日本がワールドカップで優勝するための提言 | 高澤 一成 「真の哲学者とは」

高澤 一成 「真の哲学者とは」

■哲学・社会学・社会思想に基づく「社会衰退の克服論」
■成人道徳教育(啓蒙)の必要性と、道徳と自由の両立

 日本がワールドカップで優勝する方法


 かつて私は2010年にも、当時調子が悪くて批判されていた岡田ジャパンに対して、その時プレミアでスター選手が不在にも関わらず堅守で、好調だったバーミンガムの守備的な戦術をJFA宛てに投書したのだが、偶然にもそれ以降、批判を受けていた岡田監督が、ワールドカップ本番に向けて守備的な戦術に移行し、私の提言と近いシステムを採用して、ベスト16入りを果たした。
 当時のベスト16入りは、「守備的過ぎる」として、金子達仁氏や中田英寿氏に批判されたが、本田や遠藤のフリーキックが日本のサッカーファンの記憶にも鮮やかに残っているし、2014年のザック・ジャパンよりははるかに良かった。
 そこでこの度も、日韓戦1-4完敗など、マスコミも相当騒がしくなっており、欧州サッカーに精通する私が、日本がワールドカップで優勝するための提言を、突然だが、させて頂きたいと思う。
 

 日本のようなタレントのいるチームは、レバンドウスキハメス・ロドリゲスといった同組のスター選手(ともにバイエルン)を意識する必要はなく、たとえば、1998年のW杯でDFの秋田選手は、「クロアチア代表のスターFWであるボクシッチとの対戦が楽しみ」と言ったが、ボクシッチはケガで出場せず、それでもクロアチアはW杯3位に輝いたし、つまり、すったらことはどーでもよく(どの組にもすごい選手はいるんだから)、また、クラブワールドカップ決勝のグレミオみたいに、つまらなくて守備的なサッカーをせずとも、自分たちのサッカーをやるだけで十分優勝、悪くともベスト4が狙えると思っている

 

 サッカーとは、突き詰めれば監督同士の哲学と哲学のぶつかり合いであり、少しでも知の勝負に負けて、あるいは自分のサッカーに自信が持てなければ、たとえどんなに知名度のある監督でも、負けてしまう。

 それは2002年W杯決勝トーナメント1回戦のトルコ戦で、急にグループステージと違う選手を起用し、違うシステムを採って、CKで失点した後、何も手を打てずあっけなく敗退したトルシエもそうだし、2006年W杯オーストラリア戦で、早い時間帯に入った俊輔の事故のような、まぐれゴールの1点を守り切ろうとして、まさかの怪我のために1枚のカードを残して守備的となり、終盤であっという間に3点を取られて逆転されたジーコもそうだし、また、コロンビアになす術なく大敗を喫したザックも然りである―。

 現役時代、クレメンテ監督に「スペインに二人といない人物」(日本流に言うなら「国士無双」)と評されたグアルディオラのように、確固とした哲学を持つ監督こそが、世界の頂点に立てるのだと思うし、現に彼はバルセロナとバイエルン、マンチェスターシティーをそのようにしてきたのである。

 また彼以外にも、モウリーニョ(ポルトガル)、コンテ(イタリア)、クロップ(ドイツ)、ポチェッティーノ(アルゼンチン)、ヴェンゲル(フランス)といった世界中の名立たる監督がプレミアリーグに集結し、また、日本の吉田や岡崎はその世界最高峰のリーグの第一線で戦っている。私が言いたいのは、日本代表の監督を務めるような外国籍の人と、プレミアの世界最高峰で指揮を執っている彼らとでは、根源的に違うというか、到底埋められない差があるということである。

 



「日本がワールドカップで優勝するための提言」
 日本代表は日韓戦に完敗したが、E-1で優勝することがハリルジャパンの目標ではない。
 むしろこの段階での完敗は、現時点のハリルジャパンの問題点を明らかにするものだった。
 そして、「日本のフェルナンジーニョ」というべき井手口を見い出したハリルの功績は大きい。

 それ以外でも、「日本のジョルディ・アルバ」というべき長友を始め、日本には多くのタレントがおり、スペイン代表のようなチームを作ることも夢ではなく、ワールドカップ優勝も可能である。
 

 そして、今の日本代表にとって、「どのチームと戦うか」は全く重要ではない。
 

 相手を研究して守るだけのサッカーをやっても勝てないし、そういうタイプのチームではない。
 つまりクラブワールドカップで、アル・ジャジーラのテン・カーテが浦和に対してやったような奇策(ダイヤモンド型でセンターラインを強化)に100%対応できるわけではない。
 日韓戦でも周知のように、デュエルや守備が強くなく、むしろ創造性のある選手の多い日本は、マンCやバルサ、スペイン代表のような戦術を採るべきである。


■1 マンチェスターシティーの戦術



 井手口は、フェルナンジーニョの激しい守備と速いパスワークを備えている。
 日本では、カンテにも匹敵する人材とも言えるので、彼をアンカーに配して、マンCのような「パスワーク・サークル」を形成してボール支配率を高めて主導権を握り、疲れないサッカーをするのが、日本代表が目指すべき戦術である。
 またボール支配率を高めるためには、図のようにサイドバックが中に入って、中盤のパス回しに参画する必要がある。
 マンCのシステムには、サイドバックがオーバーラップするための、サイドの高いスペースはないので、オーバーラップは補完的なタスクであり、第一の役割は「守備的なサイドの中盤」である。

■「どのようにして得点するか。」
 マンC、バルサともに言えることだが、フリーの選手とのワンツーで、敵の守備ブロックを崩している(サウザンプトン戦 90+6分、ビジャレアル戦 72分のゴールを見て欲しい。)
 そのためには、前線(バイタル)では、ボールホルダーが複数の相手DFを引きつけてから、決定的なパスを出さないと意味がない。さもないとフリーな選手が生まれないのである。
 そのためには前線のどの選手ともワンツーでゴールを決める連携の訓練が必要である。
 また、サイドMFの選手は、サイドから中に入るときに、ダイアゴナルな動きをして、相手DFラインをかく乱することも必要である(これはサウザンプトンvs レスター戦 11分のマーレズの動きとゴールが一番参考になる)。
 また、プレミアで得点ランキング首位に立つリヴァプールのFWサラーのドリブルから、FWフィルミーノヘパスし、そしてサラーのダイアゴナルな中への斜めの動きを経て、フィルミーノからワンツーを受けての中央突破、ゴールは芸術的な得点であった(12/22 アーセナル戦、52分)。

 マーレズのように個のある選手のダイアゴナルな動きだけでもDFは守りにくいのに、その上ワンツーまでされたら、世界最高峰の守備ブロックを敷いているチームといえども、ホントにどうしようもないのである。

■2 バルセロナの戦術
 
 
 マンCの戦術は、第1のシステムであり、うまく機能しなかったり、守備的に行く場合は、第2のシステムとして、バルセロナの戦術を採る。
 バルセロナは、ネイマールがいなくなったことで、サイドバック、ジョルディ・アルバのためのスペースが出来上がり、事実アルバの攻撃参加が非常に多くなった。彼は昨季ベンチだった。
 中盤ではラキティッチとブスケツの「ダブル・ボランチ」を採用し、また、「コ」の字の形を形成して、MFだけで2ラインのブロックを形成している。

 

(「コ」の字) (スカパーより)

 その中で、攻撃的な中央の位置にパウリーニョを配置している。
 それによってバルサの守備は格段に強化された。
 山口蛍は守備が強く、フィジカルが強く、ミドルシュートもあり、ヘディングもあり、パウリーニョのポジションに打ってつけの人材である。 
 図のように守備的MFの山口蛍・長谷部・井手口を同時に配せば、バルベルデのシステムに近くなり、守りは最も堅固になる。
 

 

■「クラシコ」で完全に外れたハリルの読み

 

 世界中が注目したスペインリーグ伝統の一戦、12月23日のレアル・マドリード対バルセロナの「クラシコ」も大変参考になる試合だった。

 ジダン監督はクラシコだけ大幅に戦術を変え、レアルの攻撃の要(かなめ)だったイスコをあえて使わず、ディナモ・ザクレブでハリルの教え子だった控えのコヴァチッチを大抜擢(ばってき)して、メッシを中央のエリアでマンマークさせた。

 前半はメッシへのマンマークが効いて0-0で終了した。

 ハリルは前半終了後にレアルを大絶賛し、コヴァチッチのマンマークをほめ称え、「このままではバルサは負ける」と言ったが、皮肉にもこの戦術が、首位バルサに勝ち点差14をつけられて、レアルの優勝をはるかに遠ざける結果となった―。

 0-0の均衡状態が続くかに見えた後半9分。守備的な中盤だったバルサのラキティッチがドリブルで飛び出した。ゾーンであれば完全にコヴァチッチが見なければならないが、監督からメッシへのマンマークの指示を受けているため、マニュアル通リのプレーをして、ボールを持っている先輩ラキティッチには行かず、ボールを持っていないメッシにつられてサイドに流れてしまい、ラキティッチはそのまま中央をフリーで突破して、レアルの敵陣深くまで行ってしまい、右、左とパスを振られてあっけなく失点を喫してしまった。

 翌日のマルカ紙の紙面は「バルサの花道」だった。コヴァチッチが対応を誤って、バルサのボールホルダーの守備に行かず、失点につながる「花道」を許してしまったためである。

 そもそも、レアルがイスコを出して自分たちのサッカーをしていれば、もっと面白い試合になるはずだったし、0-3という屈辱的な惨敗もありえなかった。

 大事な試合でイスコを外してコヴァチッチなど、今までのレアルでは絶対にありえない選択である。

 無論、レアルの調子が良かった前半に、空振りをしたロナウドがきちんとチャンスを決めていれば、全く別の展開になっていたかもしれない。だが王者のサッカーをしていたレアルが弱いチームがやるような、慣れないことをすると、えてしてこういうものである。 

 試合後、ハリルは悔しがっていた。「レアルは良かった」を繰り返したが、結果はホームで0-3の完敗である。

 ハリルの短所とバルサの長所がもろに出た試合だった。

 そして相手の良さをつぶすサッカーのほころびから、ハリルが「自分の教え子」と誇っていた選手のマニュアルなプレーで、すべてが水泡に帰した絵は、まるで日韓戦1-4のそれを見ているようであった―。

 

 端的に言うなら、CL、CWC連覇の王者レアルに勝ち点差14をつける今季のバルセロナの快進撃を見てもわかるように、バルサは開幕当初は、ネイマールを失って「ネイマール・ショック」などと言われ、代役のデンベレもケガで長期離脱したが、「バルベルデ監督」という最高の補強をしたということである。

 

 「哲学のある指揮官」こそが、現代サッカーにおいては重要なのである。

 そして、指揮官の哲学が選手に行き渡って、選手が何の迷いもなくプレーできているかどうかが最低限の話である。  

 日本の補強は果たしてバルセロナと比べて少しでも適切かどうか?
 韓国の日本に対するライバル意識、モチベーションの高さだけに負けているじゃないか? と。
 だが、哲学(フィロソフィー)を持つチームには、相手はカンケーないのである。




■ジェイミー・ヴァーディー

(ジェイミー・ヴァーディー、Jスポーツ2より)

 日本の弱点であるメンタルとデュエルを強化したいなら、レスターのFWジェイミー・ヴァーディーを参考にしてほしい。
 12月23日の2位マンチェスターユナイテッドとの試合で、ヴァーディーは自陣から蒸気機関車のような勢いで一気に飛び出して、一直線で敵ペナルティエリアまで進入し、最後にマーレズからトスのような短いパスを受け、マンU相手に見事なゴールを決めた。
 そして得点した後も、絶叫して走り続けた。
 私の頭の中ではブルーハーツの「トレイン・トレイン」が流れていた。
 この試合はNHKのBS1でも放送されたので、日本でも多くのサッカーファンが見ていると思う。


 ジェイミー・ヴァーディー。私が最も注目するサッカー選手である。
 ヴァーディーは両親が離婚し、また16歳で「背が低い」として地元のシェフィールドWから放出され、サッカーの道も完全に閉ざされていて、工場で働きながら8部のアマチュアリーグでプレーしていた。
 そして不遇の少年時代を送ったヴァーディーは耳の不自由な友人を守るために犯した罪で暴行罪の判決を受け、その後サッカーをやめるため、イギリス陸軍に入ろうとしたが、その前科によって入れずサッカーをやめることさえできなかったのである。

 それでもヴァーディーはアマチュアのフリートウッド・タウンで得点を量産し続けて、レスターの名物スカウト、スティーブ・ウォルシュに見い出されて2部のレスターに移籍する。

 そして2015-16には名将ラニエリ監督と、FWで献身的な守備をする岡崎、当時無名だったマーレズやカンテなどの活躍もあり、「ビッグ6」以外はチャンピオンズリーグ(4位まで)に出ることすら難しいと言われた世界最高峰のプレミアリーグで奇跡の優勝を果たしたのである。
 ヴァーディー自身も、プレミア記録の「11試合連続ゴール」など、不動のエース、大黒柱として15-16シーズンのリーグ優勝に貢献した。
 まさに日本で言う、甲本ヒロトのようなキャラクターにスクールウォーズの話を合わせたようなドラマが現実に起きたのである。
  
 「トレイン・トレイン」のような、どこまでも走っていくヴァーディーのメンタル。

 純粋に「誰にも負けない」というヴァーディーのメンタルが、今の日本には決定的に足りないのである。
 日本は大変豊かな国だから、ハングリー精神に近いものかもしれない。

 そして「(いいやつばかりじゃないけど)悪いやつばかりでもない」相方の岡崎。
 今季の岡崎はヴァーディーに負けじとゴールを量産して、ヴァーディー、マーレズと共に、再び優勝したころの勢いを取り戻しつつある。
 無論、フランスリーグとCLで輝かしい実績のあるピュエル監督が、「献身的で精力的な岡崎を起用し続けることの正しさ」をよく知っているためでもある。
 事実、岡崎を意味なくすげ代えたりして、翌シーズンのラニエリやシェイクスピアは失速し、降格寸前の危機にまで直面した。
 そして今のレスターのピュエル監督と比べた場合、ハリルのリールでの2000-01の栄光は遠い遠い昔のように思え、まさにザックと同様「過去の人」であり、一方でハリルと同じくリールで結果を残して、主力を失ったリヨンをCLベスト4にまで導いた、「今の人」のピュエルとは歴然とした差があると思う。
 

 そして日本代表にも甲本ヒロトのようなメンタルの選手がいてくれたらと思う。
 岡崎も、ある意味ヴァーディーに負けないくらい献身的で精力的な存在であり、途中から出ても流れを変えることができ、ヴァーディーにとってもいい刺激になっているに違いない。

 誰にも絶対に負けないというメンタルと、純粋な爆発力が必要である。
 思うに日韓戦に惨敗した今の日本代表に対して口だけで「デュエルで強くなれ」と言っても、猫に「二足歩行で歩け」と言っているようなもの。
 口だけでデュエルと言って強くなれるなら誰も苦労はしないのである。





■最後に
 日本がワールドカップ・アジア地区最終予選の最終戦で、サウジアラビアに負けたことで、ハリルが下した決断は正しかったかもしれない。

 だが、本田、香川、岡崎はいずれも好調であり、この3人なくしては、デュエルや守備が磐石ではない日本が、世界の舞台で好成績を残すことは非常に難しい。
 

 もし今の体制のままで、ワールドカップで決勝トーナメントに進むような好成績を残したいなら、11月10日のブラジルとの親善試合で、せめて接戦になるようないい試合をしていなければならなかったが、力のある岡崎、香川、本田をいずれも外して、槙野がセットプレーで意地こそ見せたものの、PKを許すなどして、完全に一方的な試合になってしまった…。ベルギーは残念ながら遊びでやっていた。

 

 サウジ戦敗戦のお灸を据える意味で、一時的に一人を外すならわかるが、岡崎、香川、本田の3人とも構想から外して、貴重な強豪国との親善試合に臨(のぞ)めば、全く別のチームになってしまい、新戦力の井手口を呼ぶ意味もなくなる。私ならむしろ、ヘルタで試合に出れていない原口を一時的に外すくらいだろうか。

 今のハリルジャパンの低迷はアジア地区最終予選で点を取りまくって絶好調だった原口が今夏にプレミアに移籍できず、ヘルタでポジションを失ったことに端を発するような気がする。

 また、ハリルは、バカの一つ覚えみたいに、「大迫の一点張り」だが、この大迫のケルンも、昨季は好調でヨーロッパリーグにも出場したものの、今季は大迫がFWモデストの穴を全く埋めきれず、深刻な得点力不足に苦しみ、シーズン前半戦の17試合を終えて勝ち点わずか6で、最下位に沈んでおり、降格は間違いない。

 

 このまま大迫と原口にこだわるハリルジャパンで行けば、日本は3連敗か、良くても、勝ち抜けの決まった国とのドロー、1分けでロシアを後にするだろう。

 最初は韓国が「死の組」に入って「助かった」とも思ったが、最近のポーランドはEURO予選を見ても、ドイツよりも強いし、ましてやドイツにはいない不動のセンターFWレバンドウスキがいるし、コロンビアは当然メキシコよりも強いし、セネガルも、2002年に勝っているように、イブラのいないスウェーデンよりも強いと見るべきだろう。

 今のスウェーデンは明らかに得点力不足であり、日本を下した韓国なら十分引き分け以上が見込める。そもそもがスウェーデンがプレーオフで下した今のイタリアがあまりにも弱すぎたのである…。

 デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、ヴィエリ、ネスタ、マルディーニ、カンナヴァロに匹敵するタレントのいない谷間の時代である。かつ唯一のタレントのMFヴェッラッティが出場停止で、キレキレのFWインシーニェをあえて出さなかったんだから…。 

 

 少なくともポーランドやコロンビアにしてみれば、ポット4でセルビアやナイジェリアのような強豪が来てしまうよりは、与(くみ)しやすい日本が来てくれて「よっしゃあ!」、「ラッキー!」と思っているに違いない。

 またポーランドは、2002年に韓国に惨敗しており、韓国にはいいイメージを持っていない。

 そしてセネガルもまた強豪であり、驚異的なスピードを誇るマネがいて、名門リヴァプールの中心選手である。

 さらにはマネの身体能力や爆発力だけではなく、プレミア勢のDFクヤテ(ウエストハム)や、カンテとも並び称されるMFゲイェ(エヴァートン)など、アフリカ勢の中でも屈指の守備的なタレントを擁するのである。

 セネガルはポーランドやコロンビアからも十分勝ち点を奪えるだけのタレントを擁する。

 

 結論としては「この3カ国のうち日本から勝ち点を取りこぼした国が敗退する」という絵である。

 ハリルが率いる岡崎、香川、本田のいない、日韓戦で大敗した今の日本代表を見れば誰もがそう思うだろう。

 そして「井手口一人が良かった」、「ハリルの目に狂いはなかった」、「ハイ、終わり」と。

 また、すべての国が日本から勝ち点3を取ることが十分に考えられることから、レバンドウスキやファルコン、マネなどは「できるだけ多く日本から点を取ろう」と考え、それこそ大会得点王を狙って、ここぞとばかりにしゃかりきに来るだろう。

 日本は、当然その逆手を取って作戦を立てていかなければならないのだが…。

 そして一方的に主導権を握られて守勢に回った吉田が微妙なファウルでPKを取られて、ハリルも「コロンビアが日本より強いことは前からわかっていた。」と試合後のインタビューに答える…。

 そしてサポーターから「まるで他人事みたいだ」とネットで書かれる…。

 

 あと、2010年W杯デンマーク戦でも周知のように、セットプレーも日本の貴重な得点源なのだから、FKを蹴れる選手は一人でも入れておいた方がいい。貴重なブラジルとの親善試合では、センターバックの吉田がFKを蹴っていた…。本田はもちろん、復活した清武も考慮に入れておくべきかもしれない。

 

 

 少なくとも日韓戦惨敗を受けて、何も変わらず、ザックジャパンの二の舞となれば、日本サッカー協会の責任である…。

 

 私はそういう意味で、あえて僭越ながら、世界最高峰のサッカーと対峙する上で、日本のタレントを、宝の持ち腐れとしないような方向性を、日本の一サッカーファンとして日本サッカー協会に提言させていただいた。