次の日彼の実家から連絡が来た…『お父さんが危篤だ』と…。そう、本当にお父さんは苦しかった。あの時病院へ連れて行けば何とかなったかもしれない…あたしはある意味お姉さんは『人殺し』と想ってしまった…あたし達は慌てて病院へ向かった…危篤状態で事故から見つかった脳のガンで助からないとは言われた…あたしはびっくりした…何だか人って解らないなって…
退院して月に何回か親父を見舞いに出向いて居た。暑い夏の日であたしの事は何となく覚えては居てくれていたけどなんだか調子悪そうだったので彼の母と病院へ連れて行くか話して居たけれど、お母さんが『お兄さんの了解がないと連れて行けないと…』あたしは脂汗をかいている親父は普通でないとは想ったけれど彼と2人でお姉さんがご自分の実家に帰られてる、と言う事であたし達は電話をして帰って来た。あたし達は唖然とした…脂汗をかいてる親父に仁王立ちになり『何時もそんな嘘ついて迷惑なんだから!!本当は痛くないし苦しくないんでしょ?嘘ばかりつかないでよ』と。でもあたしと彼は普通でないと想うとは告げたけれども『何時もの事だからほっといて良いよ』と言われあたし達は無言のまま家路に着いた…それが恐ろしい事になるとは想わなかった…
そんな時彼の親父が交通事故にあった…彼の家庭も複雑で彼の親父は『精神病』だった…あたしは結婚式に呼びたかったけど相手の親父代わりの長男から拒否された為叶わなかった…何故あたしが呼びたかったのは彼は親父の子供ではなく母親が愛人と作った子供なのに三男として認知したからだった…その頃から彼の親父は壊れてしまったから解ってた中で彼を受け入れてくれた大切な人であった…しかし夜中よなよな家を飛び出しては出掛けて居たみたいでその時の事故だった…あたし達は駆けつけ様態を観ていたが頭を打ったらしく元気になるには中々難しかった…唯一あたしは誰か、と言うことだけ解っていてくれた事は嬉しかった…毎週お見舞いに行き回復を待った。うちの親が見舞いに行きたい、と告げても長男に断られ逢う事はなかった…でも元気に退院してくれてあたし達はほっとしたのもつかの間だった…