 

例えばエディット・ピアフ

 

フランス出身の世界的なシャンソン歌手である

ピアフの功績については今更僕があれこれ説明

する必要はないでしょう。

 

彼女の低音域は男性の地声音域で発声可能な音

も多く使っています。

 

ですが、その歌声はどうです?

 

明らかに男性が発声している地声とは異質の歌

声ですよね??

 

日本で言うのならば美空ひばりさんはピアフに

近いですね。

 

美空ひばりさんは和製ピアフと言われていたく

らいですから確かに声の系統は同じかなと。

 

で、その特徴は低音域でも非常に軽く鋭い母音

 

この音声は地声のみでは実現できません。

 

 

 

これはピアフの代表曲にもなってる

 

「愛の讃歌」

 

ですがその出だしはmid2B♭です。

 

Aメロはmid2B♭→mid2A♭→mid1Gへと下降し

て行きます。

 

 

これは一般男性であっても比較的、地声で楽に

歌える音域。

 

けどピアフの歌声は明らかに地声には聞こえま

せんでしょう?

 

ここに今回の記事の最重要項目が隠されてます。

 

 

サラッと答え言っちゃうと

 

低音域においても地声と裏声が融合された歌声

で歌っている。

 

ってことなんですけどね(笑)

 

洗練されたミックスボイスは何も中高音に限ら

ず全ての音域にまでその影響を及ぼします。

 

これがミックスボイスの究極の進化した姿とも

言えるでしょう。

 

どの音域でも地声と裏声が融合してるんです。

 

ピアフの歌声を聞いてみてください。

 

ほぼ、全ての音域で歌声の音質が変わっていま

せん。

 

歌声が「声」ってカテゴリに収まらず一つの楽

器として完全に調律されたような状態。

 

どの音域でも

 

裏声と言われれば裏声。

 

地声と言われれば地声。

 

こんなふうに聞こえませんか?

 

これこそが全ての音域で地声も裏声も作用して

いることの証明です。

 

どこをとっても地声と裏声の両方が入っている

んですよ。

 

ピアフは知名度もありますしわかりやすいので

ご紹介しましたがこれは彼女に限った話ではあ

りません。

 

ベルカント唱法の体現者としてあまりにも高名

なテノールのエンリコ・カルーソー。

 

そしてその後継者とも言われたベニアミーノ・

ジーリ。

 

歌の歴史から見ても非常に重要なお二人です。

 

 

 

聞いてもらうとわかると思いますが彼らの歌声

の中低音は明らかに地声ではありません。

 

やはり軽く鋭い音色を帯びた母音が聞いて取れ

ます。

 

 

この音声は地声のみでは実現不可能。

 

 

純粋な地声は力強く響かせられますがやはりど

うしても音抜けの悪さ、音質の重さが目立って

しまい彼らのような軽い母音の歌声は練り出せ

ません。

 

これは地声を軽く出そうと声量を抑えても解決

はしませんよ。

 

そんな簡単な話ではないんです。

 

地声の長所である力強さは残しつつも、裏声の

持つ軽やかさと音抜けの良さを両立させるよう

な歌声を目指したいですよね。

 

それには低音域でも地声と裏声の融合は不可欠

でしょう。

 

その鍵となるのは

 

アンザッツ「3b」とアンザッツ「1」です。

 

 

 

アンザッツ「3b」は地声であっても音質を軽

くすることができます。

 

そしてこれは低音部でも同様。

アンザッツ「2」が強調された純粋な地声では

この音声は実現できません。

 

アンザッツ「2」は低音域で補助的に鳴ってく

れる程度で十分。

 

で、鼻腔共鳴を用いているため同じく鼻腔共鳴

を使うアンザッツ「3a」を使う高音域までも難

なく移行していく事が可能。

 

地声の最高音に当たるmid2Fよりも上の音階へ

登ることも降ることも不自然なくスムーズにで

きます。

 

アンザッツ「3b」は中低音であれば地声でも裏

声でも似通った音声で発声できるのも特筆する

点ですね。

 

このような観点から「3b」はとても重要。

 

で、次。

 

アンザッツ「1」は本来ふわっとした音質の裏

声の母音に地声のような鋭さと硬さを与えます

 

これは低音から中高音に対しても同じです。

 

これはアンザッツ「1」特有の声帯閉鎖がもた

らす恩恵ですね。

 

ピアフのように低音域でも鋭く硬く響く母音の

秘密はこれ。

 

この音声にアンザッツ「3b」の軽さが加わるこ

とで地声とは全く違う低音域の発声が可能とな

ります。

 

これがないと中高音域での歌声は裏声の強音の

ような音声になっちゃいます。

 

声量を上げても鳴っている箇所はアンザッツ

「3a」「5」ですので上げても解決しません。

 

昨今流行してるベルティングボイスでもこのよ

うな鋭く固い母音の高音域発声はできません。

 

地声のような太さはあってももっと音抜けの悪

い感じの母音の声になります。

 

なので「1」を使った口腔共鳴が十分にできてい

ることが重要。

 

 

で、少し補足もして行きます。

 

この歌声を練習する前の大前提の基礎力として

ある程度裏声で低音域まで下っていける力は必

要です。

 

アンザッツ「2」の地声についても十分に限界ま

で育てておく必要があります。

 

ただ純粋な裏声の低音域での声は非常に弱々し

く音質も脆弱です。

 

これはメッツォ・ファルソやヴォーチェ・デ

ィ・フィンティでも同様。

 

多少、大きく増大はできますがそれは微々たる

ものでとても歌には使えません。

(終始、静かなバラードであればワンチャンい

けるかも)

 

なのでそこを支えてやるようにアンザッツ

「2」の地声が加わってくると良い感じに

融合しますね。

 

ですがこれは結果論であって狙ってこの音声は

作れません。

 

ご自身の頭でできることは発声時の歌声に気を

配ることだけ。

 

低音域でも裏声のような軽やかで芯のある鋭い

母音を実現させようとした結果、事象として低

音域でも地声と裏声が融合してこの声が発生す

るんです。

 

これを頭で考えて思考で働きかけて混ぜようと

すると大体失敗しますね。

 

我ながら耳の痛い話です(笑)

 

そもそもプロの歌い手が実際の歌唱時に地声と

裏声の融合をさせようとして歌っていると考え

た方が滑稽ではありませんか?

 

まずそんな歌手はいませんよねえ・・・

 

楽曲と歌詞の世界観とご自身の感情表現に手一

杯で発声については頭の片隅にちょっと入って

るくらいではないでしょうか。

 

それは歌声の音抜けの良さのみで判断している

んではないかなと。

 

良い時はどんどん楽曲の世界にのめり込んで乗

っていけるし悪い時は徐々に歌声を見失ってし

まう。

 

とはいえプロですからね、ご自身の調子の良し

悪しは別としてステージとしてまとめてオーデ

ィエンスを感動させる力は十分に持っているで

しょうが。

 

少し話がそれました・・・

 

声区融合の真骨頂は実は中低音の歌声の充実が

不可欠なんです。

 

誰でも発声できる音域で誰にもできない唯一無

二の歌声を実現する。

 

これこそが世界クラスのプロ歌手の真髄かなと。

 

 

では今回は以上です。

 

お読みいただきありがとうございました。