さてさて、重た目の記事の連投です。
溜まってたんですよ(笑)
 
興味のある方はじっくり読んでやってください。
 
 先日来弄ってる、惣衛さんのハブ。
 

 
 
ベアリングとグリースの選定で少し立ち止まってました。
 
 
今回はその続きです。
 
ふとこんなにたくさんグリースのストックがあることに気づいてしまいました。
今までグリースを使うといっても、リアブレーキピボットやあちこちの錆止め、モンキー純正フロントフォークの組付け程度。
シャシーグリースとリチウムグリースがあれば事足りていましたが、せっかくこれだけあるのだから用途を仕分けてみたいなと思いました。
 
 
 
 
さて、今回はハブベアリングということでここに着目します。
 
ハブベアリングに使うグリースですが、ネットで調べるとちょう度1から2程度、リチウムグリース(汎用グリース)で良いとのこと。
 
ただ、色々ある中でなぜそこ?と疑問が湧きました。
 
で、見てみたのはサービスマニュアル。
 
 
モトラのヤツ。
 
な~んも指定はありません。
早矢仕なら一番高いやつを!とか書いてありそうなものですが(笑)
 
 
CB750F…にも何も書いてありません。
 
 
知っていて当然ってことかなぁ…
 
でも気になるなぁ…
 
 
ネットには大体こんなことが書いてあります。
こんな情報を元にリチウムグリースを使ったのです。
(リチウムグリースとは、リチウム石鹸基で増ちょうしたグリースのことらしい。)
 
 
他にもこんなことが書いてあります。
そいや在庫のグリースの中にシェルのアルバニアグリースもあったしウレアグリースもありました。
リチウムグリースでモンド無いのは良いですが、どっちが(どれが)良いんでしょうね。
 
 
 
餅は餅屋だ!
ということで、元ワ◯ーズ営業社員の弟に聞いてみました。
 
するとオススメはやっぱこれ(笑)
赤いのと青いのがあるみたいですが…
でも今は在庫が無いらしいし、私の手持ちのヤツらをどうするかの解決にはなりませんでした。
 
 
 
世の中にはこんなのもあるみたい。
 
 
 
はたまたこんなのも…
弟は「やっぱベースオイルが一番大事で、添加剤の効きも変わるからな!」って言ってましたね。
 
 
 
 
 
いやいや、それはともかく。
何がどうなっているのか分からないと今の私の問題は解決しませんので、調べるしかありません。
 
 
【基礎調査】
ハブベアリング用で良く見るのはちょう度1や2のグリースです。
その理由がこちらに記載されていました。
 
 
 
 
 
 
 
ストライベック曲線とは?
と調べてみました。
 
 
 
 
 
 
なるほど〜
 
流体潤滑で最低限の油膜、が抵抗も考えるとベスト条件。
それを満たすにはハブベアリングの場合はちょう度1〜2ってことなんですね。
グリースを付け過ぎると摩擦で発熱が生じ、寿命が縮まることもあるらしい。
 
少し話は逸れますが、横型エンジンのカムシャフトの軸受けも1964年から1981年までは純粋な流体潤滑でしたが、1982年からはベアリングカムになってます。
高回転での摩擦係対策(と恐らくオイル管理不足による損傷防止)を図っているらしいのですが、これが関係しているのですね。
先の記事で、シリンダーヘッドのカム周りの損傷例を挙げましたが、ここにも直結していると思います。
 
 
 
 
次いでいろんなグリースの特徴を調査。
得意の手書きメモ作成(笑)
 
 
 
 
 
シャシーグリースはカルシウム石鹸基で増ちょうしたグリースで、耐熱温度範囲が-5〜70℃程度です。
また、極圧がかかるところには向かないようです。
 
リチウムグリースは各種ありますが下は-20℃から、上は120〜130まで使えると言うことで、広い温度範囲で安定しているようです。
手持ちのアルバニアグリースS2はリチウムグリースのようです。
 
モリブリングリースはリチウムグリースをベースに有機モリブリンを添加し高荷重、耐衝撃性を備えたもの。
ベースがリチウムグリースなので基本特性もリチウムグリースに近いもののようです。
 
ウレアグリースはウレア基(-NH-CO-NH-)を2個以上有する有機化合物を増ちょう剤として使用し、耐熱性と耐水性に優れ、リチウムグリース以上に安定しているとのこと。
温度範囲も-20〜200℃など、広範囲で使えるようです。
 
 
 
ま、そんなお勉強をしたところで、手持ちのグリース調査です。
 
 いっぱいありますね〜
 
 
 
まずは外観から。
 

 
シャシーグリース。
 
 
ブランドや品種不明。
 
 
リチウムグリース。
 
 
シェル アルバニアグリース。
リチウムグリースの一種。
 
 
ウレアグリース。
 
 
モリブリングリース。
 
 
惣衛さんが持ち込まれたベルハンマーグリース。
 
 
 
 
次いで中身です。
 
シャシーグリース、ちょう度1。
 
 
シャシーグリース、ちょう度2。
 
 
ブランド不明、柔らかそうなもの。
 
 
リチウムグリース、ちょう度2。
 
 
シェル アルバニアグリース、ちょう度2。
これもリチウムグリース。
 
 
ウレアグリース。
 
 
モリブリングリース。
 
 
ベルハンマー。
多分柔らかい方(ちょう度0とのこと)。
 
 
サンプル採取。
 
シャシーグリース。
 
 
不明ブランド(どうやら分離していたようで、ここには上澄みだけですが、後で半固形部取りました)、リチウムグリース二種類。
 
 
取直したブランド不明、柔らかめ。
 
 
 
ウレアグリース、モリブリングリース、ベルハンマー。
 
 
 
 
袋に入れて並べるとこんな感じ。
同じちょう度2でも多少感じが違いますね。
 
ただ、ハブベアリングにつかうなら流れ出してしまうとダメだと思いますので、ちょう度2を適量塗りこむのが良さげだと思いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と言うことで、フロントはリチウムグリースで作業完了してますが、今更ながらウレアグリスが良いことに気付いたので、手配したリアハブのパネル側はウレアグリスを選択しました。
 
 
ベアリングは両シール。
純正ではLUが最後に付いてますが、ブランドが違うとDUという名前になるそうです。
 
 
 
マチ針でソーっとシールを取り外します。
 
 
メーカー出荷で白いグリースが入っています。
このままでも多分大丈夫ですが、グリースは交換してみます。
 
 
 
洗浄して乾燥。
 
 
ちょう度2のウレアグリースを塗り込みベアリングを回して馴染ませます。
 
 
 
引き込みジグの外輪押しのセンター出しのため追加でシグを作成。
(引き込みボルトはM10、アクスルシャフトはM12のため)
 
 
ディスタンスカラーの距離を微調整して完成!
 
 
回転チェック。
ディスタンスカラーは対面のベアリングが回るか回らないかの触れ具合にしました。
 
 
ようやく引き渡しが出来ます。
おまたせしました。
 
 
 
 
で、この次にやったのがゴミ太郎のフロントホイールの振れ対策(笑)
ってことで、足回りも色々やることがあるなと思ったここ最近でした♪