黄金のかずのこカーテン | 写真家・小澤太一の『logbook』

写真家・小澤太一の『logbook』

小澤太一のなんでもない毎日の記録集

モロッ子が一人で飛行機で東京に戻った翌朝4時。まだ真っ暗の中、漁師さんに船に乗せてもらい出港。霧雨がしっとりと体にまとわりついてくる。そして体の奥から空に向かって息を吐くと、真っ白い息が……漁師さんにとっての春はまだ遠い。

 

定置網を引き上げると、黄金色に輝く網が現れる。これは全部かずのこだ。『黄金のかずのこカーテン』を間近に見て、ニシンの子どもはかずのこであることを改めて実感。船に落ちてきたかずのこの切れ端を口に入れてみると、食感は確かに数の子そのもの。味はほんのりとぼやけた海味がした。

 

ニシン漁をする漁師さんにとってこの網についたかずのこは、網を引き上げるときに重くなるだけの邪魔者でしかない。この後、ジェット水流でバンバン剥がしていく。そしてその『おこぼれかずのこ』目当てで大量のカモメが船の周りに群がってくるのだ。

【最近見た写真展】

4:『今⽇もHappy Train!』中井精也<エプサイト>

5:『ベトナム戦争の終結から半世紀』桑原史成<丸の内フォトギャラリー>

6:『Last day in Saigon 1975 April.』岡本俊郎<アートスペース丸の内>

7:『風と火』寛永<キヤノンギャラリー銀座>

8:『Voyage vers Vincent Van Goghゴッホへの旅』角田 和夫<CO-CO PHOTO GALLERY>

9:『GAZE』キセキミチコ<ソニーイメージングギャラリー>

10:『お気に入りの場所フォトコンテスト作品展』<ソニーストアαプラザ>

11:『大地とともに』タカオカ邦彦<JCII>

12:『私の選ぶ3本のレンズ展』写真人会<JCIIクラブ25>

13:『四季白馬』菊池 哲男<富士フォトギャラリー銀座>

14:『斉藤みき先生の撮った写真を飾るまでのセミナー』<富士フォトギャラリー銀座>

15:『第25回(2023年度)三木淳賞 出口の町』吉江 淳<ニコンサロン>

16:『冬の鉄景』石田 俊幸<ニコンプラザ東京 THE GALLERY>

17:『Jam Photo School Exhibition 2024』<目黒区美術館区民ギャラリー>

18:『堆積した静寂の前』古野達也<金柑画廊>

19:『TOKYO EAST WAVES』大西みつぐ<ふげん社>

数字は4月から見た写真展の数です。