今後産業廃棄物処分場を水源地に造らせないために水道水源保護条例の制定にも取り組んだ。これは住民組織が条例のひな形を作り、議員提案で議会に提案しました。以下条例の内容は次のようなものです。

川崎町水道水源保護条例

    

 98・12・7

 

 (目的)

第一条 この条例は、水道法(昭和三十二年法律第百 七十七号。以下「法」という。)第二条第一項の規 定に基づき、川崎町の水道に係わる水質の汚濁を防 止し、清浄な水を確保するため、その水源を保護し、

 もって住民の生命及び健康を守ることを目的とする。

 

 (定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。

 一 水源 法第三条第八項に規定する取水施設及び貯水施設に係わる周辺の地域で、水道の原水の取  入れに係わる区域をいう。

 二 水源保護地域 川崎町の水道に係わる水源及びその上流地域で、水道事業管理者(以下「管理者」

  という。)が指定する区域をいう。

 三 対象事業 別表に掲げる事業をいう。

 四 規制対象事業場 対象事業を行なう工場その他の事業場のうち、水道に係わる水質を汚濁し、又  は汚濁する恐れがある工場その他の事業場で、第  八条第三項の規定により規制対象事業場と認定されたものをいう。

 五 広域水源保護 川崎町添田町田川市、及び糸田町区域に係わる水源の保護をいう。

 六 関係地域住民 関係地域住民とは、水道水源から供給された水道水を利用する川崎町住民をいう。

 

 (川崎町の責務)

第三条 川崎町は、水源保護に係わる施策を実施しなければならない。

  

 (管理者の責務)

第四条 管理者は水源の水質の保全に努めなければならない。

 

 (住民等の責務)

第五条 何人も川崎町が実施する水源保護に係わる施策に協力しなければならない。

 

 (水源保護地域の指定等)

第六条 管理者は、水源水質を保全するため、水源保護地域を指定することができる。

2 管理者は、水源保護地域を指定しょうとするときは、

 あらかじめ川崎町水道水源審議会の意見を聴かねばならない。

3 管理者は、第一項の規定により、水源保護地域の指定をしたときは、その旨を直ちに公示するものとす る。

4 前二項の規定は、管理者が水源保護地域を変更し、又解除しょうとする場合について準用する。

 

 (規制対象事業場の設置禁止)

第七条 何人も水道水源地域のうち、川崎町の区域内に於いて規制対象事業場を設置してはならない。

(事前の協議及び関係地域での周知、設置等)

第八条 水源保護地域のうち、川崎町の区域内においては、対象事業を行なおうとする者(以下「事業者」

 という。)は、あらかじめ管理者に協議するとともに、関係地域の住民に対し、当該対象事業計画、及 び内容を周知させるため、説明会の開催その他の措 置を採らなければならない。

2 管理者は、事業者が前項の規定による協議をせず、又は同項の措置を採らず、若しくは、採る見込みがないと認めるときは、当該事業者に対し、期限を定めて当該協議をし、又は当該措置を採るように勧告するものとする。

3 管理者は、第一項の規定による協議の申し出があった場合において、川崎町水道水源保護審議会の意見を聴き、規制対象事業場と認定したときは、その旨 を速やかに通知するものとする。

 (一時停止命令)

第九条 管理者は、事業者が前条第二項の規定による勧告に従わないときは、当該事業者に対し、期限を定めて対象事業の実施の一時停止を命ずることがき る。

 

 (措置要請)

第十条 管理者は、水源保護地域のうち、川崎町の区 域外において、事業者が対象事業を行なおうとするときは、関係地方公共団体に対し、適当な措置を採 るように要請するものとする。

 

(広域水源保護の相互協力)

第十一条 川崎町は、広域水源保護のため必要がある と認めるときは、関係地方公共団体等に対し、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十 二条の二第一項に規定する協議会の設置その他の協力を要請するものとし、関係地方公共団体等から川崎町に対し、当該協力の要請があったときは、これに応ずるものとする。

 

 (審議会の設置)

第十二条 水源の保護を図り、水道事業を円滑に推進 するため、地方自治法第百三十八条の四第三項の規定に基づき川崎町水道水源保護審議会(以下「審議 会」という。)を設置する。

2 審議会は、川崎町の水道に係わる水源の保護に関する重要な事項について、調査審議する。

産業廃棄物処分場反対運動では、全ての住民を見方にするという見通しを持って運動を進めていきました。全戸にチラシを配布すること、そのためには行政区(自治会)の協力を得て、川崎町だよりと一緒に毎月一回状況と課題を書いた「大ヶ原通信」を配布しました。費用は町に全額出してもらいました。すでに述べてように川崎町民の過半数を超える産業廃棄物処分場反対の町議会への反対署名を集めました。請願は15対6の多数で可決しました。町の全面的支持を勝ちとりました。議員の過半数以上が、住民会議の理事になってもらいました。田川郡選出の県会議員には顧問に就任してもらいました。町議会議長、の業委員内の会長にも顧問になってもらいました。

 この中で推進派と言われた住民は、業者の社員とほんの一握りと言えるまでに追い込みました。

 又、行事をするときは、宣伝カーをまわして、情報を徹底しました。更に、41行政区での学習会を計画しました。区長にお会いして日程を調整し、チラシを配布して、宣伝カーをまわして住民に大ヶ原産業廃棄物処分場の内容を徹底しました。

 産業廃棄物処分場では、全ての住民が一致できるまでの運動が必要だと思います。

 それでも運動を始めて14年、、裁判を始めて13年。産業廃棄物処分場反対は本当に長い闘いになりました。 

14年前、産廃問題に取り組む前に私は、鉱害と同和問題の不正を契機にして、数名の仲間達と川崎町に情報公開条例を制定する運動を進めてきて、その制定を達成していました。産廃問題を取り組む上で、この経験は大きな力になりました。

福岡県には情報公開条例が制定されていたので産廃施設の事業計画書をすぐに入手することができました。又、産業廃棄物処分場の世知に関わる紛争予防条例を利用して、産業廃棄物処分場手続きがどのように進められてきたかを知ることができました。ところが、石炭採掘状況を表していた旧坑道を示す「坑道図」は、ネド(新エネルギー機構)が、開示しませんでした。しかし、国に情報公開法が制定されることで、ネドも経産省も開示せざるを得なくなりました。こうして請求して10年ぶりに「坑道図」の開示ができました。それを産業廃棄物処分場予定図と重ね合わせると、、予定地のかなりの部分が石炭採掘に重なっていることが分かりました。

 私は、法令を利用することの大切さをあらためて感じました。しかし、法令は、国民に使いにくくされていて、工夫をしないと使えないことを体験しました。