あたしはもう『ブランド』でしかなくそこに愛があったのか解らなかった…心はあたしは普通に過ごしたかった…見栄を張る様な生き方はあたしには苦手だったのかも知れない。それでもあたしは彼を失いたくなかったから稼いで彼の為に生きた…そうする事で補って居るあたしはずっと変わらない…なのに彼はどんどん変わって行く…あたしは何時しか取り残されて居た…
それからは彼との結婚生活、と言うより長男夫妻が怖かった…彼はあたしが稼いだ金と自分の金で遂に『フェラーリー』を買ってしまった…もうあたし達は何処へ進んで行くのか解らなくなっていた…周りからは結婚してても恋人同士みたいと言われ続けた答えがここまで来てしまいあたしは何だか解らなくなっていた…必ず土、日は必ずイタ飯…食事が取れないあたしはワインばかり飲んで彼の更なるあたしへの要求は凄くあたしは何だか自分じゃない自分が居る様な気がした…コンビニ弁当も食べたくても許される事は無かった…あたしは何も出来ない子になっていた…
全く意識は戻らず彼の親父は他界した…あたしは何だか心の中がぎくしゃくしなかった…彼もそうだろう。葬式の時もお兄さんは平然としていたけれどうちの家族は顔を見たのは亡くなった顔だけ…あたしは色々な葬式のやり方はあるだろうがあたしなりに手伝ったつもりだったがあたしの親の前でお兄さんが大声であたしを怒鳴りつけて彼はかばう訳でもなくうちの親が謝って居た…泣きじゃくるあたしに仲の悪い兄がそっとハンカチを渡してくれた…あたしは涙が止まらずかばわない彼に愕然としていた…なんなんだろうと…そこから溝は大きくなってきた…