北朝鮮の現有戦力と日本の現状について  | 高澤 一成 「真の哲学者とは」

高澤 一成 「真の哲学者とは」

■哲学・社会学・社会思想に基づく「社会衰退の克服論」
■成人道徳教育(啓蒙)の必要性と、道徳と自由の両立

北朝鮮の現有戦力と日本の現状について


■北朝鮮の脅威について

 近頃のアメリカに対する北朝鮮の挑発は国際社会を席巻しており、テロの猛威を奮ったあのイスラム国ですら、完全にかすんでしまうほどである。彼らは恐怖と暴力の王座に君臨していた自分たちが北朝鮮に完全に取って代わられたことで悔しいにちがいない。

 

 いや、化学兵器を使用してトランプのミサイルの標的となってしまった独裁者アサドも、その後ろ盾である大国ロシアさえも、今となっては中国さえも、北朝鮮一国の挑発に、それらの国のプレゼンスがかすんでしまっているほどである―。

 元米国務省日本部長ケヴィン・メア氏は、「北朝鮮は1年か1年半で核弾頭を小型化して、ミサイルに搭載できるようになるんじゃないですか? それは許せない状態になります。二発だけ、関東と関西に着弾したら、核兵器だったら大変でしょ? 日本の人口の半分以上がなくなるんだよ」と指摘した(5月8日 BS日テレ「深層NEWS」より)。

 私自身このような現状を踏まえて、このGWはどこにも行くところがなく、日本の安全保障を勝手に憂えて、ひたすら北朝鮮の軍事力について研究していたが、一番の脅威はひとえに「権力の集中」に尽きる。

 つまりキム・ジョンウンとは、日本の世襲政治家のような、家柄の良い、ただの一金持ちではなく、以下の軍事力、軍事施設、軍事兵器と、128万人の兵力とを実質ことごとくすべて一個人で所有してしまっているという恐ろしさに尽きる。

 豊渓里(プンゲリ)の地下核実験場と寧辺(ヨンビョン)の核施設は言うに及ばず、東倉里(トンチャンリ)舞水端里(ムスダンリ)、旗対嶺(キッテリョン)のミサイル基地。

 そして、北朝鮮が自在に戦闘機を出撃できる空軍基地一つ取っても、价川(ケチョン)第一空軍基地(MiG-19が配備)、徳山(トクサン)第二空軍基地(MiG-21)、黄州(ファンジュ)第三空軍基地(MiG-21)、漁郎(オラン)第八空軍基地(MiG-17)、三池淵(サムジヨン)空軍基地(MiG-15)、黄水院(ファンスウォン)空軍基地(MiG-21)、長津(チャンジヌプ) 空軍基地(Il-28)、爆撃機(Il-28)のある義州(ウイジュ)空軍基地、パンヒョン空軍基地(MiG-17)、ミサイル発射に失敗した北倉(プクチャン)空軍基地(MiG-23)、順川(スンチョン)空軍基地(MiG-29、Su-25)、元山(ウォンサン)空軍基地(MiG-21、MiG-17)、温泉(オンチョン)空軍基地(MiG-19)、自走砲を製造している谷山(コクサン)空軍基地(MiG-19)、プンチョン空軍基地(MiG-17)などがある。
 

Here’s the North Korean Air Force order of battle
https://theaviationist.com/2013/04/02/north-korea-map/ より

 そしてそれぞれの空港に配備されている戦闘機は、MiG-15 ファゴット、MiG-17 フレスコ、150機あるとされるMiG-19 ファーマー、180機あるとされるMiG-21 フィッシュベッド、46機あるとされるMiG-23MS フロッガー、 泰川(テチョン)で生産されているとされ、Su-27と並ぶロシアの現行主力戦闘機であるMiG-29が16~45機あるとされる。
 攻撃機はSu-7 フィッター、米空軍のA-10 と比較され、35機あるとされるSu-25 フロッグフット、中国製の強撃5型(シアンジー5)であるA-5が40機。

 爆撃機は、南部の苔灘(テタン)に配備されているとされるIl-28 ビーグルが79機あり、うち44機は中国製の派生型 B-5である。
 攻撃ヘリはMi-24 ハインドが50機、偵察ヘリが米ヒューズ社のMD 500が87機、兵員輸送ヘリがMi-4 ハウンド48機に、Mi-8  ヒップ27機、Mi-26ヘイロー4機。

 続いて海軍では、フリゲート艦は羅津(ナジン)が2隻、コルベット艦は沙里院(サリウォン)が3~4隻、掃海艇24隻、潜水艦はソ連製のウィスキー級が4隻に、ロメオ級が22隻。
 そしてつい先日、南浦(ナンポ)の海軍造船所に、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射台が確認され、もはやアメリカ本土に届くICBMと同等の脅威があると言ってよい。

 そして北朝鮮が自国で製造して最も力を入れている長距離砲、火力戦力も忘れてはならない。
 自走砲では、野砲D-30 122mm榴弾砲がM1977に装備され、D-20 152mm榴弾砲がM1974に装備され、M-46 130mmカノン砲がM1975に装備される。
 また、北朝鮮の谷山(コクサン)で生産されている「M1989 谷山(コクサン)」には170mm自走カノン砲が装備されている。
 さらに自走ロケット砲にはM1985(240mm/122mm自走ロケット砲)、BM-21グラート(= 「9K51グラート」)などがあり、ソウルにほど近い国境周辺に集中配備されている。韓国国防白書によるトータルの軍事力は以下の通り。

 

(2017年4月26日 朝日新聞より)

 自走砲などの野砲8600門は脅威に値する。無論、韓国の側にも、「K-9  155mm自走榴弾砲 雷鳴」や「M270A1 自走ロケット砲 黒龍」など、ピョンヤンを火の海にする長距離砲の備えがあることを忘れてはならないが。

 また、以下の都市もことごとくキム・ジョンウンの所有物である。
 中朝交通の要衝である新義州(シニジュ)、北方防衛の要衝で亜鉛、石炭などの鉱山があり、江界(カンゲ)トラクター総合工場のある江界(カンゲ)、勝利(スンリ)自動車工場のある徳川(トクチョン)、海軍造船所と、SLBM実験の南浦(ナムポ)、 平壌(ピョンヤン)と開城(ケソン)を結ぶ交通・産業の中心地である沙里院(サリウォン)、科学技術研究の中心である平城(ピョンソン)、水産資源、地下資源が豊富な海州(ヘジュ)、港湾都市で、化学工業地帯のある咸興(ハムフン)、重工業、製鉄業の中心地の金策(キムチェク)、南北共同の工業団地である開城(ケソン)、重要な港湾工業都市である清津(チョンジン)…。

 

(東京書籍「新高等地図」を元に編集)

 


■嘘をつく自民党系の政治家たち


 鈴木宗男氏はロシアを擁護する意図で、「万景峰(マンギョンボン)号では石油を輸入できない」と言っていたが、実際は北朝鮮のタンカーがすでにウラジオストクに寄港している。
 また、亀井静香氏は「北朝鮮の軍事力は大したことない」と言っていたが、それは全くの誤りである。

 無論、兵器そのものの型式が古く、かつソ連製兵器の老朽化が進んではいるものの、繰り返しになるが、核、SLBMを含むミサイル、自走砲の脅威に加えて、権力が完全に一点集中している点は脅威と言わざるをえない。

 また北朝鮮はどこの国よりも兵士の人権を無視して人員を惜しみなく戦争につぎ込めるので、人権意識が過剰になってしまった日本とはそもそも士気が違いすぎる。

 亀井氏が出演していた「TVタックル」では、北朝鮮情勢がテーマにも関わらず、ソウルが火の海になる危険については一切語られなかった。


 しかし、一度北朝鮮と戦争になれば、イラクやシリアのような砂漠地帯や、近代的ではないイスラム圏の村や集落ではなく、日本のような高層ビルの密集した都市部や市街地が戦場となるのである。
  鈴木・亀井氏はそれぞれ「ロシアと仲良く」、「北朝鮮と仲良く」と言って、多元的な平和外交を展開すべきと言っていたが、その結果としての今があることを忘れてはならないし、彼らはただ単に、独裁国家がさらに強大化して、暴発する危険のツケを未来に先送りしているだけである。
 

 日本もフランスのように若い政治家が出てきて、国家が抱える問題点を一気に解決できるような、私の理想としては三橋貴明が総理となれるような政治のありかたが望ましいが、世襲や自民党の旧派閥の化石のような政治家がゴロゴロいて、周知の通り不倫にしか関心がないような一年生議員、二年生議員はお話にもならないバカばかりと来ているのだからたまったものではない。
 そのうえ、鈴木・亀井氏ですら、現実を全く直視せず、敵対国の独裁者に屈して、国内では自らの権勢を示し、恫喝するような態度でいるのだからたまったものではない。
 北朝鮮やロシアとは「和を以て貴しと為す」が通用する相手ではそもそもないのである。


■北朝鮮に対する解決策は日本国民が決めなければならない。

 日本は拉致問題を一旦棚上げして、西村博之氏の言うように、日本の国家予算からしてみれば実に微々たるお金を北朝鮮に援助して、国交を回復していくか、あるいは拉致問題にこだわって、日進月歩で進歩しつつある北朝鮮の核とミサイルの脅威に耐え忍ぶかである。
 

 しかし、アメリカの言うレッドラインとは、実はアメリカにとってのレッドラインではなく、ケヴィン・メア氏が言うように、たった2発で日本を滅亡させることができるというように、おおよそ日本にとってレッドラインどころかレッドゾーンである
 

 しかも、ソン・イルホは「戦争になれば、日本に一番被害が及ぶ」と明言しているし、どうもそれは、ただの脅しとは言えないようである。
 私が考えを改めたのは、北朝鮮の戦力を研究していろいろわかったのと、広い範囲にまで潜水艦からミサイルを発射できるSLBMの発射実験まで判明して、かつ大国中国までもが北朝鮮と一気に距離を置き始め、ビビり出したからである。

 

 そして中国はいよいよ本気になって石油供給の大幅制限を警告して、北朝鮮のガソリンの価格が高騰し(つまり今まで中国は本気で経済制裁をしていなかったという証拠であり、私も北朝鮮と中国は裏で密接につながっていると思っていた)、逆に北朝鮮からの石炭の輸入も完全に止めるに至って、北朝鮮が中国を名指しで激しく批判するに至り、今までにないパニック状態になりつつある
 
 このままでは、過酷な経済制裁に追い込まれて窮鼠と化した北朝鮮が中国に向けてミサイルを発射しかねないと考えるのは早計だろうか? そして中国が北朝鮮に逆恨みされたくないために、本当は経済制裁なんてやりたくないという事情もなんとなくわかった。


 無論、北朝鮮が暴走しても、最近のミサイル発射が失敗を続けているように、すでにアメリカのサイバー攻撃が行き渡っているかもしれない。
 だが、いずれにせよ、それはアメリカがやっていることであって、日本の力で北朝鮮はどうすることもできないし、むしろ日本は未だに憲法の神学論争を続けている有様であり、これに対してケヴィン・メア氏は「早く敵基地攻撃能力、反撃能力を導入すべきだ。長く検討する余地がないんです。早く決めて導入しないと。」と述べ、「早くしないと間に合わないだろ?」というニュアンスだった。

 

 日本国憲法を作った国にこんなこと言われて、民進党や朝日新聞はバカじゃないのか?と。

 でもそんな平和ボケした人たちが日本には五万といるんだ。

 

 自分の兄も、叔父も、軍No.2の人民武力相も、容赦なくバシバシ暗殺、処刑するキム・ジョンウンが、「反日・抗日」だけが唯一の国是のような、北朝鮮のトップとして、なにゆえ日本人だけの命を、わざわざ特別扱いしてくれるんだ?

 日本のメディアや共産党とは、どういう思考回路になっているのか? 頭の中をのぞいて見てみたいものだ。無論、上念司氏の言うように、ただ単に「中国のスパイ」なのだろうが。
 

 
■道徳を否定する無思想な戦後メディアとエセ評論家たち

 核を持っているインドであれ、パキスタンであれ、キム・ジョンウンではなく、宗教道徳のある指導者であれば、このような事態には全く立ち至らない。
 繰り返しになるが、「政治家に道徳は必要ない」とする橋下徹氏には、何も見えていないのである。小林よしのり氏も含めて、最近彼らには最悪の非道徳である「自己正当化」と驕りが見え始めた。
 単純に人として悔い改めて、つまり謙虚にならなければならない。
 私から見れば、彼らは表面的な知識だけで固めて本を出しているだけで、完全に哲学も思想も道徳もない。
 ただでさえ日本には化石のような70代、80代の自民党系の「老害政治家」が多いのに、小林よしのり氏や東国原氏の世代から、私より少し上の橋下氏まで、こんな非道徳的な人たちが跋扈(ばっこ)しているのだから、ホントに「しょうもない」。
 橋下徹氏や東国原英夫氏は若いみそらで政治家を辞めて一体何様になろうとしているのだろう? 
 私が言いたいのは、私がもし彼らのような恵まれた立場なら、絶対に政治家を続けて、今日の問題山積の日本のために馬車馬のように動き続けている
 だが彼らの今の立ち位置は一体何なんだ? 

 地デジのテレビに出て、今日本に必要な道徳を否定して、アホかと。
 

 私は彼らが有能であると思うがゆえに、彼らの中に謙虚さや道徳のカケラもないことに腹が立ってしょうがないのだ。
 オバマは広島に訪問して、「政治家の道徳の重要性」を強調し、私も自著で触れさせて頂いたが、哲学者カントやオバマが言うように、政治家が道徳的でなければ世界が終わってしまうのである。
 

 原子力潜水艦を舞台にした映画「クリムゾン・タイド」が昨日(5/8)テレビで放送されていたが、慎重で用心深いデンゼル・ワシントンはオバマに近いと思った。
 橋下徹氏や東国原英夫氏はオバマをバカにしていたが、トランプのように娘のイヴァンカを大統領補佐官にして、娘の反応を見てミサイルを打つような無分別な(imprudent)リーダーはどう考えても危険だろう。
 
 それでも道徳全否定の朝日新聞を始めとするメディアとエセ評論家たちは、道徳に否定的な日本哲学会も含めて、マルクス主義のイデオロギーの徒が、道徳を全否定したいばかりに「道徳を肯定するくらいなら、道徳のないキム・ジョンウンでもいい」と、こう言うのである―。
 

 日本のテレビでは、未だに道徳の必要性が肯定されたことがないという、いじめ自殺や激増する児童虐待、千葉の少女殺害を経ても尚、恐ろしいほどバカなメディアばかりであり、それによって我が国は未曾有の社会衰退に瀕しているのだが、日本のメディアは本当に嫌いな道徳を肯定するくらいなら、何の罪もないアメリカの民間人を次々と拘束する、「道徳のない」キム・ジョンウンの側につくだろう。

 まさに公然とした、国際的な拉致。しかもアメリカ人。

 「ロシアや中国ですらそんなことしねえぞ」と。

 哲学も道徳も全く何も知らない、そんな無思想では日本は守れないだろうと。
 

 覇権国アメリカの民間人ですら人質に取るようなアブナイ国の人質に、日本はなってしまっているのである。 

 それでも「政治家には道徳はいらない」と、橋下徹は朝日新聞系列のテレビ朝日で言う。

 「今の国際社会のいったい何を見ているんだ? アホかオマエは?」と。
 ロシアとの折衝(せっしょう)役だった北朝鮮のヒョン・ヨンチョル人民武力相は、モスクワ国際安全保障会議に出席した2週間後に処刑されており、もはや誰もキム・ジョンウンを止められない

 日本はこんなトンデモナイ人に命運を握られているのである。

 

 それでも呆(ほう)けたテレビ民放ではそんなことには目もくれず、一日中見た目ばかりのアイドルとバカ芸人ばかりのバカ番組ばかり。
 完全な平和ボケと快楽主義(センセーショナリズム)と道徳を切り崩しただけの無知な娯楽と不快極まりない無関心(Indifference)に酔い痴れている。
「あまりの陽気さをたたえた精神は(これはこれで病的であり)…、もっぱら衰微をたどる民族にふさわしい。」(社会学者デュルケイム)
 そんな中で日本では山などの火災と、ボートの転落事故と、高齢者による自動車の人身事故が相次いでいる。
 


■韓国大統領選でムン・ジェイン氏が勝利

 ムン・ジェイン氏は周知の通り、北との対話を優先し、かつ今まで以上に反日である。
 そしてキム・ジョンウンは久方ぶりの融和的なムン政権を歓迎するだろう。
 だが北朝鮮との対話は全く意味がない。 
 日本は先年の拉致被害者の再調査が北朝鮮によって完全に反故(ほご)にされた。
 無論、ノルウェーで米朝が協議して、いくら核実験やミサイル開発が凍結されても、時間の経過を見計らって、いくらでもいいように反故にしてくるだろう。
 ムン氏は思った以上に反日ではなく、バランスのいい人のようだが、日本は北に対して拉致問題で関係が冷え込んでいるし、韓国とは慰安婦像の問題もある。ムン氏が当選後、日韓合意についてトーンダウンしたとは言え、慰安婦像が撤去されなければ、日本は駐韓大使を召還して韓国と断交せざるを得ず、双方にとって全く予断を許さない。
    
 また、ビートたけし氏は「北朝鮮が米・中・ロの草刈場になる」と言っていたが、私はそうは思わない。
 なぜならそうなっている時点で北が発射するミサイルは一発や二発ではないし、無論、その一つが日本に来ている可能性も少なくないし、そんなことになりそうな時点でソウルは北の野砲、ロケット砲で火の海になっている可能性が高いからである。

 覚悟を決めた北朝鮮は、もはや他国の草刈場になるような、そんな生っちょろい国ではないらしい。
 むしろ、日本こそが年金や郵政や農協がグローバル企業や外国人投資家たちの草刈場になっているし、領土問題でも(日本の側には領土問題のない)尖閣がそうなりつつあるし、北方領土に至ってはミサイルまで配備されてロシア法の経済活動と、草刈場以前の問題である。


 日韓関係、日朝関係の修復、妥協は難しく、日本は依然北朝鮮の核と福島原発という二重の脅威にさらされている。

 愛娘のイヴァンカを大統領補佐官に据えて、司法の独立を無視して、ウォーターゲート事件のごとくFBI長官を更迭したツイッター男のトランプに頼るしかない。

 そして哲学者バタイユの言う「余剰エネルギー」はいつか必ずどこかで蕩尽(とうじん)される。

 
 だがムン・ジェイン氏に投票した韓国の人は、亀井静香氏と同じ楽観主義者であり、北と対話したところで核とICBMを持つ方向性に変わりなく、開城(ケソン)工業地区を操業すれば、北に入る634億円のことごとくが核・ICBM開発に使われるし、日本の戦略なき外交、道徳なきメディアこそが、北の脅威に見合ってしまう日本の恥ずべき汚点であると私は考える。

 そういうわけで日本の命運はついえているし、事実、無分別なトランプの思いつき次第であり、その後は北朝鮮のキム・ジョンウンの手の中にある。

 三島由紀夫の憂いは120%的中した。私は今の日本では唯一彼だけに会いたい。

 だが道徳を否定する団塊世代の学生たちと呑気に談笑していた彼にも責任があったのだ。
 私もどちらかと言えば、言っていることは、彼が死ぬ間際に影響された皇道派に近いが、私は私であり、道徳がすべてである

 日本は西部邁氏の言うがごとく、人権主義に過大に猛進して、無思想なジャーナリストや漫画家が「自由や立憲主義が絶対である」とロベスピエールのように盲信してアジテートし、その上位にある道徳や社会情勢を無視し続けた結果、道徳や社会秩序自体が崩壊して、デュルケムの言うアノミー(混沌状態)となり、また、野党やメディアは道徳に加えて国際情勢も一切顧みず、憲法の神学論争に終始する始末であり、一方で全く逆の道を辿った北朝鮮は、一切の権力の一極集中を図って、かつ国際社会の駆け引きに必要な最低限の大量破壊兵器だけを集めて、イスラム国以上に激しくてかつ物理的なやり方で国際社会に挑戦しようとしている―(いずれにせよ道徳がないから私には関係ないが…)。

 

 

 

 今回は全く道徳や哲学の話ができなかった。ごめんなさい。
 

 


5月11日  追記

私が伝えたい、書き忘れたことは、日本のスタンスのあいまいさである。

①拉致被害者を是が非でも取り戻すため、アメリカのような軍事力を持つのか?
それとも、
②拉致問題はある程度は「過去のこと」として、北朝鮮に人道的な経済支援をして、平和的に交渉していくのか?

 「ハッキリしろ」と言いたいのだ。

(たとえば日本人が世界史上類を見ない形で残虐に惨殺された通州事件については、慰霊さえ中国は認めてくれないが、事実上棚上げにされてしまっている。私は拉致問題の解決と同じくらい通州事件の慰霊をしたいのだ。) 

 それを「拉致問題にこだわって北朝鮮を敵視しつつ、平和憲法にこだわって軍事力は持たない、敵基地攻撃能力は持たない」とメディアがおかしな論戦を張るから、「日本は大変危険だー!」と、少なくともケヴィン・メア氏のようなアメリカの人は言われるのである。

 国際情勢や社会情勢を無視して、朝日新聞や小林よしのりみたいにきれいごとばっかり言っていても日本が滅亡するだけの話である

 そういう意味で改憲を進めようとする今回の安倍首相は正しい。
 …というか、自衛隊を軍隊と認めるしかない。
 これは北朝鮮からは遠いアメリカの戦争というよりも、どう考えても日本の戦争であるし、キム・ジョンウンの意向しか伝えることのできないソン・イルホが、「日本に一番被害が及ぶ」と明言しているのに、一体日本のメディアは何を考えているんだと(三島由紀夫にはもっと生きて団塊世代を駆逐して欲しかった…)。

 私が北朝鮮なら100パーセント日本にミサイルを打つ。

 

 なぜならイスラム国と同様、ソフトターゲットを狙うのが彼らの基本戦術であるし、THAADが配備されていないし、韓国軍みたいに近くにいないし、日本なんてどうせ何もしてこないし、憲法の縛りで法的に何もできないから。現に今まで日本に向けて打ってきたんだし、最近、相次いでミサイル発射に失敗しているように、過去に失敗して日本の領土に落ちていてもおかしくなかった。

 いいがかりは安部首相の核弾頭の小型化に対する言及など、いくらでもつけることができるし、どうせロシアも味方するんだろうから。PAC3やSM3でどこまで迎撃できるか疑問だし、練習を一切やらずにいきなり本番なんて本当に危険すぎる。

 また、今日報道されたことだが、北朝鮮はサイバー攻撃で、なんとバングラディシュなど世界30カ国以上の銀行から大金を盗んでいるという。そしてミサイルを始めとする武器を売っているわけだから、完全な暴力団である。
 こんな国と、「手ぶら」かつ「性善説」で交渉しようというのだから、これまでの自民党の政治家や外務省、在京メディアは完全に○違いとしか言いようがない。

 しかも戦後70年、「道徳全否定」。

 

 無思想の極致。アホの極致だ。
 

 韓国の期待の星であるムン・インジェ大統領だってケソン工業団地を操業してお金をだまし取られる。

 金帝国が存在する限り、極東に安全なんてないという現実を理解しなければならない。
  
 そしてホント日本のメディアにはバカ過ぎてバカ過ぎてバカしかいない。  
 (こういうことばかり書くと読者が引いてしまわれるだろうが、事実であるから)
 無論、私も大したものではないかもしれないが、こういう無思想な人たちから全く理解されないために私がずっと無名というなら、逆に私は正しいということでもあるし、仕方ないというのもある。
 むしろ、磔にされて250年間迫害されるくらい、人から嫌われないと真の道徳家とは言えないのだろうから。


5/14  追記  北朝鮮がミサイル発射に成功

 今朝5時28分ごろ、北朝鮮の西岸から高度2000キロのロフテッド軌道で、ムスダンの改良型と思われる新型の可能性が高い弾道ミサイルを発射した。
 

 残念ながら、北朝鮮と対話せず、圧力をかけるには軍事力の保持が必要である。

 つまりは2000から5,000箇所とも言われる攻撃目標を、米韓とともに攻撃しなければならず、否、その作戦に北朝鮮の最たる標的である日本が、主体的に関わらなければならない。
 …がそれは現実問題、憲法の存在で絶対に不可能である。

 平和憲法とは、国際社会ではなく、日本だけが平和を宣言するという一方方向的なものであり、いわば、「私は犯罪を起こしません」と自分の日記に書けば、「他の人も私に対して絶対に犯罪を起こしません」と勝手に妄想するようなものであり、国際情勢、外交もこれと同じく「相手があること」なのである。

 このクソ憲法は、ただ単に中・朝・ロを利するだけであって、私は現実的に生きる日本人を、この、ヘーゲル哲学的に言えば「死んだ文章」でしかない、アメリカの作った「クソ憲法」と心中させようとする朝日新聞を始めとするメディアや共産党、エセ知識人たちを絶対に認めることはできない

 上念司氏は、津田大介氏始め、こういった人たちを「中国のスパイだ」と断罪するが、地デジや朝日新聞がメディアを支配して、日本国民を非道徳、反日と完全に誤った方向へと洗脳しているのである。

 憲法改正の必要性については、小野寺五典氏も次のように言っている。
「よく言われるのが『憲法を一言一句変えちゃいけない』と。『これは守んなきゃいけない。だから日本は平和なんだ。』

 私はそういう方にこう言うんです。じゃあ、憲法の9条の第4項に、新たにこう書き加えてですね、『尖閣は日本の領土であり、これを侵してはいけない。』あるいは『北朝鮮はこれ以上核開発をしてはいけない。』と書いたら、北も尖閣もその緊張感が収まるかと言ったらそんなことはないわけじゃないですか。
憲法があるからこの国が守られているのではなくて、日米同盟や自衛隊の活躍、そして外交努力があるから守られている。」(小野寺五典 BSフジ「プライムニュース」2017年5月11日 )


 日本を標的とし、かつ大量破壊兵器を所持して日本をミサイル攻撃する能力があるテロ国家に限っては交戦権を認める以外、日本国が存立する術はない可能性が出てきている。
 無論、そんな可能性が完全にゼロパーセントであることを北朝鮮は見越している。
 無論、北朝鮮がそれを見越した上でミサイル実験を繰り返している可能性が高い。

 私は憲法で自衛隊を認めるだけではなく、専守防衛目的の、限定的な交戦権も認めるべきであると主張する。無論、それは領空・領海侵犯を激増させているロシアや中国に対する抑止にもつながる。
 

 そしてアメリカは敵基地攻撃をしてくれるわけでは全くない。
 つまりミサイル防衛に関しては、2015年に改定された日米ガイドラインには「打撃力」という言葉が消えてしまい、「アメリカは日本の作戦を支援し、補完するための作戦」とするに留まっている。

 まぁ、97年のガイドラインから比べれば、「打撃力」という言葉が消えて、「情報提供」でもなく、「情報交換」して、「補助的に支援くらいはするよ」くらいのトーンに弱まったものである。
 つまりはアメリカもイラク戦争で懲(こ)りて完全に「反戦ムード」であり、かつての「矛と楯」はもうなく、織田(おりた)邦男元空将いわく、「アメリカがやってくれると思ったら大間違い」なのである。

 

 

 

 

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