こんばんは‼︎
ヴォーカリスト兼ボイストレーナーのKです。
今回は高音域発声に関するお話しです。
皆様、ご興味おありでしょう？（笑）
昨今、キーの高い男性歌手が増えてきました。
なんなら、一般人の男性の方でも女性キーの
曲を原キーで歌い切って尚且つその音声も女
性のような方もいます。
これは何故なんでしょうかね？
先天的に優れた声帯を与えられたから？？
そもそもの地声が高いのいでは？？？
一般的にはこんな結論に至る方が多いかも。
この記事ではそんな空論を論破していきますよ
（笑）
この音声を実現するには年齢も生まれや育ちも
天性的な才能も不要です。
年齢や才能に関係なく習得可能なスキルである
と断言しましょう。
スキル（技術）であれば正しく、学べば誰しも
が再現可能な声なわけです。
それを実際に歌に使うかどうかは個人の趣味嗜
好の問題。
興味湧いてきましたか？
ではそろそろ本題に参りましょう。
結論はタイトルに書いた通りですね。
高音域発声はその原音を
辿れば必ず裏声に至る‼︎
これですね。
は？
裏声？？
裏声で地声のような力強く芯のある音声は無理
だよ。
こんな感想を持たれる方がほとんどではないで
しょうか。
確かに純粋な裏声であればこの感想は正しいの
です。
けど、裏声は声の当てどころ次第であらゆる方
向にも音質が変わるって事はご存知ですか？？
で、現代でもその使い方を正しく理解してる方
のみがまるで特殊な才能であるかのように自由
自在に高音域発声を我が物顔で世に発信してい
る。
こんな現実が真実です。
ここからはアンザッツを使って解説しましょう。
純粋な裏声とは？
上図のアンザッツ「5」「4」が共鳴させるの
が純粋な裏声です。
人体の共鳴腔の構造上、低音域では胸腔が響き
、そこから徐々に音階が上昇するにつれて頭頂
に移行していきます。
で、高音域発声では「4」「5」に移行するのが
自然です。
これは人体構造上、誰しもがこの道筋をたどり
ます。
この「4」「5」に共鳴を当てていると男性も女
性も共通でいわゆる「裏声」の音質になります。
オペラっぽく柔らかい音質の母音。
失礼を前提に解説しますがママさんコーラスと
か、年配女性はこんな歌い方する人多いかな。
全員ではないですよ、あくまで一例です。
男性でも無理に高音域に移行しようとすると、
やはり同じような声になります。
ただ、これではもちろんですが地声には聞こえ
ません。
ではどうするのか？
答えは単純。
アンザッツの正常なリフトアップ共鳴をぶっ壊
しちゃえばいいんです（笑）
・・・
オペラ歌手になりたい方はこのアンザッツに準
拠した発声を推奨します。
ここではあくまで、ロック歌手に限定して解説
しますね。
前回までの記事でも書いてまいりましたがロッ
クシンガーは高音域でもアンザッツは「3a」を
メインに使います。
本来なら頭頂の「4」に響かせていた裏声の共鳴
を「3a」まで下げてくるんです。
頭頂から眉間って言うと距離的に言えば個人差は
あれども10センチ程度の話。
この声を響かせに行く箇所を僅かに変えるだけで
実際に出てくる音声に大きな違いを持たらします
。
これができると音質は大きく前衛的になり母音に
鋭さが増します。
言い方はアレですが・・・
発情期の猫の鳴き声に近い感じ（笑）
耳障りでうるさく金属的な高音です。
これでかなり地声発声に近づきますね。
ただ、地声のように聞かせるにはこれだけでは
足りない。
上記の内容と合わせてアンザッツ「1」を駆使
して言葉を地声発声時と同じように発音する必
要があります。
子音と破裂音を日常会話時と同じにするってこ
と。
この二つが実現できれば高音域での裏声はほぼ
ほぼ地声と同じような音声を獲得します。
さらにこの声は非常にマイクの音乗りがよく、
とても燃費が良いのです。
高音域が連発するような楽曲を何時間歌おうが
、全く喉は疲れません。
歌っている当人は終始裏声で歌っているような
感覚ですからこれは当然そうでしょう。
さらに言えば、この発声方法が低音域まで浸透
してくると男性といえども低音域の母音の音質
が女性並みに軽くなってきます。
これが男性でも女性の楽曲をそれっぽく歌える
ことの理由。
スタジオレコーディングにおけるフレディ・マ
ーキュリーの歌声がこれに近いかな。
彼の声ってライブでは男性色が強いですがスタ
ジオ録音の音源はとても中性的。
これはQueen Ⅱのフレディの歌声。
低音から高音まで均整が取れていてとても美し
い。
商業的にはまだ不発の時代でしたがデビュー当
時こそがフレディの声が絶頂期であったことが
伺えます。
ファンに言わせればこのQueen Ⅱこそが彼らの
傑作だと言う声も多い。
僕も好きなんですよねえ（笑）
決して大衆受けを狙わず独自の美学を追求し続
けて尖りまくってった頃のQueenを聴くことが
できます。
このアルバムはぜひ聴いてほしい。
これ聴いたらQueenって本当はこんな音楽をし
たかったバンドなんだって理解できます。
そしてこのアルバムフレディの歌唱は裏声のな
せる技ですね。
地声色が強いとこの歌声は作れない。
支配的な音声・・・
あくまで主役は裏声で地声はその支えになって
いる程度。
最後はちょっとした余談でファンの戯言でした。
ではお読みいただきありがとうございました。