今流行で言えば事実婚はなかった…あたしも彼に走ったし年下だから絶対裏切られると解りながらももう停まらなかった…彼があたしの中にすでに住み着いていた…毎日夜仕事が終わり待ち合わせをして今まで許されなかったコンビニややすい食べ物屋へ連れて行ってもらう事があたしには新鮮でならなかった…コンビニは無理だし当たり前に安い店は無理だったからあたしにはバカみたいだけど新鮮すぎてなんだかこんなんのが良かった、と想った…でもあたしはバカがつく位のセレブになりあげられてたから人は這い上がる事は簡単だけど下がるのはどれだけきついかあたしにはまだみえなかった…
毎週仮面夫婦を演じるあたし達は親父の元へ行った。けして喧嘩をしてる訳ではなかったから家に帰ったら短い時間話し合った…『あたし達はもう無理だね。あなたにあたしは愛してもらえなかった…』『俺もお前に愛されてなかった…お互いそう想ってたんだね』と話して居た…お互いの心のズレがどんどん離れつつあったのにお互いが目を背けただただブランドにいるだけでたもって居たこともお互い話した。ただ親父が回復するまではあたし達週末は良い夫婦で居よう、と話した。彼はあたしに『お前は独りでは生きていけない女だから男でもいたら良いのにな』と言われた…答えようがなかった…あたし達は変わらず笑顔で居て今想えば離婚の原因はなんだったんだろうと考えてしまう部分もあった…
彼は彼女と連絡を途絶える様にしてたし、仕事でも逢わない様にしていた…でもそんなのは通用する事ないよ、と話したけど彼は水面下では動いて居たみたいだからあたしは安心していた…何だかあたし自身も決着をつけないと行けないから何だかすべてを捨てて飛び込めるか不安だった…あたしはわがままだった…