それから自宅へ親父は戻って来た…あたしは家を出てから初めて自宅に泊まった…母と親父を囲む様に3人で添い寝した…あたしは親父にキスをした。何も出来ず何も知らされてなく余命は出ていたらしい。ただあたしに言うと毎日泣きじゃくるから言わなかったらしい…そんなのもあたしは知らなかった…母と2人でずっと話をしていた。あたしは親孝行出来なかった事や桜を見せてあげれなかった事。ただ離婚する事は話さないまま終わって良かった事。朝まで語り明かした…
親父は全員を待ってたかの様にさっきまで普通に話していたのにいきなり『危篤』になった…冷たくなって行く体を母は一生懸命さすっていたからあたしも同じ様にさすった…親父は治ると聞いて居たからあたしは頑張って何が起こって居るのかすら解らずただ呆然としていた…どうしたの?観たがってた桜が咲くよ、と想いながらあたしは母と一緒にさすった…初めて見た体験だったが親父はガリガリに痩せていたのにむくんで来て死を知らせた…あたしは見舞いに独りで行ってた頃娘さんがくると興奮するので来ないでくれ、と看護師に言われて居た…あたしはたくさん教わる事が残って居た…だから母と一緒にカイロやいろんな物で温めた…でもそれは無駄でよく噂では聞いていたけど亡くなる前に大きな息をつく、と聞いたけれど本当に大きな息を付き父はとびだって逝った…春の暖かい日差しの中だった。65歳と言う若い命だった…
ふと夢の中であり得ないかも知れないけれど親父があたしを呼んでる夢を観て飛び上がり彼にあたしすぐ旦那と待ち合わせて病院へ行く、と告げた。あたしは旦那さんに連絡をしたら明日から出張と言われたから親には話あたし自身夢の中でしかないと想っていたからあたしは気にしないで彼と待ち合わせ病院へ行った。何だかあったら元気だったし夢は夢なんだなぁ~と想った。兄貴やみんなでたばこを吸って帰ろうか、と話になった。彼も明日から出張があったから支度もしなきゃいけなかったしみんなで帰る支度をしてた…そんな時母がかき寄せて来て『すぐに来て!!!!』と言われた…