ワルキューレ本体のモノローグ

みらあじゅ艦長が号泣していた。
この俺、ワルキューレに乗り込んで来てみせる
初めての涙だった。
この間から不機嫌だったり塞ぎ込んでいたのだが
「思い出せないの。どうしても。それに私はこの戦艦に居ていいの?」と言うなり、わっと泣き出してしまった。
俺が慰めようにも、すっかり心を閉ざしてしまった艦長には俺のテレパシーが受信されない。
副長も人工知能だから、人間の感情というものが理解不能だ。
キウイバードのホープが、甲高く鳴きながらすり寄って行ってもブリッジの片隅で、膝を抱えている艦長が急に幼く見えた。
キャプテンみらあじゅ、どうした。