卒業前夜に、加賀楓さんへ | カバオの現場探訪記

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ハロプロのこと、現場のこと

加賀楓さま

卒業コンサートを明日に控えてブログを清書しています。卒業発表から約3カ月、何かを伝えなければと思いながら書きたいことがまとまらず、今日まで来てしまいました。

最初に、今さらですが約8年ハロプロのかえでぃーを推すことができて幸せでした。ありがとうございました。そして、これからも応援しています。

 

まず、卒業について思っていることを書きます。自分はかえでぃーの卒業を、もうモーニング娘。という枠では収まりきらなくなったからだ、と捉えています。もちろんまだまだ娘。にいることで学べること、成長できる部分はあったと思います。でも、娘。にいるとやりたいけどできないこと、学びたいけど時間がとれないことも出てきていたと思います。両方を比べて、後者の方が大きくなったから卒業を選んだのだと解釈しています。

 

加賀楓の表現を突き詰めていきたい、もっと成長したいと思ったときに、それがモーニング娘。にとって必要なものなのかと言ったら、必ずしもそうではなかったのでしょうね。加賀楓の色が強く出るモーニング娘。もきっと素晴らしいものだったでしょうし、かえでぃーが加入してからずっとそれを見たいと思って応援してきました。でも、その願いが叶うとは限らないし、時間も有限です。だから、このタイミングの卒業は前向きだ、そう考えることにしました。

 

夢だったモーニング娘。から抜けるというのは大きな決断だったと思います。決して、順風満帆だったとは言いません。しんどいこと、思うようにならないこともあったでしょう。ただ、ひとつ誇りに思ってほしいのは、そんな中でもあなたのファンは確実に増え、多くの人に愛されるようになった6年間だったことです。それはずっと現場に通ってきた自分には肌身にしみて分かります。かえでぃーもステージで、盛りだくさん会で感じていたでしょう。在籍していれば、もっと人気になったのは間違いありません。それくらいあなたは魅力的な人です。

 

ご自身でも言っていましたが、研修生時代からかえでぃーはずっと誰かのため、グループのために色んなことを考え、後輩に教えたり全体の中で自分の立ち位置を考えたり、常に周りの人との関係性の中で活動をしてきたと思います。ステージ以外の部分でもそうでした。それ自体はかえでぃーの美点であり、多くのメンバーに慕われてきた理由でもあるのだと思います。

 

たとえば、卒業前に出した振付動画は、石田さん、小田さんや15期のことを本当によく見て、知って、良いところを引き出す力がなければできなかったものでした。振付そのものの完成度はもちろんですが、出演したメンバーのファンから色んなところでお礼を言われました。それくらい、メンバーの魅力をアピールできて、ファンが見たかった動画だったことは、ちゃんと自信にしてほしいと願っています。

 

卒業したら、当分は自分のことに集中できる環境になります。と同時に、誰かを生かすことで自分も輝くというシーンは小さくなり、むしろ自分の力だけで勝負しなければいけない場面がずっと多くなるでしょう。そういう試される覚悟をして、グループを出て行くんだと思います。ただ、そうなったときに加賀楓が自分の中に何を見つけるのか、どんな成長をしていくのか、未来がすごく楽しみになります。

 

今までのように定期的なステージがないので、成長の過程をつぶさに見ることはできなくなります。でも、きっとステージに戻ってきてくれると信じています。今回のツアーでもあらためて感じましたが、加賀楓がいるべき場所はステージの上です。自分で考えて、自分で作った表現を最もよく表現できることは幸せなことです。単なるダンサーとしてのスキルではずっとやっている人たちに及ばない部分もあるかもしれませんが、ステージの上で表現し、人を魅了する力というのは単純な歌やダンスのうまさとも違うものだと思います。私たちファンは、加賀楓の持つ引力に惹きつけられているということを忘れないでください。壁に当たったときでも、もっと自分を信じてほしいと願っています。

 

最後のオンライントークで伝えたことですが、卒業してからは「元モーニング娘。」という肩書きなしで多くの人に知られる人になってほしいと願っています。実はすごく難しいことで、OGの方の中にもそうやって評価されている人はごく少ないと思います。でも、加賀楓にはその可能性があると信じています。TikTokなどを通じて、すでに「今のモーニング娘。は知らないけど加賀楓は好き」という人が少しずつ出てきています。この6年間は大きな財産ですが、そこに頼らない加賀楓の作った世界を観たいです。

 

勉強を終えて戻ってきた時、必ずしも今までのファン全員がまた同じように応援するとは限りません。それでいいんです。あなたの魅力は、元モーニング娘。という肩書きで理解できるものではない。あとから「え、加賀楓って昔はモーニング娘。だったの?」って気付かれるくらいでちょうどいい。そういう活動をしてほしいなと願っています。あ、でも私は帰ってくるのを待っていますよ。

 

研修生の頃から手紙に書いてきた言葉ですが、加賀楓の前に決まった道はなく、自分で道を切り拓いていく人だと感じてきました。これから踏み出していく先にも、決して舗装されたきれいな道はなく、可能性という平野が広がっているばかりです。どこまでいけるのか、誰も分からないし保証もありません。でも、加賀楓が進んでいく先を自分はもっと見たいと願っているし、そこには見たこともない素晴らしい景色が広がっていると信じています。

 

今までは振り返らずに進んでください、背中はファンが押しますと伝えてきました。これからはちょっと違います。不安に思うとき、思うようにいかずつらいとき、高い壁に当たってもがいているとき、ふと振り返ってみてください。加賀楓に魅了され、たくさんの力をもらった人たちの思いが背中を支えています。「自信を持ったら成長が止まる」といつも言っていましたが、自信じゃなくていいから、自分がそういう特別な存在になれるということを認めてあげてください。それで一息ついて、また進んでいってほしいと思います。それで、たまにはその人たちに姿を見せてくれるとうれしいです。


正直、これを書いている今も、明日が卒業コンサートってちょっと信じられない気持ちでいます。卒業ツアーのホールラストだった西条公演、開幕早々からすごく優しい顔で手を振られたときは「いやいや、いつも通りって言ったじゃん!!最後感出してくるなよ!!」ってなりました。でも現実ですからね。かえでぃーが前に進んでいくように、自分もちゃんと前を向いて見届けようと思います。集大成となる最高のパフォーマンスで思いを届けてくれるの、楽しみにしています。

 

2022年12月9日 カバオ