みなさんこんにちは。ただいま大阪に向かう夜行バスの中からの更新です。
まあ、どんなことでもバランスって大事だと思うんだよね。昭和の時代に製作されたこのズノウ、当時の一流のレーシングパーツで組み上げてある。
しかし、30年近く経った現代ではもはや時代遅れのオールドチャリだ。
例えばこのチネリのバーとステムは現代の基準からいったら剛性感がまるで無くヤワヤワだ。今のアヘッドステムやオーバーサイズのバーに比べたら 細過ぎる。
フォークコラムに直接ステムをクランプさせるアヘッドステム、さらにそれをオーバーサイズで作り、剛性を確保するのが現代のやり方だ
細くて長いBB軸に細いボルトで組み付けられたクランクは
ガチで踏み込むとたわんでディレイラーの羽とチェーンが擦れて音を立てる
カンパの縦型ディレイラーはキャパシティが少ないしスプロケのロー側はせいぜい24Tぐらいまでしか付けられない
まあ、現代の基準で考えたらイイとこなんてなんにもないわけなのさ
しかし待てよ、このヤワなパーツ達がさ、絶妙なバランスを作っているんだよ。
手組みの柔らかい重たいホイールと組み合わせたラテックスチューブのチューブラータイヤ。バカみたいに踏み込んだら当然加速なんてしないしさ、クランクをクルクル回しても決して期待に応えてはくれはしない。ご機嫌をうかがいながら回して、いや踏み込んでいくんだよね。
確かに現代の最新型のロードバイクは楽に早く走れるよね。軽量高剛性、電動変速、メンテナンスフリー、でもそれだけ。楽なだけで楽しくはないんだよ。
時代遅れの昭和のロードレーサー。
メンテもいろいろ必要だし重たいしヤワだし錆びる。でも乗ってて楽しいのはやっぱりコッチなんだよね。重たいギヤをガチ踏みしながら山を登る。罰ゲームみたいに重たいブレーキ。ブラケットなんて握ってたらブレーキかけらんないんだから。ブレーキ効かせるには常に下ハンだよ。止まるためではなく速度調節をするのがブレーキ、そう自分に言い聞かせながら走る醍醐味。その代わりに極上の乗り心地と接地感をもたらしてくれるチューブラータイヤがある。もうこれでいいや。速さとか、楽さとか自分はもう求めてないから、ただ心地よくキモチ良く走りたいんだよね。
鉄チャリ全盛期のクロモリロードレーサー、なんだかんだいってもさ、やっぱこいつが一番だわ。