ハイブリッド戦争(並木書房) | らくちん道への道

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福岡市中央区今泉で整体・鍼灸院をやっている人の雑感ブログ。

 

 

いま国際秩序は大きく揺れている。国際秩序を揺るがしているのは、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの大規模軍事侵攻のような古典的な武力攻撃だけではない。武力攻撃に至らない段階におけるハイブリッド戦争も民主主義や国際秩序を大きく揺るがす重大な脅威である。権威主義勢力が日本・米国・台湾・NATOなど民主主義諸国にしかけるハイブリッド戦争の事例を分析し、日本が生き残るための対抗策を提言。混迷の時代に問う、気鋭の研究者、渾身の書!

 

発売以来品切れが続いていて、やっと読むことが出来た。

 

注目の「ハイブリッド戦争」のワード。

 

著者の志田 淳二郎さんによると「ハイブリッド戦争とは、国家主体が、あらゆる手段を駆使しながら、正規軍による武力行使未満の行動をとることで他国に危害を与える事態を指し、そのターゲットは民主主義。」

 

アメリカの衰退から、ロシア、中国が仕掛けてくる中、日本が生き残るためには相手を研究し対策することが重要。

 

まずはロシアの情報戦の手口である物語(ナラティブ)。

 

人間は事実より物語を重視する生き物であることは何度も語ってきたが、物語を人々をコントロールするための道具として使う。

 

この人の性質を熟知しているのがロシアで、手口としては古い歴史を持つ。

 

あと、この本ではロシアに協力する日本のスターたちが実名で紹介されている。

 

彼らの発言が共通することが多い理由は、クレムリンから送られてくるテーマ集(テムニク)に記載されている内容に沿って行われているため。

 

中国については狡猾な国であることは間違いないが、急激な発展とともに脆弱性が表に出てきてしまい、国民をまとめ上げることが厳しくなっている現状で、近隣の国々は警戒心を更に高める必要がある。

 

最後に著者の体調が良くないことが書かれていて、巻末の参考資料の膨大さを見ればかなりの労力が用いられたのがわかる。