私は去年から往診専門で鍼灸業というものを経営しているのですが、経営とは言葉だけで、現実はうまくいってません。集客が全然出来ないのです。それはある意味当たり前で、今まで技術の勉強はしてきたのですが、経営の勉強は全くしてこなかったからです。
そこで困ったのであれこれ勉強しているうちに、10年前に経営コンサルタントで事業再建屋として有名な桂幹人氏に出会っていたので、桂会長主催の勉強会に行くようになりました。
桂会長は経営に四面楚歌はありえない。今の業態がダメなら、市場が求める業態に変えればいいとおっしゃいます。我々はすぐに自分の業にこだわってしまうため、市場に合わせた他の業に変わることがなかなか出来ません。でも桂会長はプライドを捨て、変われる人だけが生き残れるとおっしゃいます。現実その通りだと思います。
たとえば私の業で言えば、鍼灸の往診ですが、求める人がいないから集客出来ないわけです。もちろん私の営業努力が足らないところもあるとは思います。
私は西洋医学以外に、この鍼灸でも経絡治療という方法が一番素晴らしく治療効果が高いと思い、これまで頑張っていたわけですが、去年一年市場の動向についていろんなことを学ばさせていただきました。一つは治療選択として鍼灸は選択度が低いということ。言葉で治療の素晴らしさを説明しても関心がないこと。治療を受けてもらえば、治療の良さを理解してもらえるが、しかし実費では受けようとは思われないこと。家に入ってもらう事を嫌う傾向にあること。これらのことを総合すればマーケットからは必要とされる業とは言い難いことは誰でも理解できると思います。だから経営者としてはマーケットが求める業態に変えなければならないわけです。しかしこれがなかなか出来ません。なぜなら技術者としての私がこだわり、許さないからです。ずっとこればで技術の習得に努力してきた自分が無駄になることを受け入れられないからです。
そこで経営者として市場に合わせて行く立場を取るのか、技術者としてのこだわりを取る選択をするのか迫られるわけです。ほとんどの方は後者を選ぶため苦労の末、下手をすると倒産という結末になると言われています。
悩まれる経営者の方は自分の業が行き詰ってしまったときに、自分の業しか見えなくなってしまっているため、出口がないように思ってしまします。でも自分の業を捨てる覚悟があれば選択はたくさん広がり、突破口が見えてきます。
桂会長が事業に四面楚歌はないとおっしゃられるのは上記のように、自分の業を捨て、新しい業へと変化出来るから四面楚歌はありえないとおっしゃられるわけです。
もし事業で悩んでおられる方がおられましたら、こういう考え方もあるのだということを知っていただければ、突破口が見えてくるかもしれません。
私としては諦めが悪いので、まだ鍼灸業を諦めるつもりはありません。まだ業としてはやりようがあると思ってますので、今年一年精一杯頑張って、ダメなら諦めるつもりです。だから今年一年は私にとって勝負です。
皆さまも今年一年事業がうまくいかれることを祈願しております。