定員割れ著しい小さな私立お嬢様大学の延期というその結果から見て元々安直で気軽としか思えなかった一度公表した新学科開設の理由の余程さは何処にあるのかについて推論してみる
(前 提)
福岡市内にある定員割れが著しい福岡女学院大学に感性メディア学科という新学科の開設がかねてから発表されていた。この新学科の開設は福岡女学院大学のオープン・キャンパスでもさかんにその大学の先生たちから宣伝されていた。
ところが、この度、大学進学志望の女子高生から見て全く突然に、感性メディア学科の新設延期が福岡女学院大学から以下の通り通知された。
2026.03.06
人文学部感性メディア学科(仮称)の開設時期変更のお知らせ
かねてより構想しておりました「人文学部感性メディア学科(仮称)」につきまして、開設予定時期を当初の2027年4月から2028年4月へ変更することといたしました。
本学科は、「感性」をキーワードに、これからの時代に求められる新しい学びを提供すべく準備を進めてまいりましたが、本分野における教育内容をより豊かで洗練されたものに練り上げ、学生の皆様が充実した教育や研究に触れられる環境を整えるためには、今しばらくの準備期間が必要であると判断いたしました。
本学科への進学をご検討いただいていた皆様、ならびに関係者の皆様には、ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。
開設に向けた進捗状況につきましては、本学ウェブサイト等にて随時発信してまいります。より一層魅力ある学科となるよう準備を進めてまいりますので、引き続きご理解を賜りますようお願い申し上げます。
推測ではあるが、どの大学は闇雲に、新学部や新学科の開設について、社会に公表しない。公表以前には、その開設を大学に認可する文部科学省との相談や折衝が行われているからである。一旦社会に公表した新学部や新学科の開設を延期したり、中止したりするのは余程の理由である。
そのような理由の余程さはたいてい、大学の設置や改革を認可する文部科学省の意向に由来する。福岡女学院大学の今回の感性メディア学科新設延期の理由として、福岡女学院大学は、以上の < 人文学部感性メディア学科(仮称)の開設時期変更のお知らせ > において、「 より一層魅力ある学科となるよう準備を進め 」るため、そして、「 本分野における教育内容をより豊かで洗練されたものに練り上げ、学生の皆様が充実した教育や研究に触れられる環境を整えるため 」であると述べています。
福岡女学院大学の今回の感性メディア学科新設延期の上掲の2つの理由を見れば、福岡女学院大学は、感性メディア学科の教育に当たっての大学施設が、現状では、数と質の点で十分ではないという指摘を福岡女学院大学は文部科学省から受けたのではないのか。文部科学省から、福岡女学院大学が現状では十分ではないと指摘された感性メディア学科の教育に当たっての大学施設は、人的施設と物的施設に大別される。
その際の物的施設とは、講義室、図書、図書館などであるが、それらが大学の現状でただ設置されているだけであればそれで良いわけではなく、それらの物的施設の有無だけではなく、それらの物的施設の数と質が感性メディア学科での教育に相応しているのかについても、文部科学省による感性メディア学科新設の審査対象になる。しかし、物的施設の不十分さは予算さえあれば、買えばよいので、すぐに対処することができる。
しかし、文部科学省の指摘があったとしても、すぐに対処することができなくて、新学科開設を延期せざるを得ない理由が上述した人的施設の不十分さである。その際の人的施設とは、新学科において講義を行う大学教員のことである。そのような大学教員も、文部科学省による感性メディア学科新設の審査対象になる。その際の審査の観点は、3つである。
それらの観点とは、①新設の感性メディア学科での各々の講義科目とのそれらの各々の講義科目を担当する各々の大学教員のそれまでの著作や研究論文や研究発表の内容の一致性、②新設の感性メディア学科での各々の講義科目との感性メディア学科就任予定の大学教員のこれまでの講義科目担当歴の一致性、③大学では、教授、准教授、講師、助教という教員職階があり、また、開設される学部や学科の講義科目についても、学部や学科の本質的な中心的な科目と学部や学科の非本質的な非中心的な周辺科目に分かれていて、それらの科目を担当する大学教員の教員職階で、学部や学科の本質的な中心的な科目は教授という職階の大学教員が担当しなければならないということになっていて、学部や学科の本質的な中心的な科目を、たとえ大学で教授という職階を認定している大学教員に担当させることにしていたとしても、文部科学省が、大学で認定している大学教員について、その大学教員のそれまでの著作や研究論文や研究発表などの質と数の点などから、教授と認定することができない場合もあって、その教授認定可否である。
物的施設の不足の際とは相異して、人的施設の不合格の際は、たとえ予算があったとしても、文部科学省が新学科での教授と認定する大学教員を就任させて、すぐに対処することができるわけではない。他の大学などへの公募や他の大学からの縁故での割愛要請という名称の大学間でしばしば行われる引き抜き採用を試みたとしても、文部科学省が新学科での教授と認定する大学教員が福岡女学院大学の新設の感性メディア学科に就任するとは限らないし、さらに言えば、国立大学や公立大学、そして、これまで日本全国で倒産閉学しているのは大学全体で3000名前後以下の学生数しかない小さな私立大学だけであるが、そのような小さな私立大学の1つとしての福岡女学院大学とは相異して大規模な私立大学という他の大学で教授であるにもかかわらず、常識的には余程の理由がなければ教授として福岡女学院大学に転任してくれるとは限らない。
(推 論)
それで、福岡女学院大学の感性メディア学科という新学科開設時期の延期の理由は、惟うに、物的施設の問題ではなく、上述した人的施設の問題で、上掲の①、②、③について、その何れか1つか2つか、あるいは、それらの全部かについて文部科学省からの指摘に基づくであろう。福岡女学院大学では、すでに在職している大学教員のなかで、たとえ福岡女学院大学が教授という職階を認めている大学教員について、感性メディア学科という新学科開設の際、教授として配置したとしても、文部科学省は、福岡女学院大学で教授としてすでに在職している大学教員について、教授とは認定しなかった可能性がある。その理由で、結果的に、福岡女学院大学の感性メディア学科という新学科開設時期は延期になったのではないのか。そのような経緯を延期の理由とするのは、「 より一層魅力ある学科となるよう準備を進め 」るため、そして、「 本分野における教育内容をより豊かで洗練されたものに練り上げ、学生の皆様が充実した教育や研究に触れられる環境を整えるため 」という福岡女学院大学がその延期理由として挙げている上掲した理由とは何ら矛盾しないように思われる。
なお、福岡女学院大学では、現在、約500名程度の定員割れという著しい定員割れが大学全体にある。福岡女学院大学では、感性メディア学科新設と共に、情報工学部という学部の新設予定も間近で、この新学部設置についてもすでに社会に公表している。学科新設よりもさらに難しい新学部設置としての情報工学部という学部の新設予定が感性メディア学科のこの事例のように、上述した人的施設の問題で延期になれば、まだ良いが、取り止めとか、事実上の取り止めに相当する無期限延期とかにならないように、延期や中止などに振り回される大学受験の女子高生の利益から考えて、憂慮する。
感性メディア学科新設延期は、その理由については一応は度外視して、普通では、大学運営上重大であるが、その延期についての大学内で然るべき役職者が自発的に引責したのであろうか。その引責がなかったとしたら、その運営や経営などの点で、福岡女学院大学は、一体、巷間で、世間的にどのように評価されるのであろうか。それは、福岡女学院大学の今後の定員割れの短期間での激減のさらなる進捗に通じるのではないのかと憂慮する。女子高生をこれまでの日本社会と同様に何も知らない世間知らずの小娘であると見なして、抜け目ない今様の女子高生を甘く見ない方がよいと感じる。