お互いの家族も顔合わせをして親父は凄く喜んで居た。そんな顔を観ているとあたしは安堵感がよぎった…失いそうな大切な人が今こうして笑ってくれているからあたしは幸せを感じた。あたしと彼は『暴走』していた。お互いにお互いの事『愛』と言うより連れて歩く、周りに観られる事で『ベストカップル』みたいになっていた…周りが羨ましがる2人になっていた…なんだかお互いがお互いを自慢するだけの様なものになって居た…式の日取りも年を明ける前にゆっくり進んで行った…『この人あたしを本当に愛しているのかな…??』と不安になっていた…
毎週通う町並みにあたしは幸せになるんだ、と自分に言い聞かせあたしはやっと幸せを掴めると心に誓った。幸せ?何なんだろう。何か話が進む度に想って居た。贅沢なわがままかも知れない…今まで幸せが無かったから解らなかった。でも少しずつ現実を観るようにした…
春の結婚式に向けてあたし達はイルミネーションの綺麗な町に行き式を挙げるホテルも有名な所だったのでディナーをしたりあたしはなんだかそぐわない自分が居るような気がした…彼は何時しかあたしをセレブにしようとどんどんあたしを変えていく。式の打ち合わせや髪型やドレスは全部彼が気にくわないとあたしが着たい物でもダメだ、と言われ式場の人も『髪型決めるのに新郎さんがずっと居るのは始まって以来初ですよ』と言われた…あたしはもう解らなくなりつつも『幸せになるんだ』と言い聞かせ我慢しながら全て言う通りにした…