「光りあれ」と神が言ったとたん、本当に教会のステンドグラスに閃光が走った。
日曜日のミサの時間だった。
あれから、地上には放射能の雨が降り注ぎ、生き残った人々は、透明なドームに覆われた地下都市で生きてゆくことを余儀なくされた。
放射能の雨は、あと2百年は、止むことはないだろう。
「日向が丘に行ってそよ風に吹かれたい」それが私たちの切なる夢だ。
2百年あと、いえ千年後に雨は止むのだろうか?
いつか私たちの遠い子孫が日向が丘で青い風とたわむれることが出来ることを信じて。
今から私たちのコールドスリープ、果てしなき旅が始まる。
いつか緑になる日まで。
それまで、青い風の夢を見よう。
おやすみなさい。
砂時計の砂が、音もなく溢れ落ちてゆく。