銀鼠色の奇跡第2回 みらあじゅの創作 | 星導夜

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何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

銀鼠色の奇跡第2回

その日は、雨季には珍しく良いお天気でした。

夕食の準備をしようと、角の食料品店に行くつもりで私は外に出ました。

すると目の前を、長いしっぽに金色の鍵をぶら下げた、あの銀鼠色の猫が、ゆうゆうと歩いているではありませんか。

しかも時折猫は振り返り、まるで私に後をついて来るようにと言っているかのようでした。

思い切って後をついて行くと、猫は不意に大きなお屋敷の前で立ち止まり、しっぽから鍵を落としました。

そしてそのまま、ものすごい勢いで走って行ってしまいました。

私は金色の鍵を拾うと、思い切って鍵穴に差し込みました。

カチリという音がしてドアが開いたので、恐る恐る私はお屋敷に入りました。

「お邪魔します。誰かいらっしゃいますか?」

返事がないかわりに、私はある部屋に、まばゆい灯りが灯っていることに気がついたのでした。

(続く)