運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」 | K's読書室

K's読書室

読んだ本の紹介をしたいと思います。

『運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」』(橘玲、安藤寿康、著/NHK出版新書)を読了しました。

この本は、「行動遺伝学」という、発展著しい学問を取り上げた本です。

この本のカバーをめくってみると、「知性、能力、性格、そして運まで――。行動遺伝学が明らかにしたのは、人間社会のあらゆる面を「遺伝の影」が覆っており、それから誰も逃れられないということだった。私たちは、残酷すぎる世界の真実にいかに向かいうべきか。理不尽を乗り越え、成功を手にするための方法は存在するのか。ベストセラー作家と、行動遺伝学の第一人者が徹底的に論じる決定版。」とあります。端的にいうと、「遺伝」で、その人の性質の半分ぐらい決まってしまうことが多いそうです。遺伝率という考え方があって、30パーセント弱から、多いものだと70パーセントぐらい、遺伝で決まるそうです。54~55ページに一覧表にまとめてあります。なんとなく、日常的に、遺伝の影響を感じてはいましたが、ここまで、数値で表現されてしまうと、ただ、なんていうんでしょうね、そうなんだなあと、そんな気持ちにさせられてしまいました。日常的にも、「○○遺伝子」みたいなことを言うことがあるので、それが可視化されて、数値で表現できるところまで来ているのですね。頭の良さとか、病気とかは、「遺伝で・・・。」みたいに、遺伝のおかげ、あるいは、遺伝のせいだとすることがありますが、この本を読むと、そうだったんだなと、ある意味すがすがしさすら覚えます。

私の理解では、「遺伝」が半分ぐらい、「非共有環境」が半分ぐらいで、その人を形作るということだろうと思います。「遺伝率」が高かったり、低かったりするので、その場合は、「非共有環境」が決めるのだろうと思いました。正確なところは、本書をお読みください。

最後に、目次を記しておきます。

まえがき――誰も「遺伝」から逃れることはできない

第1章 運すら遺伝している

     ――DNA革命とゲノムワイド関連解析

第2章 知能はいかに遺伝するのか

第3章 遺伝と環境のあいだ

第4章 パーソナリティの正体

第5章 遺伝的な適性の見つけ方

第6章 遺伝と日本人

     ――どこから来て、どこへ行くのか

あとがき

以上です。