こんにちは!
ベルリン在住の国際結婚コーチ、
グロース暢子です。
初めましての方は、こちら >>>自己紹介
ベルリンのお気に入りカフェ
ドイツは、紅茶党よりも断然、
珈琲党の方が多いです。
特に、ドイツ人高齢者にとって、
たっぷりの珈琲にどっしりと甘いケーキで
午後のお茶をする時間は、
何よりのお楽しみ。
今日は、
ベルリンのとあるカフェで耳にした
あるお婆さんの魔法のコトバを、
シェアさせてください。
期待が裏切られたとき
そのカフェは、広く展開している
ドイツのチェーン店のひとつ。
珈琲が美味しいし、
ケーキの種類も多く、
そこそこ居心地の良い空間です。
そこそこ、というのは、
サービスにムラがあるから。
うちの近くにあるこの店舗は、
店長の方針なのか、
トルコ系の若い女性スタッフが多い。
見目麗しく、気さくな態度は良いけれど、
サービスの面では向上の余地ありです。
その日、店に入ってきたのは、
ドイツ人のお婆さん3人組。
二人は70代前半くらい。
もう一人は、おそらく80代後半です。
三人とも、ザッハトルテに決めたようです。
ところが、スタッフの子が運んできたのは、
選んだのとは別のケーキでした。
「違うわよ!」と指摘する70代組の一人に、
そのスタッフは謝るでもなく、
「あ、そうなの~?じゃあどうする~?」的な
ゆるゆるの態度。
70代組のお婆さんたちは、
すっかりオカンムリの様子。
『なんなの、このカフェは!
サービスがなってないわ!
別のところへ行きましょう!』
すると、二人の真ん中に座っていた
もう一人のお婆さんは、
自分の手を二人の手に重ね、
穏やかな笑顔のまま、
静かな声で、こうおっしゃいました。
"Nicht ärgern, nur wundern."
(怒るもんじゃないわ。
珍しいものを見た、って
思うだけでいいのよ)
亀の甲より年の功
怒り心頭だったお婆さん二人は、
この言葉で、一瞬にして
落ち着きを取り戻しました。
なんという知恵!
なんという魔法!
隣に座っていた私と夫は、
心のなかで拍手喝采です。
第二次世界大戦を生き延び、
敗戦国の国民として
想像を絶する苦労をしてきた
ドイツのお爺さんお婆さんたち。
きっと、理不尽な思いを
山のように経験してらっしゃったことは
想像に難くありません。
自分が腹を立てたところで、
何か変えられるわけじゃないとき、
できることは、ただひとつ。
それは、
起こったことに対する
自分の捉え方を変えること。
怒ったってしょうがない。
奇妙なこともあるもんだ。
一歩引いて、そんな風に考えることができれば、
イライラなんて、一瞬で消えてしまいます。
それ以来、
何か理不尽なことを経験したときには、
あのお婆さんのコトバを唱えます。
声の調子や、穏やかな笑顔まで真似すれば、
さらに効き目アップ!
名も知らないお婆さん。
ベルリンのどこかで今日も、
午後のお茶の時間を
楽しんでくれていたらいいな。
このドイツお婆さんの言葉が、
その他4か国分の≪心に響く言葉≫とセットで
素敵なカード集になりました